第六話:首なし死体
やっぱりあの時、おれは何か得体の知れないモノを見ちまってたのかもしれねぇなって、そんなこと考えて薄気味悪い気分になってたらさ、友人がな、「おい、カーブのとこ、ガードレールの向こうに何かあるぜ」って指差すんだよ。
それで、何のことだと思いながら近づいてひょいっと覗いたら……そこにさ、たぶん悪戯か不法投棄かでどこかから持ってきたんだろうな。
首の無いお地蔵さんが一体、捨てられてたんだよ。
かなり前からそこにあるのか、もう身に付けてる……なんつーのかわかんねぇけど、
それ見た瞬間、おれハッとしてさ。
昨夜見た首無し死体も、服ボロボロでこんな感じだったなって。
あれ、ひょっとしたらあのお地蔵さんが自分のことに気づいてほしくて、それでおれに姿見せたのかな? って思ったんだ。
お寺とか持っていって供養してやれば良かったのかもしんねぇけど、おれそういうの全然詳しくねぇからさ。
結局そのお地蔵さん、そのままにして帰ってきて……未だ何もしてないんだわ。
たぶん、今もあそこで誰かを待ってんのかもしれねぇなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます