第16話 読書の秋

静かな夜に

昔読んだ本を手に取り

再び項を開いた

記憶が薄れ

細かい部分までは覚えていなくて

また夢中になり

本の中へと入り込む

登場する人物の感情が

ありありと

脳に

胸に


苦しくなって

意識を引き剥がすと


静かな夜に

鈴虫の音が心地よく


その本の世界の余韻に

とっぷりと

浸からせてくれる


何とも有難い演出だ


そうして

私は再び

その苦しみの中に

身を投じる


描かれていない

登場人物の一人となって

彼、彼女らの息づかいを

間近に感じるのだ


半袖Tシャツでは少し寒くて

ブランケットを巻き付けて

ホットコーヒーを傍らに置いて


何て贅沢で

何て幸せなひと時


なるほど

読書の秋



皆さまも素敵なひと時を






因みに私が読んでいたのは

『家族狩り』作者:天童荒太 ( ´∀`)

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