駄メルのばかああああ
抜剣した騎士団に囲まれて、騎士団に詰め寄られた。
「少年よ、この門は異世界へ通じており、大賢者タイガ様とその化身トラ様しか使えない転移門なのだが、その方はどこからここにたどり着いたのだ?」
「えと、こんな姿だけど、タイガだ!」
「タイガ様は子供では無いぞ!」
「ちょっと待ってもらえますか? 自分の姿を確認しますので」
アイテムボックスから姿見を出して自分の全身を見て……
力尽きた……
駄メルめえええええええええ
顔は元のタイガを若くしたような顔で違和感はあまりないが、自分の格好がまるでアニメのコナ◯君の格好だった……
何故にそのファッションのチョイスなんだよ!
「ハァッ…… 女神のアホにこの格好にされたんだよ!」
「なにをそんな世迷い言を!」
「どうすれば納得してもらえるのかなぁ?」
そんな押し問答をしていると、前の方からクリスがダイビングしてきた。
「タイガさまああああああ」
そう言いながら俺にギュウッとしがみついてきた。
「これが証拠でいいかなぁ?」
「そうですね…… なによりの証拠かと…… 疑って申し訳ございませんでした」
「イヤイヤ、自分もこの姿にはビックリしているから問題ないよ」
ギュウッとされながら騎士団の誤解は解けたようだが、予定外の状況に今後どうするかを考えないといけないな……
非常呼び出しが鳴ったことで、クリス以外の王族とペイロン達も集まってきた。
「クリスが抱きついているお前は誰だ?」
「タイガでございます。女神様に前回は猫にされたのですが、今回はこんな姿にされてしまいました。たぶん今後はこの姿になってしまうと思います」
「ぷーーーーーーーーーーーっ この間は猫で今回はガキか!」
「ペイロン止めなさい、またヤラれるわよ! でもこの格好はこれで良いわね……」
「カテリーナはこんなガキンチョがいいのか?」
「何をバカなこと言ってるの?」
「とりあえずタイガだと言うことは判ったので警戒は解いて良いぞ。向こうへ戻って話をしようではないか?」
王様の一言でとりあえずの騒動はおさまり、リビングで話をすることになった。
今後の自分の予定では日本へ一時戻る事はあるが、基本はトリアムで過ごすことと、この国で平民としてのんびり過ごしたいということを希望した。
すでに生活の基盤はいろいろな権利の使用料で十分食べていけるので問題ないが、この格好が一番の問題であった。さすがに小学生くらいの子供がブラブラしていてはおかしいだろうしな……
いろいろ話を詰めていった結果、平民でという希望は却下されて、ハーラルフ宰相の養子になることが決定した。ただし表向きには平民で、なにか問題や困ったことがあったらそれらの身分を宰相が保証するような形にしてもらって、個人では自立していくことを認めてもらった。この身体になって年齢が判らないのでどうするかを相談したら、女王がクリスより絶対に年上にしないといけないので10歳ということに決定した。10歳になると王都の学校に通わなければならないので、その手配もお願いした。
なにか最初の予定とは違うが、また新しい人生が始まることにワクワクしてきた。学校なんて何年ぶりに通うんだろうか? 平民枠で通うので問題は起こさないようにしないとな……
さあ新しい冒険の始まりだ!
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ひとまず第1部完結です。
第2部は随時更新していく予定です。
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