第17話 キーストーンについてだよ
蘭華蘭菊「みなさん!こんにちはー」
蘭華 「今日はキーストーン」
蘭菊 「そうね」
蘭華 「キーストーンって言ったら鍵の石ってことかしら」
蘭菊 「そうね。直訳するとそんな感じね」
蘭華 「ということは、鍵よね」
蘭菊 「だから、キーストーンは門を開けたり閉めたりすするのに使う石ね」
蘭華 「門って言ったら『大門』『騎士の門』『中門』『小門』ってあるけど、全てキーストーンがあるの?」
蘭菊 「キーストーンがあるのは『大門』だけよ」
蘭華 「えっ?『騎士の門』の中ってキーストーンを奪い合っているんじゃなかった?」
蘭菊 「そうよ。でもそれは『騎士の門』のキーストーンではなくて『大門』のキーストーンよ」
蘭華 「うーん、よく分かりません」
蘭菊 「大門を開けるにはね、8つのキーストーンがそろわないと開かないの」
蘭華 「それは知っている」
蘭菊 「その8つのキーストーンは、『騎士の門』内のフィールドにそれぞれ、聖人国側のキーストーンと魔人国側のキーストーンが存在しているの」
蘭華 「騎士の門内に2つのキーストーンがあるってことでいいのかな?」
蘭菊 「その通り。そして、それが騎士の門の数、すなわち8セットあるってこと」
蘭華 「ふーん」
蘭菊 「そしてね、聖人国側のキーストーンは聖人国の大門を開けるために使用するの」
蘭華 「ということは、逆に魔人国側のキーストーンは魔人国の大門を開けられるってことね」
蘭菊 「そうそう。だから、相手側のキーストーンを8つ奪えば相手側の大門を開けることができるの」
蘭華 「大門が開くとどうなるの?」
蘭菊 「知らないわよ!開いたことがないんだから。ただ、王が通ることができるのと何か関係があるのかもよ」
蘭華 「王様が相手の国に乗り込むことができるってことよね」
蘭菊 「まぁ、極端に考えればチェックメイトよね・・・」
蘭華 「ゲームオーバーって・・・国が亡ぶじゃない!」
蘭菊 「それもあるかもってことよ・・・」
蘭華 「だったら、キーストーン奪われないように、騎士の門から国内に持ち帰っておけばいいんじゃない!私って天才!」
蘭菊 「残念!キーストーンは騎士の門を超えることはできないの」
蘭華 「えー!」
蘭菊 「奪ったキーストーンも、自分の騎士の門にはめ込むことで、相手の大門のカギ穴が回る仕掛けになっているのよ」
蘭華 「それだったら、騎士の門内の自国フィールドの奥深くに隠しておけばいいんじゃない。例えば、内地とつながっている騎士の門のすぐ近くとか!それなら、いざっていうとき、内地から援軍がすぐ駆けつけることができるじゃない」
蘭菊 「それも、一理あるわね」
蘭華 「でしょう!」
蘭菊 「でもね、キーストーンにはもう一つの力があるの」
蘭華 「何?」
蘭菊 「それはね、キーストーンの周囲では、神民スキルの力が増加するの」
蘭華 「え・・・と言うことは、攻撃するときにはキーストーンと一緒に攻撃した方が有利ってこと?」
蘭菊 「そういう事」
蘭華 「なにそれ・・・守れって言いながら、前線に出さないと不利になりますよぉって、くそアイテムじゃん!」
蘭菊 「守りに特化するもよし、攻撃に特化するもよし。それは、その門の騎士が考えることね」
蘭華 「ふーん、だから、大体、前線の駐屯地に配置しているのね」
蘭菊 「そうね。その駐屯地内では、キーストーンのおかげで、神民スキルはかなり強化されているわね」
蘭華 「相手方も簡単に攻めることできないじゃない」
蘭菊 「このキーストーンをめぐる争いは、基本、守る方が有利なの」
