第1110話  何で疑問形?

 まあ、そんなこんながありまして…とりあえず、応接室の空気も落ち着いた所で、再度ヒナとミヤの紹介です。

 あまり心配はしていなかったが、2人は母さん達にもすぐに受け入れられた。

 そもそも普段は別次元に待機しているので、みんなと顔を合わせる事なんてほとんどないんだ。

 だから、この2人のための部屋の用意なんて必要ない。

 って、説明したんだけど…何故か母さんがそれに大反対。

 曰く、『可愛らしい娘は何人いてもOK! 男はヴァルナルとトールちゃんだけで十分!」だそうです。

 ちなみに、据えの弟であるエド君も男なんだけど…っといった所、エド君は赤ちゃんなんで別なんだそうです。

 俺と父さんって、もしかして母さんに嫌われてるんだろうか?

 そういや、ユリアちゃんも簡単に養女として迎え入れてたっけなあ。

 もしかして、母さんってば幼女好きって事はないよね?

 え、我が家の長男は幼女好きだけど、私は違う? そりゃ失礼しまし…た…って、俺も幼女好きじゃねーよ!


 仕方がないので、取りあえずミヤとヒナには、邸の1室を与える事が決まった。

 そもそも、この2人には睡眠とか食事とか不要なんだけどなぁ…まあ、いっか。

 ドワーフメイドさん達が、『布団を干さなきゃ』とか『シーツの交換を』って感じの事を呟きながら走って行った。

 今頃、2人に割り当てられた部屋を念入りに整えている事だろう。


 その後、嫁ーずや妖精達は、母さん達に実戦でテストしたLシリーズの使い心地や問題点なんかを真剣に話していた。

 ユリアちゃんは良く分かってない様だけど、コルネちゃんはもの凄く真面目な顔でメモまで取って聞いてた。

 管理局との戦いが本格的に始まったら、そこに女性陣は近づけたくはない。

 とは言っても、直接戦場に赴かなくとも、局長ほどの能力があれば、俺の留守の邸や領地、それどころか王国にもその魔の手を伸ばしてくる可能性はある。

 その時に、最低限の自衛手段を持っているといないとでは大違い。

 ならば、Lシリーズに関して、しっかりと使い方や能力を把握しておくのは大切だと思う。

 ユズユズ夫妻も、もの凄く真剣に話を聞いてたから、その内今回ダンジョンに行けなかったLシリーズを持っているメンバーも連れて行った方がいいかなあ。


「ところでご主人様。私達は今夜ご奉仕すればいいのですか?」

「めっちゃがんばる!」

「ヒナもミヤも何を言ってるんだ? ご奉仕なんぞ、せんで良ろしい!」

 真面目な空気が流れる応接室の空気を、突如としてぶった切るヒナとミヤのとんでも発言に、思わず俺は叫んじまった。

 見ろ! 全員から俺が白い目で見られてるじゃねーか! 

「でも、あちらで宿泊中は、奥様方が夜通しご奉仕していましたが?」

「ひ、ひなくん…ちみはなにをいってるのかね?」

 口が上手く動かん…。

「トールちゃん、あなたはどこに行ってもお盛んなのね」

 母さん、その聖母の様な眼差しは止めてくれ!

「流石は伯爵様…」「世継ぎが増えるのは良い事…?」

 ユズキ…何が流石なんだ? ってか、ユズカさん、何でそこで疑問形?

「やはりお兄さまは不潔です…」

 コルネちゃーーーーん! お兄ちゃんは清廉潔白…じゃないかもしれないけど、節操無しってわけじゃないからね!?

「「「ご奉仕しようとしたんですけど…激しかったです」」」

 ミレーラもマチルダもイネスも、何を火に油注いでくれちゃってんだよ!

「「早く皆さんも妊娠してくださいね」」

 メリル、ミルシェ…お前等なぁ…。

「そうですよ、順番待ちなんですから」「「「次の排卵日はいつ?」」」

 まだ順番待ちを主張するか、ナディア! ってか、アーデもアームもアーフェンも、どこでそんな言葉を!?

「あはははははははっはははっははっははは!」

 俺があわあわしてるのが面白いのか、ユリアちゃんだけは大口開けて笑ってた。

 

 いつまでこのネタを引っ張るんだろうか…そろそろ俺の精神が枯れるぞ?

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