第六話:首なし死体
もう無我夢中で前だけ見て、バイクすっ飛ばして逃げるように家帰ってさ、その日はもう酒も飲む気になれなかったから、そのまま部屋の電気点けてほとんど眠れないまま朝まで過ごしたよ。
でも、人間って馬鹿って言うのか不思議と言うのか、あれは結局なんだったんだろうってどうしても気になっちまうんだよな。
万が一本物の死体だったら、事件ってことだろ?
それを無視して逃げ帰って、後々疑われたりするんじゃないか、最悪誤認逮捕とかされちまったらどうしようとか、もう頭ん中で不安がぐるぐる渦巻くわけよ。
それでどうしてもちゃんと確かめたくなって、明るくなるの待ってから今度は友人連れて確認に行ったわけ。事情は伏せてね。
そしたらさ、やっぱりどこにも無いんだよ。死体も、血痕とかそれらしい跡も。
しかも、おれは二回急カーブの先にその死体を見たはずなのに、その場所……急カーブ自体が一ヵ所しかなかったんだよな。
じゃあおれ、あのとき二回目はどこのカーブを曲がってたんだって余計恐くなって。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます