悪い子たちにはお仕置きだにゃ

 3人に原因は昼間の猫をいじめたことだと指摘された伊山は、焦りながら全員に言い放った。


「いじめたのは俺だけじゃないからな? トモやカズもあの子猫達に石投げたりしてたろ? 」


「多少は投げたけど、スリングショットはやりすぎだろ! あの白猫は血を流していたし、もしかしたら死んだかもしれないだろ?」


 トモが反論をするが、伊山の言葉で子猫に石を投げたという事実がわかった。

 あそこで子猫といったらモモくらいだろう。フクとソラは子供だけどもう体は大人に近い。ということはモモにこいつらは石を投げたんだな?


 子猫いじめるとか絶対ゆるさん!

 ここいらでもう1回脅しておくかな。今度は助手席の下に移動して鳴いた


「ヒュー ヒュー ニャア ニャア ヒュー ヒュー 」


 息も絶え絶えのような声の猫の鳴き声を聞いたマミは泣き声で


「ごめんなさい! ごめんなさい! 許して下さい!」


 ずっと謝っている。だが残りの3人は固まったように動かない。3人には聞こえなかったのかな?では後ろの方に移動して


「にゃあああああああああああああ!」


「うぁぁああああああああ!」


「ひぃぃぃぃぃ!」


「アウアウ!」


 全員がビビっている。さてここからどういう行動をこいつらは取るかな?


「お昼のところに行って謝ろ?」


「それがいいと思うぞ」


 マミが言うとカズは賛同した。トモも声は出せないが真っ青な顔でうなずいている。


「あの傷じゃもう死んでるし、もしあそこに行ったらもっと怖いのに取り憑かれたらどうするんだよ。今日はなんか変だし帰ろう」


 ジンはそう言って車をUターンさせた。帰りの車は声が聞こえないように更に大きな音量の音楽がかかっていた。まぁそれはそれで面白いことができるんだけどな……


 信号待ちになった瞬間、オーディオのスイッチをオフにする。お腹にズンズンとくるようなサウンドがいきなり止まり、エンジン音は大きいのに、静かな森の中にいるような静けさに思える。そして俺が再度鳴き声をあげる


「にゃあ~ にゃあ~」


「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」


 マミは一心不乱にごめんなさいを連呼している


 そろそろ青に変わるタイミングでオーディオスイッチをオンにした。


 トモもカズも声には出さないが足がガタガタと震えている。ジンも平常心を装いながら、脂汗を出しながら車を走らせた。

 待ち合わせの駅に付いたら3人は転がるように車から降りた。


「おい! まみ送っていくぞ」


「嫌ぁぁ 絶対無理! その車祟られてるって!」


「そんなバカ事はないだろ! 祟りとか迷信だ」


「じゃなんで猫の声が車の中で聞こえるの? なんで音楽が消えたり付いたりするの?」


「なんかの故障だろ? 猫はどこかの隙間に入っているのもしれないから、今から追い出すよ!」


「とにかく今日は電車で帰る」


「トモたちはどうする?」


 二人共首を横に振りながら


「電車で帰るよ、じゃあな」


 3人は駅の中に歩いて行った。もちろん俺の追跡用の魔石をバッグにいれた状態で……



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