第35話 同じ塾で隣の席の女の子とプールに来ました。②

 あれから俺達は案内板を見つけて、まずはプールの種類の多さにビックリした。


 二人で『これはなんだろう?』、『これ面白そう!』とやいのやいのと話していたけど、やっぱり最初は王道の流れるプールだよね!ということで、流れるプールゾーンへと俺達は来ていた。


「よしっ! 準備体操はこれで終わりだね!」


「なんか身体がポカポカする気がする」


「それはしっかり身体がほぐされた証拠だよ!」


 俺は流れるプールにすぐに入ろうとしたが、そこで松田さんにストップをかけられた。


 まずは準備体操しないと! ケガしてからだと遅いんだからねっ!と強く言われた俺は、素直に松田さんのいうことを聞くことにした。


 いつもなら準備体操するのに……自分でも気づかないうちにテンションが上がっていたみたいだ。


「じゃあ入ろうか!」


「うん!」


 俺達は流れるプールに入ろうとする。


 ここはラッシュガードを着たままだとプールに入れないと、さっきの案内板の下の方に書かれていた。


 なら、プールに入るためにはラッシュガードを脱がないといけない。


 脱ぐということは松田さんの水着姿が見れるということだ。


 俺はドキドキワクワクしながら、興味がない振りをして先に入る。


 入った瞬間に体全体に伝わる水の感触と冷たさ。


 少し汗をかいていた体が一気に冷やされ、気持ちも少しシャキッとしたような気がした。


「あ、春名くんずる~い! 私も入ろっと!」


 松田さんはラッシュガードのファスナーに手を掛ける。


 少しずつ下げられるファスナー。


 俺はじっと見ることができず、少し顔を逸らしてしまった。


「えへへ……男の子の前で水着になるのって案外恥ずかしいね」


 脱いだラッシュガードを近くに置いた松田さんの水着姿が露になる。


 真っ白できれいな体を包む水着は、まさかのオレンジ色のビキニだった。


 案外大きい松田さんの胸の谷間がはっきりと見えている。


 ……まじか。 中学生でもビキニって着るんだ。


 ビキニって高校生ぐらいになったら着るもんだと思ってた。


 まじか。 ビキニか……ビキニか……!


 俺は逸らしていた顔がいつの間にか戻っていた。


 頭の片隅にはじっと見てはいけないと分かっていたけど、どうしても松田さんの水着姿から目を離せない。


 俺の通っている中学は、プールの授業は男女別々だ。


 同年代の女の子の水着姿はなかなか見られない。


 しかも、好きな女の子の水着姿だ。 更にビキニだ。


 俺はもうどうしようもないぐらい松田さんの水着姿を凝視してしまった。


「ちょ、ちょっと春名くんいくらなんでも見すぎだよ……」


「え、あ、ご、ごめん」


「もうっエッチなんだから!  しかも、胸見すぎだよ!」


「ご、ごめん!」


「……春名くんのおっぱい星人」


 松田さんは顔を真っ赤にして両手で胸を隠すが、逆にそれが妙に気になって見てしまう。


 ……駄目だ。 エロ可愛すぎる!!


「ちょ、ちょっと春名君!?」


 俺は一気にプールの底まで潜る。


 熱かった顔が一気に冷やされるのが分かった。


 でも、心臓はバクバクしていて、松田さんの水着姿を見るのにはもう少し時間が必要だった。

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