貴婦人の太もも
「今日の夕御飯はジャジャーン!貴婦人の太ももです」
『なんだにゃ?』
「トルコ料理でカドゥンブドゥ・キョフテと言います。タマネギ、パセリ、ニンニクをみじん切りにして牛ミンチに米を固めに茹でたものと、パン粉やスパイスを混ぜてゴルフボール大にします。それを小麦をまぶして卵をくぐらせたものをこんがり揚げたらできあがり! 揚げミートボールみたいなもんだね! あとはサラダは羊飼いのサラダを用意してます! トマト、タマネギ、キュウリ、ピーマン、パセリをレモン汁と塩コショウやバルサミコ酢で味付けしたものにモッツァレラチーズを乗せたら出来上がり!」
『その横に置いてあるノートを見なくて言えたら完璧なんだけどにゃ』
「だって習ったばっかりだし……」
『じゃ早速食べるにゃあ!』
「すぐに取り分けるね」
来夢はきれいに盛り付けた皿からサラダとミートボールもどきを取り分けてソースをかけてから前に並べてくれた。貴婦人の太ももを食べてみたが、うん……ミートボールだな……
「今日のデザートは、アイスクリームでーす」
バニラアイスを皿に取り分けたものの上にブルーベリージャムが掛かっている。アイスクリームは流石に市販のものだが、ブルーベリージャムは来夢が手作りしたようだ。
『うまいにゃあ! ご飯が美味しいと幸せだにゃ…… もしも料理する道具とか必要なものがあれば遠慮なく揃えるにゃ!』
「もうこのまま人間に戻らなくてもいいんじゃない?」
『何を言っているんだにゃ! 絶対に戻るんだにゃー』
「チッ! 私のモフモフが……」
いや来夢のじゃねぇし……
『モフモフは他で探してほしいにゃ』
「仕方ない戻るまで堪能しよう……トラちゃんのお腹の匂い好きなんだけどなぁ」
なんだ、いつお腹の匂いを嗅がれたのか? 寝ているときか?
『ハッ! もしかして俺が寝ている間に猫吸いとかしてないよにゃ?』
来夢が目を逸らしやがった……どうりで朝からお腹の毛並みが乱れていいると思った。危険察知能力高い俺が全然気が付かないとは来夢……恐ろしいやつ……
お腹もいっぱいになったので、昼間のバカどもの様子を見にいくかな?
『来夢、少し外出してくるから、風呂は先に入って寝ていていいにゃ。俺のバスタブに水だけ入れておいてくれたらそれでいいにゃ。早ければすぐに帰るけど遅かったら先に寝ててにゃ』
「トラちゃんお風呂は一緒に入れないんだ……気をつけてね」
『いや、外出して無くても風呂は別だにゃ?』
「一緒にいるときくらいは一緒に入ろうよ、大丈夫!トラちゃんは猫としか見てないから」
うーん……
それはそれでなんとも言えない気持ちになるんだが……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます