16: who's fault?

 学校に行くと、なんかアホらしいことになっていた。

 教室に入ったらみんながこっちを見る。好奇心とか猜疑心とかそういうの丸出しで。

 ふと黒板に目をやると、なんか強く書かれてたのを消したような痕があった。 『巽浅彦殺害の犯人は天井新介!』

 俺は別に誰になにを言われようと気にしないけど、今回はタイミングの悪さもあってマジ気分悪くなった。

 黒板の前で突っ立ってる俺を見て、悪ぶってる系のクズ連中がニヤニヤしながらヤジってきた。

「こえーよなー殺人犯と同じクラスなんてよー!」

「ぎゃはは、俺は死にたくねえ!」

 ムカついたのでとりあえず反撃に出ようと思ったけど、その前に例の自称クラスのリーダー女が俺達の間に割って入った。

「あんたたち、なんでそんなこと言うの? 証拠もないのにそんなひどいこと言って、天井君が可哀想でしょ! 恥ずかしくないの?」

 俺はむしろそっちに吐き気がした。

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