第984話 今日の日は~♪
「それで…お話って…何でしょうか?」
場所を俺の執務室に移し、ミレーラと俺はソファーで向かい合って座っていた。
さっきは家族達がいたのであまり詳しい事は話せなかった。
では無いな…管理局とサラやリリアさんに察知される可能性が高いから話せなかったんだ。
今は、昨夜のごにょごにょの最中に、なし崩し的に例の薬を飲ませたミレーラだけしか居ないので、遠慮なく話が出来る。
勿論、この場で全てを打ち明けて…何て事はしない。
出来ればサラとリリアさん以外の全員に薬を飲ませた後、前世の事から何から話したいと思うんだ。
だから、まずはミレーラにその手伝いをして貰うため、ここに呼び出したって訳だ。
俺の嫁ーずの中で、最も俺に従順(だと思う)彼女であれば、詳しい事情を話さずとも、俺の言葉に従ってくれるはずだ。
「実は…昨夜の事、憶えてるか?」
「昨夜?」
俺の言葉をおうむ返ししたミレーラだったが、その内容に思い至ったのか、急に顔を真っ赤にし手で顔を覆って俯いてしまった。
「は…恥ずかしいです…」
いや、まさかごにょごにょを思い出してたの?
そうじゃなくて!
「…トールさまったら…私が止めてって言っても、何度も何度も…」
「ちょ、ストップストップ!!」
何言い出しちゃってんのかな!?
「え? だって…昨夜の事って…私、気持ち良すぎて意識が飛んで…」
「いや、だからストップだって! そうじゃ無くて!」
まさか…暴走?
「そうじゃ無い…?」
「そうそう、そうじゃ無くて…」
例の薬の事だよ!
「ああ!」
思い出したのか、ハッとした顔で俺へと顔を向けたミレーラ。
「うんうん、思い出したか!?」
「…マチルダさんとイネスさんに…あんな体位で…何度も何度も…羨ましい…」
「ちょっとそっち方面から離れなさい! って、羨ましいのか!?」
「はい!」
めっちゃ返事良いな…そんなに羨ましいなら今度…いやいや、何で俺まで脱線してんだよ。
「そうじゃ無い。昨夜、俺がミレーラに何かを飲ませたのって、憶えてるか?」
「え、でも…あれって…トール様が…飲めって…」
おお、やっと思い出したか。
「そう、それ!」
ふ~。やっと話を進められるよ。
「…でも、やはり子種は…お口では…」
「だーーー! それは忘れろ! ってか、そっちから離れなさいってーーーーの!」
ミレーラの暴走が止まらねえよ!
俺のA.T.フィ〇ルドをガリガリ侵蝕してくるよ!
はっ! まさかミレーラに飲ませたあの薬は、スーパー〇レノイド機関だったのか!?
だから、ミレーラは無限の暴走時間を得てしまったのか?
ここは、何としても止めねば! 早く暴走中のミレーラを凍結せねば!
「だって…飲めって…あんな濃い物を…何度も果ててたはずなのに…トール様…凄かったです…」
「止まれーーーーーーー!」
今日の日は~♪ 違う!
「そうじゃ無い! ちょっと止まってくれ!」
「あ、はい…」
また~会〇~日まで~♪
いや、こんな話はもうしないけどな…恥ずかしいから…。
「…そう言えば…何か飲んだ様な…」
「お、思い出してくれたか!」
良かった、本当に良かった。
「ええ…あの…激しい口づけの最中…確かに・・」
「だから、エッチぃ部分は思い出さなくてよろしい!」
あの最中に飲ませたのは失敗だったか?
いや、でも何も言わずにあの薬を飲ますには、あのタイミングしか無かったし…。
うん、俺の恥ずかしい夜の夫婦生活に関するモロモロが表に出たのには目を瞑ろう。
「えっと…」
「あの飲ませた物に関する話を今からしたいんだ。ちょっと夜の性活に関しては、一旦忘れてくれ」
「あ、はい…」
ふぅ…ここまで長い道のりだった…。
「実は、まだあの飲ませた物に関して、詳しい話は出来ない」
ここまで引っ張っておいて、この言い方もどうかと思うけど。
「何か…秘密が?」
うむ、ここからが本番だ。
え、本番は昨夜さんざんやっただろうって? それとはちゃうわ!
腕の見せ所って意味だよ。
「うむ…、ミレーラはナディア達が絶体絶命のピンチに陥ったのは、当然覚えてるよな?」
最近色々と会ったが、まだまだ記憶に新しい出来事だろう。
「はい、それは…もちろん…」
うむ、想定通りの回答だ。
「実は、その原因となった敵を、終にダンジョンマスター達が突き止めたのだ」
「!!」
さあ、畳みかけるぞ!
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