応援コメント

33 祝勝会で彼女と花火見物しました」への応援コメント

  • イチャイチャが見れるぜえ笑
    と思ったけど花火のお話は終わりですかね?

    作者からの返信

    花火というのは、次の射出まで準備時間があるものだ。
    バンバン上がっていた花火が鳴り止んだので、先ほどまで空に夢中だった人魚たちの注意の矛先が俺に戻ってきた。
    遊び半分に、水鉄砲やシャボン玉をこちらに飛ばしてくる。
    「ちょっと貴女たち! もう、響矢は本当に縁神に好かれやすいんだから! 嫌になっちゃう」
    咲良は貝を投げ付けて応戦している。
    「こんなことなら、家にも焚いてる縁神避けのお香を持って来れば良かった」
    縁神避け? 咲良のヤツそんなことをしてたのか。
    「うわっ」
    人魚の一人が、俺の足を掴んで引っ張った。悪ふざけも度が過ぎる。
    「響矢!」
    ドボン! と海に放り出される。ちょうど花火の続きが始まったらしく、水中から見上げると天井に花火が輝いていた。おかげで夜なのに海中はロマンチックな光に満たされていて、そんなに暗くない。
    その花火が映る水面から、大量の泡と共に、咲良が飛び込んできた。
    馬鹿。お前まで水の中に入ることないだろ。
    再び花火に夢中になっている人魚たちを尻目に、俺と咲良は泳いで砂浜を目指した。
    「……ハア……ハァ」
    幸い浅瀬が続くサンゴ礁だったので、溺れる心配はそう高くない。
    砂浜に辿り着いて、立ち上がる直前に、咲良が抱きついてくる。
    雰囲気で何となく俺たちは唇を合わせた。
    「しょっぱ」
    当たり前だが海水の味がする。俺たちは顔を合わせて笑い出す。
    また響き出した花火の音と、寄せては返す波が、じゃれあう俺たちを穏やかに洗い流していった。

    編集済