第744話  アニメ鑑賞?

 サラとの秘密の会話で、今後の活動方針が決まった。

 とはいえ、大っぴらには出来ないのが、転生人生の辛いところ。

 ならば全てを知っているバカップル…もとい、バカ夫婦に協力させれば良いだけの事。

 これはサラとの会話で初めて知った事なのだが、俺が創造した物に実際に触れるだけでなく、創造した理に触れるだけでも、微々たるものだが魂のエネルギーが管理局のシステムに送られるのだという。


 サラはこの方向でガンガン生活に役立つものを量産し、広く世界に広めようとか言っていたが…この世界の人って、元々魂のエネルギーが少なかったんじゃね?

 それをちょこっとだけでも管理局に送ったりしたら、目減りするんじゃないかな?

 転生できない程にエネルギーが磨り減ってたら、確か管理局が暴利で無理やり貸し付けるとか何とか、過去に聞いた気がする。

 あれ? でも、俺の創造した物に触れた人は、エネルギー量が増えてるってのも聞いた気がする。

 って事は、もしかして俺が増やした分が、管理局に送られてるって事なのか?

 増えるエネルギー量と管理局に送られるエネルギー量の明確な数値が知りたいぞ?


 おーーーーい、サラーーーー!

『呼びましたか、今とっても忙しいんですけど』

 お、おお…仕事中だったか、それは申し訳な…

『とあるお国の大型犬と少年の心温まるお話を観てたんです。主にアニメで』

 んんん? アニメ…って、そりゃフラ〇ダースの犬だろ!

 しかもアニメだと!? 間違いなく世界名〇劇場だよな? だよな?

『煩いですね…それしかないでしょう? 今は…あ、風車小屋が火事ですねえ』

 めっちゃヤバい場面やんけ!

 どっからアニメなんて引っ張り出してきたんだよ!

『え? 過去の大河さんの記憶からですけど、何か?』

 お、俺の? 

 あれ、ちょっと待てよ…お前って俺の前世の頃の記憶って見れたっけ?

 確か、こっちの世界での記録とかだけじゃ…あれ?

『見れないなんて、言いましたか?』

 言ってない…そういや、今までも俺の前世の記憶とか見て無きゃ言えない事とか言ってたもんな…そうか、俺が忘れてる様な物まで見えるのか。

 だったら、俺も観れるかなあ…最終話とか泣けるけど好きだったんだよなあ。

『あ、局長の許可が下りたら可能じゃないですか? 局員以外には、100%許可は出ませんけど』

 一応、局長様に確認とっていただいても宜しいでしょうか、サラ様。

『あ、もしもし局長? こっちの変態が自分の過去の記憶を覗き見したいって…ああ、ええ、うん、了解。不許可!』

 お前、マジで許可とったか? ってか誰が変態じゃ!

『自覚ないんですか、大河さん』

 ある分け無いだろーが!

『そですか。でも不許可です。おお、ネ〇が虐められて…』

 話が進んでるじゃねーか!

 お前、アニメ鑑賞しながら、片手間に申請したんかい!

『良い場面なんですから、邪魔しないでください! あ、〇ロがパト〇ッシュと…』

 え、何、どうなったんだ? なあ、おい、サラ! 

 ちょ、ネ〇とパ〇トラッシュはどうなったんだよ!

 おーーーい、サラさんやーーい! おーーーい、おーーい、おーい…

 駄目だ、サラのやつ、無視してやがる。

 めっちゃ気になるぞ、話の続きが…俺の記憶自体は薄れちゃってるからなあ。

 オープニングの出だしだって、『らんらんらぁ~♪ らんらんらぁ~♪ ふんふふふんふ~ふんふんふん~♪』ってな感じでリズムだけは歌詞忘れてるし。

 あ、いや…そこは元から歌詞知らんかったわ…。


 もういいや。

 サラにエネルギー関連で確認しようとしたけど、名作アニメの話で有耶無耶になっちゃったし、こんだけ念話が飛び交ってても、リリアさんが参入して来ないて事は、リリアさんは俺に教える気がないって事だろうしな。

 もう気にするのは止めよう。

 顔も知らん人が転生でエネルギーの借金背負ったところで、俺…関係ないし。

 どうせ転生の時には記憶もきれいさっぱり消えるんだから、どうでもいいや。

 お、考えないというか、気にしないと決めたら、なんだか気が楽になったような。

 そんじゃ、俺たちの生活向上のために、新たな呪法具開発でもユズユズのバカ夫婦にさせますかね。

 

 後は、何とかして記憶の中のアニメとか特撮の記録を観れるようにせねば。

 確か夢の中で局長を呼び出して、直接お願いすればば…

 あれ? どうやって呼び出すんだっけ?  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る