氷雪のシニガミ

mi-ma

第一章 リノバ編

storyー1


昔々、とある国に一人の少女がいました。


彼女の風貌はほかの人とは少し違っていました。その瞳は今にも凍えそうな氷のよう。その髪は寸分の穢れもない吹雪のよう。

みんなと違う容姿で彼女は大人から忌み嫌われ子供に馬鹿にされていました。


嫌われ者の少女は、独り冷たく心を閉ざします。つらく苦しい彼女の心はどんどん硬くなっていく。

それはまるで、固く冷たい氷の刃のように彼女は人を忌み嫌うようになりました。


少女は、自分を馬鹿にする者を大きな銀の鎌で追い払いました。その姿をみた大人や子供は口をそろえて彼女を死神だと恐れました。


少女は、いつも独りでした。

しかしそれを、彼女も望んでいたのです。


しかしある日、少女の前に少年が現れました。


「君は、誰だい? 」


少年は、花のような笑顔で少女に話しかけました。

彼女の冷たい心が小さく音を立てた瞬間でした。



 


       【メルシア童話集

      悲劇『氷雪の死神』より抜粋】



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