第10話 冒険者探し

 冒険者ギルドに入ると、40人ほどの冒険者達がいた。


 4人パーティーは1グループだけだった。近づいて「洞窟のゴブリン行くのか?」と話掛ける。


「うぉ!デカいな!何で知ってる?」と18歳程の男が言う。


「薬屋で聞いたからな。ミランさんが心配してたぞ。」


「ポーション買った時か。薬草の在庫はあるのに、ポーションが余り作れない店か。」


 薬草採取は魔力が少ないと、効力が低くなる。


「そんなレベルでは、ホブゴブリン2匹以上出たら難しいだろう?」


「大丈夫だって、気付かれる前に逃げるか、倒すから。」


「そうか。頑張れよ」と言って離れていく。


 離れると、「あいつ誰だ?」「ほら毎日働かない人」「思ったより大きい人だね」「白髪の巨人ってあの人が?」などと話す声が聞こえるが、無理はしないだろうと安心する。


「どうだった?」ユリカは不安そうに聞く。


「パーティーのバランスも無難だし、無理しなければ問題ないだろう。」


 パーティーメンバー前衛2人の後衛2人。斥候、戦士、魔術師、僧侶だろう。


「そっかー、後はどうするの?」


「受付で話してくる」




「いらっしゃいませ。どうしました?」と笑顔で受付嬢は話す。


「あの洞窟にゴブリンの巣が出来たらしいと、話を聞いたが情報ないか?」


「ゴブリンが増えているのは聞いていますが。そうだギルドマスターからゴブリンの討伐報酬が銅貨30枚になったって伝える様に言われてました。」と嬉しくない報告を聞く。


「洞窟は誰も近付いていませんね。せめてCランクのパーティーじゃないと勧めません。」


「なぜ毎回俺が働くと報酬を下げる。20銅貨損するだろう。」


「え?そんな理由で下げられるの?」と驚いてユリカは声を上げる。


「はい。他の冒険者の人の10倍以上成果を出してしまうので、毎回その様な対応になってますね。常時の討伐報酬はウルフも30銅貨に下がってます。」


 ウルフは狼の用な魔物である。普通は銅貨50枚の魔物だ。


「商人からの寄付で常時討伐報酬を払っているので、ごめんなさい。」


「しょうがないか。いつもの事だし。」


「ありがとうございます。他に用はありますか?」


「ユリカとパーティーを組んで仕事するから登録?でいいよな?」とユリカを見ると頷いている。


「それでは、こちらの紙に記入お願いします。」


 記入していると現在のステータスとパーティー名前の記入があった。


「ステータスは2年前ではダメか?」と受付嬢に聞く。


「そうですね、有効期限は半年以内となってます。」


「なら測定しないとな。ユリカはどうだ?」


「そうね。もうすぐ1年超えるから、一緒に測らないといけないわ。」


「今から出来ますか?」


「はい。それでは、ギルド裏の演習場で測りますので、どうぞ。」



 そう言われ、演習場へ向かう。


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