蘭華 「そうよね、自国フィールド内の騎士なんて騎士の盾があるから絶対無敵じゃない」
蘭菊 「そうよ。だから、相手の神民数を減らして、敵陣のフィールドを削っていくことが重要なの」
蘭華 「そしたらよ。最前線に駐屯地なんておいておく意味あるの?すぐに敵フィールドになるかもしれないじゃない」
蘭菊 「そんなにすぐに敵フィールドになるような最前線には駐屯地なんて築かないわよ。それ相応に余力を持って築くの」
蘭華 「まぁ、言われてみればそうよね・・・」
蘭菊 「話がそれたからキーストーンの話に戻るわね」
蘭華 「うん」
蘭菊 「キーストーンは大門にしかないって言ったけど、実は小門にもあるの」
蘭華 「嘘つき!」
蘭菊 「嘘はついてないわよ! その小門のキーストーンに、その門の所有者の神の名前を刻むの。するとその門は神が所有する門に変わるから大門へと変化するの」
蘭華 「えっ? もしかして・・・大門って昔は小門だったの?」
蘭菊 「知らないわよ! 伝承では、原始の神が王と騎士に刻印を渡して門ができたって書いてあったけど」
蘭華 「要は、キーストーンに一番最初に名前を書いたのが原始の神ってこと?」
蘭菊 「うーん、そうかもしれないし、そうじゃないかも」
蘭華 「ってことは、小門のキーストーンを見つけて、いっぱい神の名前を書きまくれば大門がいっぱいできるってことよね」
蘭菊 「大門をそんなにいっぱい作ってどうするのよ」
蘭華 「大門が開けば、どうなるか分かるんじゃない」
蘭菊 「そうね・・・そういわれてみれば、文献では、小門のキーストーンに名前を刻まれた神はその門から外に出ることができなくなるんだって」
蘭華 「一生、捕らわれの身ってこと」
蘭菊 「だから、神もおいそれと自分の名前をキーストーンに書かせたりしないのよ」
蘭華 「ふーん」
蘭菊 「しかも、大門になっても、王や騎士を持たないから、大門を閉めることができないの」
蘭華 「あら・・・最初からゲームオーバーじゃない」
蘭菊 「だからね。苦肉の策として、大門をキーストーンで施錠するの」
蘭華 「キーストーンで閉めることができるんだ」
蘭菊 「言ったじゃない! 施錠したとしても、完全に閉じることができないの。完全に閉じるためには騎士の門が必要になってくるからね」
蘭華 「そうか・・・騎士の門の無い大門は、中途半端にしか閉じることができないんだ」
蘭菊 「そう、その中途半端に閉じた状態の門のことを『中門』っていうの」
蘭華 「と言うことは、中門って言うのが自然にできる訳じゃないのね」
蘭菊 「うん。流れ的には小門→大門→中門って感じになるの」
蘭華 「完全施錠の場合には小門→大門→騎士の門って感じかな」
蘭菊 「そうなんじゃない」
蘭華 「で、キーストーンに名前を書かれて、門内に縛られた神様ってなにかいいことあるのかな?」
蘭菊 「まぁ、門内に自分の国が持てるってことじゃない」
蘭華 「国?」
蘭菊 「そう、国を持てば、国民から生気を吸い放題、もう、荒神になることはないわよ」
蘭華 「そうか・・・自分の国か・・・」
蘭菊 「何考えているのよ!」
蘭華 「タカトを王子様で、私がお姫様! そして、幼女の国を作るの! あっちを向いても幼女! こっちを向いても幼女! ウヘヘヘヘヘ」
蘭菊 「蘭華ちゃん、ヨダレ!ヨダレ! 大体、幼女だけだと国が維持できないでしょ」
蘭華 「大丈夫よ! 幼女は無敵だから!」
蘭菊 「年取ったらどうするのよ。」
蘭華 「国外追放!」
蘭菊 「自分が追放されなさい!」
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