第20話 教会でステータス鑑定

 時刻午後3時。



 教会前に3人いた。


「お祈りってした方が良い?」とリールはユキに聞く。


「聖女様って好き?」とユキは聞く。


「いや、見たことないから分からない。ユリカはどうだ?」


「うーん、どうだろう。同じくらいの年で魔族と戦っているのは凄いよね。」とユリカは笑顔で話す。


 聖女は勇者と呼ばれる人のパーティーの仲間で、神官のなかでも上位の回復魔法が使える19歳の女性だ。


「それで聖女がどうしたんだ?」とリールはユキに聞く。


「お祈りってあるでしょ?あれは教会内にある女神様の像に聖女様が魔法を込めていて、お祈りにきた人の体内魔力が吸われる用になっているのよ。それを聖女さまは、自分の魔力に出来るみたいなの。」とユキは説明する。ユキのマジックドレインと同じ効果があるらしい。その魔力を遠く離れた場所で魔法を使い、魔力を補充できるみたいだ。


「だから、冒険者の人はあんまりお祈りしないの。」


 嫉妬しているのか?とリールは思う。なら世界の為にお祈りも悪くないともリールは思う。


「それは凄いですね。」とユリカは笑顔で話す。


「凄いわよ。聖女様は。」


「聖女様は?」とリールは聞く。


「ん?」とユリカは首を傾げている。


「そう。女神の像は2つ有って、寄付金によって案内される像は変わるのよ」とユキは話す。


 ただの女神像と聖女様の力が入った女神像どっちが良い?と言われるとお金を持っている人はお金を払っているらしい。大商人などは験担ぎをするのだ。普通の人はその像の存在すら知らない。


 銀貨10枚以上の寄付金を払うと、その像の前でお祈り出来るらしい。


 聖女様の女神像は魔道具になっていて、すべての像と対になる用に指輪の魔道具があり、場所が分かる用になっている。


 聖女様は、保険の為に多くの街に像に力を込めたが、教会の一部の上層部が金儲けの為に使っている。


 教会のステータス鑑定の時はその女神像の前で行われるので、ユキはその時に気付いたらしい。


「まぁどうでもいいか。人間臭くて面白いじゃないか。」とリールは笑顔で話している。


「なら、大きな仕事の前か後に、聖女様の為にお祈りしようね。」とユリカは言う。


「そうだな。」とリールは言うが銀貨10枚かぁ、と考えるが験担ぎは好きなので行って見るのもいいか。



「それじゃ、ステータス鑑定にいきますか!」とユキは教会に入る。


 教会内は、人が50人ほどの座れる木の長椅子があり、正面には高さ3メートルほどの女神像がある。


「こんにちは、今日はどうされました?」と青いローブを着た女性が話し掛けてきた。


「ああ、教会のステータス鑑定をお願いしたいのたが。」とリールは答える。



 ならこちらへどうぞと、女神像横の扉を開ける。中は道が続いている。先に扉が見える。


「ライト」女性は魔法を唱えると、明るい光が女性の右手を照らす。


 リール達は女性の後をついていく。


 扉に入る前に、銀貨30枚を渡している。リールの貯金から出している。



 道を歩き扉を女性は開ける。


 中には150㎝ほどの女神像がある。人が10人ほど入る部屋についた。


「それではこちらをどうぞ。」と女性は3人に紙を渡す。


「私が鑑定を行います。そうしたらこの紙にステータスを魔法で写しますのでその紙で、ステータスを確認してください。ステータスは個人情報なので、なるべく見ないようになっています。質問は聞くので聞きたいことが、あれば質問してください。」ここまで良いですかと女性は聞く。


 3人は頷く。


「それでは鑑定の説明をします。鑑定で出るのは、あなたのレベル、体力(HP)、最大魔力発動値(魔力MP)、体内魔力量、魔法攻撃力、物理攻撃力、魔法防御力、物理防御力、速さ、持久力、器用さです。」この10項目です。冒険者ギルドよりも項目が多い。


「冒険者の皆様なら分かると思いますが、数値によってクラスがかわります。」ここは冒険者ギルドと同じだ。


「冒険者ギルドと違うことは、魔法攻撃力、体内魔力量と魔法防御力ですね。」


 体内魔力量。体内魔力100なら、10魔力の魔法なら10回唱える事が出来る。


 魔法攻撃力が高いと魔法攻撃力500の人と魔法攻撃力100の人では魔力10の魔法だと単純に5倍威力が変わる。


 魔法防御力。魔法防御力500の人に、最大魔力発動値が499の人はどうやってもダメージを与える事はできない。魔法防御力は常に魔力がある限り発動する。魔力を使い果たすと魔法防御力は0になる。



「ここまで良いですか?」と女性は3人に聞く。


 リールとユキ頷く。遅れてユリカは不安そうに頷く。リールとユキは後で教えようと横目で見たユリカに思う。


「それでは鑑定を始めるます。この女神像に祈りを捧げて下さい。」


 3人は左右の手を合わせ目を閉じる。


 1分後。


「ありがとうございます。」と女性は告げる。


 3人は目を開け、紙を見る。ステータスが記入されていた。



「それではこれで終わります。」女性は質問あるか聞くが、ユキが大丈夫と伝える。


 4人は来た道を戻り、3人は女性に礼を言って、教会を出る。



 3人は話をしながら、冒険者ギルド裏の魔法演習場へと向かう。





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