第17話 酒場
3人は酒場へ入ると空いているカウンター席に着く。
まだ時間が午後5時過ぎのため、酔っぱらい等の変な客は、見えない。
「あらリールちゃん珍しいわね?久しぶり!」とスキンヘッドの身長180超えの声の高い、逞しい男性に話掛けられる。
「ああ、久しぶりジョンさん。普段来ないの知ってるだろう。」
「うん知ってる!来る理由があるんでしょ?例えば私に逢いたくなったとか?」と冗談の用な、本気の用な顔で見つめてくる。
「いやいや、それは一度も思ったことがないな。」とリールは普段通りに返す。
それを見ていてユリカは笑顔。
「お久しぶりです、ジョンさん。」とユキは挨拶する。
「あらら?ユキちゃん?久しぶり?あの頃より元気そうで良かったわ。お金の為のあのパーティー辞めたのね。そっか次はリールちゃんに世話になるの?あなたがリーダーでは無さそうね。」と昔の事を話し出す。
「はい、最終目標の【お金を貯める】から、【楽してお金を貯める】に変わりました。」とユキは笑顔で話す。
リールは昨日は、お金にがめつい欲望まみれのイメージだったが、全然態度が違う事を不思議に思うが、あまり気にしていない。
「初パーティーでの冒険達成なんだって?リールちゃん!今日はお酒を飲んでいきなさい!サービスするから!」
「いやいや、もう飲まないよ前も言ったでしょ?」リールがここで酒を飲んだのは冒険者になったばかりの頃だ。
酒を大量に飲んで2時間ほど記憶を無くし、ジョンさんに膝枕された状態で起きると言う、恥ずかしい体験をしているのだ。
あれ以来、リールは酒場で仕事以外では飲まなくなった。
「じゃあミルクで良いの?リールちゃん?」
「ああ、ユリカはどうする?」
「え?ミルクで良いよ」と笑顔で答える。
「ユキちゃんは?」
「私もミルクでお願いします」とユキは答える。
3人の前にミルクの入ったジョッキが置かれる。
「なら私もミルクで相手しましょう!」とジョンさんもジョッキを持って、「カンパーイ」と4人でジョッキを鳴らす。
料理は、ジョンさんのオススメで出てきた。料理は美味しく満足して食べ終える。
時刻は午後6時30分。
食べ終え、会計の為にユリカとユキの2人は外で待つ。
会計をジョンさんに払っていると、ユキの秘密を知らされる。
「あの子、凄い魔法使えるから、色んなパーティーから勧誘が来てたのね。けど、凄い魔法は凄い魔力を使うから余り連発できないのよ。それでマジックドレインって魔法を覚えてしまった見たいでそれを仲間に使って不足した魔力を補おうとしたみたい。」
なるぼど、それなら。
「そう、リールちゃんが思った通り、ユキちゃんは魔法で活躍出来て、パーティーは活躍したが、結果はユキちゃん一人で他のパーティーから魔力を貰ってるだけのパーティーになっちゃったの。」
「あの子はそのせいで、他の仲間を死なせてしまったのよ。」
「パーティーランクCでも、他の仲間はEランクほどしか無いから、複数の魔物にやられて、おしまいって魔法学校卒業後すぐに一回、後は当時勢いのあったBランクのパーティーに事情を伝えて入ったが思っていたよりも、マジックドレインが強く魔力吸収が多かった見たいで、直ぐに不満を出してユキちゃんを追い出したみたいなの。」
「だからこの田舎街まで来て仕事をしていたみたいなの。」と聞く。
「それを聞いて、俺はどうしたら良いんだ?」
「え?」とジョンは、驚いている。
「別に昔の事なんてどうでも良いんだよ!今俺が信用してるんだから、どうでも良いんだ。」今日1日一緒に仕事をして、ユキを見てきた。多分気負い過ぎなんだろうと思う。一番にこだわり過ぎなんだろう。
「このパーティーにいる内はユリカも裏切らないから、安心して任せておけ。ユキさんには、恩が出来て師匠なんだから。」
「そうね、余計な事を言ったわ。はいお釣、と全額返還された。」
「お釣か?」
「そ、サービスのお釣。また酒場に来てくれる?」
「分かったよ、また3人でくるからよろしく頼む。」
「今度はお酒飲んでね?」
「ああ、気が向いたらな。ご馳走さま。」とリールは酒場を出る。
先に出ていた2人と合流する。
「お待たせ。」
するとユキが近くに来て、「何か言われた?」と。
「ああ、言われた。」と正直に答える。
「そう」と落ちこんだ様子が見える。
「でも大丈夫だ。多分バッグの手伝いと関係あるんだろ?」
「すごいね、当たりだよ。」と笑顔で話している。
もう大丈夫そうだな。
「明日は準備の日とする。薬屋で薬草とかを売っていく。あと方針を決めたりバッグとか必要なものを教えてくれ」
それじゃ明日は9時にギルド前に集合だな。と3人は解散する。
リールとユリカは近所の為一緒に帰り。ユキはギルドの宿に泊まっているのでギルド近くの宿に泊まる。
一人寂しくユキは帰る。少し遠周りして。
【ユキの一人暮らし】
『バタン』
部屋の扉が閉まる音が部屋に響く。
無言で入る。
一人暗い部屋にユキは入り、虚しい気持ちが押し寄せる。
家族は王都にいるため一人暮らし。友達もいない。
ベッドに入り、1人呟く。
「パーティーかぁ」
「もっとお金があれば、パーティー専用の家でも…」
「結婚も考えてないし」
「相手もいないし」
「リール君は、」
だんだん顔が熱くなってくる。
「でもなぁ」
ユキは2人と別れた後、後ろをついて行って2人の家の前まで行ってしまった。
「仲良しの兄妹見たいだけど、ユリカちゃんはリール君の事を好きだろうな。」
「見てれば分かるもんなぁ」
「どのくらいの好きか分からないが絶対高いよなぁ」
「誰か良い人居ないかなぁ。」
「多分今誰が来ても、無理だろうなぁ」
「もう寝よ」
独り言の多い22歳独身女性ユキであった。
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