第717話  いつか泣かしてやる! 

 よく見たら結構可愛い、もっち君。

 エネルギー次第で意図的に生み出す事が出来ると言う話なので、大樹にエネルギーを注いで生み出してもらった。

 新たに生まれたもっち君は、6体? とにかく、これで我が家に連れ帰るのが6体と、王都の父さんの屋敷用に6体。

 コルネちゃんとユリアちゃんに1体ずつ計2体付いてもらって、母さん用に2体でいいかな。

 残り2体は俺の屋敷の警備とかに使おうかと思ってるんだが…絶対に欲しがる転移者が居るからなあ…どうなる事やら。

 え、父さん? あの人にはもっち君はやらん! 殺しても死なない様な人だからな。

 ってか、父さん様に送った装備の件も、まだ残ってたな…あと、俺に妹弟が出来る可能性も…。

 いやいや、今ここで考えても仕方ない。

 まずは、俺の屋敷に戻ってから考えよう。


 ってなわけで、俺達は父さんの領地、領都リーカに来たメンバーで一旦は帰宅する事にした。

 アーデ、アーム、アーフェンはそのままなのかって?

 いや、蒸気自動車の店員オーバーだし、もうちょっと残って貰う事にした。

 もっち君11体は小さく場所も取らないので、一緒に連れて帰る事にした。

 帰宅して落ち着いたら、ホワイト・オルター号でもう一度来て、彼女達も連れて王都へと行く段取りにしている。

 つまりは、王都に行く前にちょっと寄り道して、彼女達3人を拾うわけだ。

 ま、ついでにとってもお胸の豊かなメイドさんに、なんだかエロく書類の運搬も頼まれたんで、快諾した。

 次に来る時までに、ちゃんとまとめてくれるらしい。

 うん、あの凶器の様なお胸に気を取られて聞いてないなんて事は無いぞ?

 アーデ達が帰宅途中に教えてくれたけど、聞いてた…はずだぞ?

 記憶に残って無いだけだ…何故だかは分からんが。

 ちなみに、この時に持っち君は、11体が揃って俺から顔を背けて 『 (;-ω-) 』 って顔になってた。

 それはどういう意味かな? 

 言葉は喋れないから、念話? でも感情とかしか伝わってこないけど…もしかして呆れてる?

 なんだ、その『 (*´-ω-`)…フゥ 』 あからさまなため息は!

 ああ、どうせメイドさん達のあのお胸にばっかり気を取られて、大事な事を聞いてなかったお馬鹿な俺ですよ!

 ちくそー! この妖精、可愛いけど何かめっちゃ腹立つ!

 ん? 何だ、もっち君?

 羽で俺をポンポンって…その顔! 『 (o´・ω・`o)ノ゙ 』 ドンマイってか?

 くっ…こいつ等…いつか泣かしてやる!


 そんなもっち君を連れた俺達は、国境…じゃない、領地を隔てる山脈にある長いトンネルを抜けて、懐かしいってほど離れてはいないが、お馴染の我が街まで戻って来た。

 屋敷に着いた俺達は、出迎えてくれたドワーフメイド衆とユズユズ、サラ&リリアさん達に、もっち君を紹介した。 

 案の定、ドワーフメイド衆とユズカが滅茶苦茶食い付いた。

 王都の屋敷に連れてい行くと言うと、もの凄い形相で、ここに置くべきだ!、私は遊びだったの? 王都は安全です! 私、初めてだったのに! 女神のおひざ元には妖精が必要です! とか言われた。

 何か、変な主張が交じってた気がするけど、まあ予想通りだったね。

 なので、メイド衆に1体、ユズユズ…というか、ユズカに1体預けると言う事で場を治めた。

 屋敷とその周辺の警備&ドワーフメイド衆とユズカのペット扱いと同義だけど。

 王都にいるお人形さん型の妖精が、もっち君と交代で帰ってくるんだけどなあ。

 ま、帰って来たフ〇ラリオ妖精さんには、予定通り結婚式場とかで働いてもらうとしますかね。


 ところで…ペットと言えば、ブレンダーとクイーン&働き蜂達はいずこへ?

 ってか、モフリーナから預かった猫又のノワールちゃんは、もう長い間姿を見てないんだが。

 ん? 俺の服の裾をツンツン引っ張るのは…ああ、ドワーフメイド衆の1人か。

 どうしたの? え…ノワールはブレンダーと蜂達と裏庭で日向ぼっこ?

 夜はドワーフさん達の部屋で一緒に寝てる?

 …確かにモフリーナとの連絡用として我が家に来たノワール君だが、最近はとんと仕事ないもんなあ。

 ま、害がないなら、いっか。

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