4.警報
「アルファ、チェックリストを出してくれ。」
アルシア3号はアルファという人工知能を搭載している。一部の船は船内のあらゆる設備を管理する権限を持ち、人間のように話す人工知能を搭載するが、アルシア3号はそうなっていない。
アルシア3号の場合、本社の決まりでコンピューターは信頼性の高い旧式のものを使っていて、アルファも管理できるのは必要最低限のもののみ、話す声も無機質な電子音声といった具合である。
確かにアルファは他の人工知能に比べて扱いにくいところはあったものの、アルシア3号の乗員たちは、アルファを気に入り、頼りにしていた。
アルファは画面にチェックリストを表示させる。これに書かれている通りに操作をすれば問題は解決するはずだ。
「13番エンジンオフ。異常なし。」
「航行ニ支障ハアリマセン。」
これ以上被害が出ないように故障したエンジンを停止させ、残りのエンジンで航行を続ける。
しかし、今度は別の警報が鳴り始めた。自動操縦が解除されたのだ。先程のただやかましいだけの警報とは違い、ぞっとするような音だった。
なぜか電気系統のトラブルが多発する。
その後はもう滅茶苦茶だった。様々な警報が鳴り響き、どこから手をつけたら良いのかわからなかった。
幸い、アルファが操作の手順を表示してくれたので、なんとか正常に戻すことができた。
しかし、どうも自動操縦の調子が悪い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます