　ゲームでプレイした時は、セーブポイントがあった。

　ホラーゲームで死にゲーには似合わない可愛いマスコットヒヨコだ。

「ピヨピヨ」

　部屋や廊下の隅っこにいて、ピヨピヨ鳴いて自己主張。

　念のために言っておくが、このヒヨコは無害だ。このゲームのラスボスでもない。

　鳴き方も普通でとくに、狂暴になったりはしない。

　脅威にならないと分かると、他のメンバーたちはヒヨコをかわいがり始めた。

　山の中にヒヨコなんて、不自然極まりないが、現実逃避しないと、精神が持たないのだろう。

「ピヨピヨ」

　ヒヨコからは害意も敵意も感じない。

　ただ、可愛らしく鳴いてるだけだ。

　見知らぬところで、何者かの悪意に晒され続けた者達には、何物にもかえがたい癒しなのだろう。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい