まりの達を迎える前に正体をばらすにゃ
フェイザー製薬がクワズイモを採集したしまった日の夕方、まりの親子と病院へ向かい医院長へフェイザー製薬が邪魔したのでもうお水は取れなかったという話をして、ちかや絢香の友人3人分は採れなかったことを説明して戻った。3人共まだ急変したりするような切羽詰まった状況ではないので、ほとぼりが覚めたときに直接渡すかヒールで治そうと思っている。
その日の夜、自宅へまりの親子を招待したので来夢と夕飯の準備をする。俺はアイテムボックスから材料を出すだけの仕事なんだけどな……
今日は来夢との顔合わせも兼ねているので食事は最高級の牛肉である和王のすき焼きを準備している。他にもポテトサラダも作ってもらったが、ポテトサラダは総菜でも手作りでも構わないと思っているが、ミカンやリンゴを入れたポテトサラダは駄目だと来夢には伝えている。
時刻も18時を回ったので迎えに行くことにした。
『来夢、迎えに行ってくるにゃ。余裕あったら何か作っておいてほしいにゃ。デザートはさっき買ったホールケーキを出すにゃ』
「りょうかーい、じゃ何か簡単なもの作っておくわ、今日はここに泊めるの?」
『まだベッドとか準備してからだにゃ、今日は顔合わせとこの家を見てもらうだけだにゃ』
「そっか、じゃ気を付けてね!」
『行ってくるにゃ』
まぁ気を付けるも何も、行くのは転移なので一瞬で行けるからな……
『まりのいるかにゃ?』
「あっ猫神さまだ、いらしゃいなの」
「猫神様、ようこそいらっしゃいました」
『じゃ、歩いていくにゃ、そして俺のことはトラと呼ぶにゃ。猫神様はいろいろ面倒が起きるにゃ』
「じゃトラ様なの」
『様はだめにゃ』
「じゃトラちゃんなの」
『それでいいにゃ、来夢もそう呼んでるにゃ。』
「では私もトラちゃんと呼ばせていただきますね」
『いいけど話し方が固いにゃあ』
「トラちゃんもう行くの?」
『よし、行くにゃ!』
2人を連れて自宅まで歩いて行く。30分の程の道のりだが、いろいろと今までの生い立ちとかを二人と話をしながら歩いて行った。自宅へついて来夢を呼ぶ。
『着いたにゃあ』
「はーい、開けるからちょっと待ってね」
ドアが開き、エプロン姿の来夢が顔を出した。
「いらっしゃいませー」
「始めまして、下西なな子と申します。こちらが娘のまりのといいます。今日はお招きありがとうございました」
「こんにちはなの」
「あなたがまりのちゃんね? お母さん思いの良い子だってトラちゃんが褒めてたわ」
「ありがとうなの」
「なな子さんもようこそ、岩田来夢と申します。トラちゃんからは来夢って呼び捨てで呼ばれてますので、来夢でいいですよ」
「はい、来夢さんですね、わたしもなな子でいいですよ」
「まりのはまりのなの」
「はーい、なな子さん、まりのちゃんよろしくね」
『さっさと入ってすき焼きパーティだにゃ』
「トラちゃんは知ってるからいいけど、挨拶は大事よ!」
「学校でも挨拶は大切って習ったの」
『そうだにゃ……』
「小学生の諭されるトラちゃん……」
『うるさいにゃ、早く入るといいにゃ』
「どうぞ、どうぞ!」
「「お邪魔します」」
リビングへ通すと来夢が作ってくれた料理が並び、すき焼きもすぐに出来るように準備されていた。
『さぁ、挨拶も終わったので早く食べるにゃ』
「お二人共沢山食べてくださいね」
「はーい、いただきますなの」
「いただきます」
「ママお肉が柔らかくて溶けるの」
「本当に美味しいね、こんなの生まれて始めて食べたわ」
「うちではトラちゃんがグルメだから、ご飯は美味しいわよ、でも油断すると太っちゃうので気をつけてくださいね」
『食後はケーキもあるにゃ、まりのもたくさん食べるにゃ』
「はーい」
『良い返事だにゃ、子供は遠慮せずにたくさん食べるにゃ』
すき焼きを半分程食べた頃にインターホンが鳴った。
『たぶん新田だにゃ』
2人の顔合わせと共に、俺が今、置かれている状況を2人だけでなく新田にも説明をして置こうと思って呼んでいたのだった。
「はーい、新田さんですか?」
「今日はご招待ありがとうございます。久しぶりにタイガにも会えるので楽しみに来ました」
「どうぞどうぞ!」
新田が入ってきてキョロキョロと周りを見渡して俺がいないことに気がついた。
「あれ? タイガはどこか行ってるんですか?」
『今は外出中って言っとくにゃ』
来夢にだけ聞こえるように念話を飛ばす。
「今はちょっと外出中なんですよ」
「そうですか、弁護士をしている新田と申します。よろしくお願いします」
「こちらに今度お世話になる下西なな子と申します。こちらは娘のまりのです。よろしくお願いします」
「こんにちはまりのなの」
挨拶も終わりとりあえず4人と1匹での晩餐が再開された。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます