第77話 気合いを入れてデートに誘います。

「うっし! 頑張れ俺!」


 ある日の夜。 俺は自室で正座をしながらスマホを見ていた。


 画面には『松田鈴』という文字と、今までしてきたSNSのやり取りが表示されている。


 今まで幾度となく連絡を取り合ってきたけど、今日が1番緊張しているような気がした。


「とりあえず今時間は大丈夫か聞くか」


 俺は慣れた手つきで文字を打って送信する。


 さて、今できた時間でおさらいをしよう。


 俺は後ろに倒れてベットに沈む。


 身体が跳ねた瞬間に視界がブレ、少しソワソワしていた気持ちが発散されたような気がした。


「遊園地鈴好きかな? 結構遠くの遊園地行く予定だけど、都合とか大丈夫かな?」


 クリスマスイブの日、デートプランを練ってほしいって言われたけど、時間とかは大丈夫かな?


 誕生日だから家族もお祝いするだろうな。


 もしかしたら時間制限あるかも……いや、2月14日に遊びに行けませんっていう可能性もあるな。


 早めに連絡したけど、もしかしたらもう遅いかも……。


 俺はソワソワしながら携帯を触って時間を潰す。


 すると、連絡してから30分ぐらい経って鈴から返信がきた。


『お待たせー! ご飯食べてたんだ。 ちなみに今日はハンバーグだったよ』


 そのメッセージの後に、ハンバーグのスタンプが送られてきた。


 え、そんなスタンプどこにあったんだろう? 無料のやつかな?


『ハンバーグだったんだ。 うちはマカロニサラダと煮豚だったよ』


『えーそっちもいいなー! ご飯が進むやつだね! 私も食べたかったなー!』


『明日お母さんにリクエストしてみれば?』


『あ、それいいね! そうしよう!』


 俺も後で母さんにハンバーグをリクエストしてみよう……ってか、本題をまだ言えてないじゃん俺。


 このままだと晩ご飯の話題だけで終わっちゃうよ!


『鈴、早いかもだけどさ、2月14日って空いてる?』


『空いてるよー! もしかして……』


『うん。 良かったら俺と一緒に遊びに行かない?』


 文字だけだとクールに誘っているように見えるけど、実際は身体は暑くて手は震えている。


 鈴にこんな姿を見られなくて良かったと思う反面、鈴の表情などが見えないので、返信が返ってくるまでの時間がとても長く感じた。


『いいよー! 楽しみだよ! どこに行くのー?』


 鈴から猫が?マークを浮かべているスタンプが送られてくる。


『遠くにある△□遊園地に行こうと思うんだけど、いい?』


『△□遊園地!? やったー!! 行こう行こう!! 私、一回も行ったことないんだー! なんなら、遊園地もほとんど行ったことないの!』


『そうなの!? なら、目一杯楽しもうよ!』


『そうしようそうしよう! いやー楽しみだな〜』


 鈴はいっぱいスタンプを送ってくる。


 連打で送られてきたり、猫が喜んでいるスタンプを見ると、鈴がとても喜んでいるのが分かった。


 ……これは幸先いいのでは!?


 俺はベットに置かれている枕に顔を埋める。


 そこから俺は鈴とたわいのない話をして、この日はお終いとなったのだった。


 さて、まだデートまで少し日にちがある。


 色々調べとかないとな!!

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