第892話 エロ?
嫁ーずも巨乳メイドさん達も、俺を大樹の元に1人残して全員が邸へと無言で下がった。
いや、1人とは語弊があるな。
正確には、この事件現場を取り囲むブルーシートの目隠しの様に、白い幕で覆われた大樹の根元には、ナディア、アーデ、アーム、アーフェンの4人が俺の目の前でベッドに横たえられているのだから。
全員、露出している肌に大きな傷などは見当たらない。
呼吸も静かで整っており、一見するとただ眠っている様に見えるのだが、救助した時から一向に目を覚まさない。
ミルシェの推測では、生命エネルギーの様な物が損耗しているのではないかという。
実際、ミレーラの回復魔法でも一向に覚醒する気配が見えなかった事からも、その推測は当たっているのではないかと思う。
変身したミレーラ…つまり、ジェムファイター サファイア3の回復魔法は、ミレーラが願いそれを行使すると、たとえ四肢が潰れてしまったり切り落とされてしまっていたとしても、完全に再生できるほどの能力である。
ミレーラは彼女達が毒に侵されている可能性や、見えない身体の内部に何らかの損傷があるかもしれないと思いその能力を全力全開で使用したらしいのだが、一向に意識の回復が見られなかったという。
前世の地球であれば、脳の損傷とか考えたかもしれない。
だが、その点もミレーラは考えていたのか、肉体的損傷の隅々の全てを治療回復したという。
確かに救助した当初彼女達の肌に見られた多数の擦過傷も、跡形も無く綺麗に治っているのだから、その能力は如何なく発揮されたのは間違い無いだろう。
肉体的に何の問題も無いのであれば、残るは精神的な物、もしくはエネルギー的な物かのどちらかであろう。
元々、彼女達妖精族とは、俺が管理局のガチャ玉で創りだした。
ガチャ玉で創造する時は、俺の中に渦巻いているエネルギーを変質した後、物質化していると、サラは昔説明してくれた。
つまりは、俺のエネルギーによって生み出されているはずである。
基本的には彼女達の肉体は人族に準拠しており、彼女達だけの特殊能力を付与した結果、羽や翼が生えたり角が生えたりしているにすぎない。
お人形サイズの妖精達は、俺が大量のエネルギーを込めた大樹から生み出されているが、彼女達だけは特別なのだ。
つまりだ…エネルギー損耗が激しいのであれば、俺がエネルギーを補給してやれば覚醒するのではないか。
それが、俺の出した結論。
嫁ーずや巨乳メイドさんたちへのカムフラージュの為、ネスの眷属である彼女達であればネスの力が宿った大樹の元で休ませれば癒される…うんぬんかんぬん。
そしてネスの使徒である俺がネスに祈りを奉げて彼女達を復活させるとか、まあ適当な理由を付けて俺だけがこの場に残ったと言う訳なのだが…。
エネルギーを本当に注入していいのかな?
ってか、どうやって注入すんだろ。
確か、俺の傍に居るだけでナディアや妖精達はエネルギーを吸収できるとか言ってた。
なら…口からエネルギーを吸ってる?
目を閉じて横になっているナディア達の唇を見てみた…見てみ…見て…小ぶりだけど艶々してて…ごくり…。
いやいや、こんな時に何考えてんだ俺!
ってか、それってヤバイだろ! 浮気だろ!
あ、浮気じゃないのか…嫁ーずどころか母さん達まで許可してるんだから、もしかして公認の愛人扱いなのか…?
だったらキスぐらい…って、意識の無い女性にそれはいけない!
それっは、もう完全な変質者だ!
あ、でもキスで眠ったままのお姫様が目覚めるとか童話でもあったなぁ。
まあ、俺は王子様とかじゃないけど、もしかしてあの童話の王子様も変質者?
うん、変質者だな…意識の無い女性に勝手にキスしてんだもん。
なのに目覚めたお姫様が恋に落ちるって…おかしくね?
寝てるところに勝手にキスして来た男と、普通恋に落ちるか?
ありえねーだろ!
目覚めた瞬間、目の前に知らん男がキスしてんだぞ?
絶対にぶっ飛ばされるわ!
ってなわけで、キスでエネルギー注入案は却下だ。
ならば、俺が大樹とか魔石とかにエネルギー注入している様に、手からエネルギーを注ぎ込むのが最適解だな。
でも、どこに注入すんだろ?
頭? だったら額とか頭の両側に手を添えればいいんだろうけど、頭ってエネルギー注入するもんかなぁ?
身体ってはよくあるパターンだけど、その注入場所がもしも心臓だったら……………。
胸触っちゃうの? え、許される事なの?
ごくりっ…だ、誰も見てないよね…?
いつやるの? 今でしょ! って、まてまてまてまて!
もしもそれで1人目覚めたりしたら、残る3人の胸をまさぐってる所を見られるじゃねーか!
治療のためとはいえ、そんな事してたら絶対に変態だと思われるぞ!
考えろ、何か良い案は無いか考えろ…考えろ…考え…ろ…えろ…エロ?
あ、そうだ! サラ…はエロだけだから駄目だけど、リリアさんに聞けばいいじゃないか!
リリアさんや~~~い! ちょっと相談に乗ってくれ~~~~!
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