第993話  何でこうなった?

 俺の突っ込みは、見事にスルーされた。

 なんでだよ!

 実はこの金色の直方体が変形した姿が、ゴール〇ライタンではなく、屁のツッパリが不要な筋肉野郎に出てくるサ〇シャインかもしれないが、そんな事はどうでもいい。

 問題は、直方体だけでなく、円筒形とか別の形状が存在することだ。

 これは、まぎれもなくサン〇ャインではなく、元祖ゴールドライ〇ンである事は、間違いない事である!

 そう、屁のツッパリが不要な筋肉野郎の漫画やアニメで、あまりにもゴール〇ライタンとその形状が類似していたサンシャ〇ンではないのだ!

 なぜならば、サンシャイ〇には、そんなお友達は存在しないからだ!

 しかも、このお友達はメカ次元からやってくるのである!

 これは確実に〇イタン軍団であると断言してもいいはずだ!


「お主、何を熱く語っておるのじゃ?」

 え?

「サンシ〇インと言うのは、太陽の光の事かや?」

 あ、ええ…そうですね。

 多分、スティーヴィ〇・ワンダー先生の名曲ではないと思います…。

「それで、その太陽の光がこの武装とどう関係してくるのじゃ?」

 それは、そのぉ…大きさは違いますが、見た目と言いますか…。

 ってか、ゴ〇ルドライタンは軽くスルーしたくせに、やたらとサ〇シャインはグイグイ来るな、おい!

 まさかお前ら、キ〇肉マンが好きだったんか!?

「何をさっきから熱く語っておるのじゃ? さっぱり意味は分からぬが…お主等、こやつの言っていることが理解できるかや?」

 あれ、俺…全部声に出してましたか?

「「「いえ、全然…」」」

 嫁ーずなら、分からなくても仕方ない。逆に知ってたら怖いけどな。

「まあ、少しだけ理解できます…」

 ユズキなら、まあ知ってるか。いや、少しだけじゃないよな? 

 さっきの反応見てたら、知ってるって顔だぞ? あ、お前…なんで顔を背けるんだよ!

 おま、絶対に全て知ってるだろ! おい、ちょっとこっち向け! 


「ふむ…まあ、良いわ。お主は太陽の光に何か思い入れでも…待てよ」

 何故か、急に考え込んだボーディだったが、ふと顔を上げるとモフリーナ達を手招きしてごにょごにょと円陣を組んで何やら話を始めた。

「……エネルギー補充を…」「…悪の活動を感知して回路が…」「…永い眠りから復活する設定で…」「…ひかりがとどかないと、しゅつりょくが10ぶんの1に…」「…念力遮断回路も必要では?」「…良心回路は不要じゃな…」

 おい、漏れ聞こえてくる内容がかなり危険だぞ!?

 なんでそんな話になってんだよ!  

 それはもしかして、白いトランペットを担いだ、いっつもヘルメットを被って禿げないか心配になる赤と青の派手な服を着た、あの人の事じゃないよな?

 悪のある所に必ず現れて、悪の行われる所に必ず行ってる、あの光り輝く太陽電池のボディーの正義の戦士の事じゃないだろうな? 

 ど、どうしてお前らが、あの懐かしいヒーロー番組を知ってるんだよ?

 これは…偶然なのか? そうなのか? 偶然だと言ってくれ!


「よっし! では、ちょとその小箱は返して貰うぞ」

 話し合いが終わった途端、ボーディは嫁ーずが手にしていた小箱に向かい手を突き出した。

 その勢いに押されたのか、マチルダがそっと小箱を手渡す。

「モフリーナよ、先ほどのアイディアを元に、この武装に手を入れるのじゃ」

 アイディアって…。

「はい、これで性能向上間違いなしです!」

 モフリーナさん、なんでそんなに張り切ってるのですか?

「うむ、。其の方、流石じゃのぉ。妾達がエネルギー問題で行き詰っていたというのを察して、アイディアを出すとは…その慧眼には恐れ入ったわ」

 え?

「本当ですね。これで他の武装も…それだけでなく、あのアイディアはダンジョンの改良にも有効です!」

 はっ?

「さすがでち! みかけによらず、できるおとこだったでちね!」

 もふりん、口調が戻ってるぞ?

「…やりおるわい…」

 モフレンダさん、それって褒めてるの?

「腕が鳴ります。良いアイディアをありがとうございます」

 あ、はい。どういたしまして、カジマギーさん?


「では、この新武装に関しては、もう少し時間をもらうとしよう。完成した暁には、また連絡をするので、受け取りに来るように」

 えっと、何かよくわからないうちに、武装少女と水晶、そしてゴール〇ライタン擬きは、もふりんとカジマギーによってどこかへ持っていかれてしまった。

 えっと……何でこうなった?

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