1つしか無いベッド

 お風呂からあがり二人共しばらくはまったりとしていたが、明日は弁護士の新田の所に行かないといけないので、そろそろ寝ないといけない時間だ。


『じゃ来夢はそこのベッドで寝るにゃ、俺はそこのソファーで寝るからにゃ!!』


「トラちゃん何言っているの? 家主を差し置いてベッドで寝れるわけ無いでしょ?」


『この体だと鍋でも寝れるにゃ、そんな広いベッドはいらないにゃ』


 実際にベッドは広すぎるし、ソファーですら広いくらいだ。


「じゃ一緒に寝ましょ?」


『だから、俺の年齢忘れてるにゃあ!!』


「今は子猫ちゃんだから気にしないわよ」


『俺が気にするんだにゃぁ』


「私が気にしないから大丈夫よ」


 そう言いながら両手をワシャワシャと動かしながら近づいてきた……

 がっちり捕まれ、ベッドへ連れて行かれたあとは来夢にモフモフされてしまった。

 寝ている間もガッチリホールドされて危うく潰されそうになったので、なんとか抜け出して来夢の寝ているところから少し離れた場所に、毛布ですり鉢状のベッドを作り丸くなって朝までゆっくり寝ることができた。


 明け方、太陽の光で目が覚めるが隣では来夢がまだ夢の中のようだ。

 ところで昨日から、来夢と一緒にお風呂に入っても抱きつかれても何故か欲情することは無かったけど、大丈夫か俺? もしかして本当の猫に発情したりしないだろうな…… 

 少し心配になってきた……

 もしも猫に発情するような事になれば、元の人間に戻れないような気がする……

 これは早めに精査する必要があるから、時間がある時に猫の沢山いる所に行ってみるかな?どうか猫に発情する体になってませんように……


 突然後ろから掴まれて引き寄せられた……

「トラちゃ~ん」

 寝言を言いながらガッチリホールドされてモフモフされる……

 ひいいいいい

 くすぐったいけど、なんか気持ち良い~

 何か変な窓が開いた気がする……


『おーい!!そろそろ起きるにゃあああ!!』


 これ以上は耐えられなくなり来夢を起こす。


「ふみゃ~ トラちゃんおはよう~」


『おはようじゃないにゃ~ 今日は新田の所に言って来夢の会社とローン会社に交渉してもらうにゃ』


「わかってるよ~ ちょっと目覚ましにシャワー浴びてくるけど、一緒にかかる?」


 フルフルと首を横にふる。


『一人で入れにゃ 来夢はもう少し恥じらいを持つべきだにゃ』


 来夢がシャワーを浴びているうちに今日するべきことをまとめておこうと思いパソコンを立ち上げる。パソコンのキーボードはなんとか操作出来るので、ボールペンでのメモより早くできる。


 新田にアポを取る。

 今日は一日時間あるって書いてあったからアポ後に訪問する。

 会社とローン会社へ連絡をしてもらう。

 万が一を考えローン会社を調べる。

 猫のいるところに行ってコミュニケーションをとってみる。




 こんなものかな?

 一番重要なのは猫に対して自分がどう感じるかだな……




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