トリアムと行ったり来たりだにゃ
カランカラン
扉を開けるといつものように鐘が鳴り響く
「タイガさま おかえりなさいませ」
『クリス様ただいまだにゃ』
もう何度目かの訪問なので、以前のように王族全員が集まったりすることもなく、見張りの担当孤児がドアが開いたら鐘をならし、鐘がなったらクリス王女がやってくるパターンになっていた。
『今回もクリス様には可愛い洋服だにゃ』
「タイガさま、ありがとうございます」
クリスティーヌ王女も7歳になり、以前のように噛むことは少なくなって、表立っては可憐で清楚な雰囲気を醸し出していた。
「まずはタイガ様のお部屋でお寛ぎ下さい」
クリス王女と一緒に来たリリアーヌから言われ、昔から使用している自室へリリアーヌに抱っこされた状態で向かった。部屋へ入るとクリス王女から後ろから抱きしめられ
「タイガさまああああ、クリスは寂しかったですううう」
『それ以上したら死ぬにゃああああ』
「あっ! ごめんなさい…… でも寂しくて寂しくて……」
「その割に昨日はクリス様はタイガ様から頂いていたディブイディを見て笑っていませんでしたか?」
「リリアーヌひどいです……」
『できるだけこっちにもいるけど、向こうの世界でやり残した事を終わらせてくるにゃ、そうすれば戻った時にはこちらを中心にいることができるにゃ』
「タイガさま、タイガさまが戻ってくるのが楽しみです」
『とりあえずお土産はそっちに出していたから、あとで皆で分けるにゃ』
「ありがとうございます。マルセルもようやく向こうの味に近い料理が出来たと言っていますので一度食べて見て下さい」
『リリアーヌ、向こうの味じゃだめにゃ、こっちでしか食べることが出来なくて美味しいものを作らせるにゃ』
「わかりましたわ、しっかり伝えておきます」
今は来るたびに、日本や世界の香辛料や、文化を伝えるようにしており、最近では町中をあるくと、日本のアイドルが着るような服を着ている女性も増えてきた。男性もスーツや着物っぽいものが流行して、決して真似だけでは無く、独自の文化に進んでいるような感じで見ていて楽しい。
著作権や特許のようなものを商業ギルドに取り入れているが、俺が持ってきた物の特許はかなり安く使えるようにしており、それを改善したりした物はオリジナリティがあれば別途特許を取れるようにしていて、それなりの特許で利益がでるようにしたので、現在王都のファッションや魔道具の工房はどこも忙しくしているようだ……
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