エピローグ
エピローグ① 新しい生活の準備だにゃ
人間の姿に戻ってからトリアムで生活基盤の準備を初めた。ハーラルフ宰相の養子には書類の上ではなっているが、基本的には独立して自由に過ごしたいと思っているので、商業ギルドのダニエルさんに、学校からそこまで遠くない距離にあり、商売もできる建物を探してもらった。3階建てで地下室もあり離れもついておりそこは錬金室になっていた。高齢の錬金術師が引退して引き払った家だそうで錬金釜や家具もそのまま使っても良いし、新しくしても構わないとの事だった。基本手作りの家具や道具なので新しくすると結構な費用もかかるし、別に中古に忌避感はないのでありがたく使わせて頂く事にした。錬金術に関する書籍も譲ってくれるとの事だったが、さすがに無料で譲って貰うほど面の皮は厚くないので、その分だけは購入という形をとらせてもらった。ギルドに査定をしてもらいその査定額で錬金術師には支払ったので老後に困ることはないだろう。
3階建ての建物を維持管理するには人手も必要で、どうするかを悩んでいたらリリアーヌがいきなりやってきて爆弾発言をした。
「先日、陛下にタイガ様へ付いていくので退職を願いでたところ、陛下からは身分その他はそのままで良いからタイガ様のお世話をして欲しいといわれました。ですので引越し先が決まり次第、わたくしもご一緒させて頂きます。」
「辞めてって…… 雇わないと言ったらどうするつもりだったの?」
「雇わないという選択肢はタイガ様にはありませんので問題ありません! ついでにマルセルの弟子も一人引っ張ってきましたのでよろしくお願いします。顔合わせは後日で結構です」
「ちょ! マルセルさんの弟子を引き抜いたら駄目でしょ?」
「ピエトロもマルセル自らが選んで送り込んで来たスパイなので全く問題ありません!」
「はぁ? 意味わかんない……」
「ここで料理を作ると新しい料理が出てくると思いますのでピエトロが覚えて、タイガ様が外出している間にマルセルへ伝えるようになっています。さすがに料理長のマルセルがここへ来るわけにはいきませんでしたので、一番見込みのあるピエトロを選んだってわけです」
「ピエトロの得意料理はなんだ?」
「はい、パスタが得意料理でございます」
やっぱり……
名前がピエトロって、パスタ作ってサラダ作るイメージしか沸かないぞ……
「まぁリリアーヌが来てくれて助かるのは助かるよ!」
「なんですか? その投げやりな言い方は! プンプン!」
「リリアーヌは通うのか?」
「まさか! ここに住みますわよ?」
「旦那のマルセルは大丈夫なのか?」
「マルセルは問題ありません。時々は戻りますし、タイガ様が向こうへ行かれている間は家へ戻りますから」
「それでマルセルが良いなら良いのだが…… 他に何人くらい必要か?」
「そうですね、執事はハーラルフ宰相の紹介で、ローレンという者が参ります。あとは住み込みで男性2人と女性が3人ほどいれば十分かと存じます」
「じゃ、リリアーヌに任せるので募集をしてくれ、そしてここにスラム出身の子供たちに何かの仕事を与えて報酬を渡してほしい。先日しりあったあのスラムに住んでいるエンマに声をかければ大丈夫だろう。将来は全ての子供たちに最低限度の教育は施してあげたい」
「わかりました。どうせタイガ様はお金には無頓着なので、しっかり働く者を他より好条件で働いてもらいましょう」
新しい生活を始める準備も着実に進んでおり、あとは日本に戻って来夢のメインイベントを終わらせなければ……
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次回で完結となる予定です。
その後の第2部は別の話として掲載するよていです。
来週中には最終話と第2部のプロローグまで公開できればと思っております。
最後までよろしくお願いします。
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