第70話 夜に公園で男友達と鬼ごっこをしました。

「ふぃー疲れたぁぁぁ」


「そんなとこで寝転がるなよユウマ。 汚いだろ」


「せめてベンチまで来なよ。 地面で寝転がると砂ついて最悪だよ?」


「あーそれ早く言ってくれよ。 もうついてて手遅れだよ」


 今日はここら辺で1番大きな公園である、○✖︎公園へみんなで自主練に来ていた。


 今はランニングコースをみんなで走り、近くにあるグラウンドに置かれているベンチで休憩しているところだ。


「グラウンドでうちのサッカー部まだ練習してんな」


「うちのサッカー部って案外強いらしいからね。 練習も熱入るんじゃない?」


「ツバサ、練習混ぜてもらってこいよ」


「いやいや、陸が混ぜてもらってこいよ」


 俺たちはそんな馬鹿話をしながら、サッカー部の練習を見学する。


 まじまじとサッカーの練習しているところ見たことないから、なんだか新鮮だな。


「ねぇ、あっちには野球部の奴らが何人かいるよ」


 俺が反対側にある大きなステージゾーンを指差すと、みんなそっちの方を見る。


 そこには俺たちと同じように、部活が終わってから自主練をしている野球部の奴らがいた。


 どうやら大きなステージに向かってボールを投げ、壁当てをしているみたいだ。


 何人かで1列を作り、ボールを投げて次の人が捕る。


 捕った人は直ぐにボールを投げて、また次の人が捕るという練習をしていた。


 あ、あいつわざと変なところにボール投げやがった。


 次の奴が取れなくて、仲間たちからからかわれている。


「なんだかあいつら楽しそうだよなぁ」


「オレたちの自習練ってボールやグローブ使わないからな。 どうしても淡白になるというかなんというか……」


「ボクたちは己の足が競技に必要な物だからねぇ」


 俺たちは楽しそうにはしゃいでいる野球部や、一生懸命声を出しながらボールを追いかけているサッカー部を見る。


 どうせなら、俺たちも楽しみながら自主練したいよなぁ……そうだ!


「鬼ごっこしようぜ!」


「「「鬼ごっこ?」」」


 俺の言葉を聞いて、三人とも不思議そうな顔をする。


 それを気にせず、俺は喋るのだった。


「俺たちもあいつらみたいに楽しんだりしながら自主練しようよ! 鬼ごっこなら瞬発力とかも鍛えられるでしょ?」


「まぁ、確かに」


「それに、夜の公園で鬼ごっこってなんだかワクワクしない?」


「ボク、興味あるかも……」


「どうせならさ、あそこにいる野球部の奴らも誘おうぜ! サッカー部はまだ練習中だけど、野球部の奴らが加わるだけで大勢で鬼ごっこができる! ルールも色々弄れるはずだよ!」


「お、なんだか面白そうだな!」


 俺の話を聞いて3人とも鬼ごっこに乗り気になる。


 その姿を見て、俺は善は急げということで野球部の奴らに話しかけ、鬼ごっこに誘った。


 すると、野球部の奴らも案外乗り気で10人以上で鬼ごっこをすることになった。


 みんなで時間を忘れて鬼ごっこを楽しむ。


 途中から部活が終わったサッカー部の何人かが俺たちを見て興味を示し、鬼ごっこに加わってきた。


 最終的には20人近くで鬼ごっこやケイドロを楽しみ、公園の管理人が声を掛けてくるまで俺たちは走り続けたのだった。

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