01.03.義兄妹
「手、繋ごうか。逸れたら困るでしょ?」
「うん」
これはあれよ……、だって逸れたらどうしていいかわからないもん。
「き、綺麗な手ね、
うう、よりにもよって女の子みたいだなんて……。私のバカ、
「
「私は女の子だもん……。緊張、するね」
「うん。緊張でお腹いたくなりそう」
「もう」
大丈夫、かな。
でも、この花火が終わったら
「次は……」
「ん? 次? 次は……年末のパーティーかな?」
「そう……だね」
意外と気が合うのかもね、私達。
学校の男子達みたいにガツガツ来ない、というか、寧ろ私が何とかしないと何も進まない。頼りないと言えばそれだけなんだけど、逆に言えば、私の思い通りにできるわけじゃない。
それに、肝心な時には頑張ってくれるのよね。変な三人組にナンパされた時なんか、『僕の彼女だから。手、ださないで』だなんて。まあ、三人組は
うん、
『次は……』
『ん? 次? 次は……年末のパーティーかな?』
『そう……だね』
今思い返せば、あれって次のデートの誘いだったんじゃ……
何が年末のパーティーよ。半年近くも先じゃない。おまけに連絡先の交換するの忘れちゃったし。もう、何やってるのよ、私ったら。
「どうしたの、
「う、うるさい。何でもないから」
今頃気づいた所で既に帰りの電車の中。
そこからカレンダーに印を付けて残り日数をカウントダウンする日々が始まった。
今何してるんだろう。彼女出来ちゃったりしてないよね。あっ、彼氏の話はしたけど、彼女の話はしてないかも。彼女いないよね、
そして、漸く待ちに待ったその日がやってきた。会社主催の年末パーティー。
「あら、今年は仮装しないの?」
「しないわよ。誰もしてなかったじゃない」
「一人居たような気もするけど」
「あれはバルーンアートのおじさん」
「そうだっけ」
ピエロと一緒にしないでよ……
とにかく、今年は仮装はなし。久しぶりに
「そうだ、今日は紹介したい人が居るから最初だけでもお母さんと一緒に居てね」
「紹介? まあ、いいけど最初だけね」
パーティーは2時間しかないんだから。その間に連絡先の交換して、次のデートの約束して……、その前に彼女いないか確認しないとか。とにかく、今日、私は忙しいんだから。
会場に着いて、お母さんが向かったのは何故か
「紹介するわ。
「
「宜しくね、
「私達、結婚することにしたの」
ああ、そっちかあー。そうだよねー、許嫁なんていう家柄でもないし当たり前かー。
「
「兄?」
「だってそうだろう。
「姉、じゃなくて兄なの?」
うん、うん、解るよお母さん、その気持。
「いや、
「聞いてないわよ、そんなこと。それより~」
お母さんのこの顔、何か嫌な予感が……
「
「え? 何のこと?」
「とぼけないでよ。去年のディズニーよ。二人でデートしたんでしょ?」
「それは……私も知らなかったんだもん、当日まで」
「ふ~ん♪」
でも、そっかー、
「宜しくね、
「うん、宜しくねっ、おに……じゃなくて、
絶対に妹だなんて意識させないんだから。
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