第707話 何だかなあ…
「ど、どの様な…力?」
「ええ、先ほど我々に『力が欲しいか?力が欲しいのなら……くれてやる!』っと仰いましたが…」
キラキラと輝く瞳で俺を見つめ乍らそう尋ねたのは、美少女ホムンクルスのテーラ・マテール。
ああ、それはその場のノリと勢いです…とか言えないよなあ。
『もちろんネタですとも言えませんものね』
サラよ、それは言っちゃ駄目だ。
『でも両親が滅茶苦茶強いって境遇似てません?』
良くそんな設定知ってるな…
『なに…ただの通りすがりのサラリーマンだ』
ナディアまでそのネタぶっ込むのかよ!
『『『(一部では)有名なネタですからね』』』
こいつらは…勝手の俺の記憶を見やがって…
「うむ…力な。お前達、自分の身体に無限のパワーが漲っているのが分からぬか?」
「「「おお…言われてみれば、確かに…」」」
ま、エネルギー充填200%って感じだろうけど。
「確かに妾も力が漲っておるのぉ…」
ボーディが感心したように呟く。
「ええ、まさか我々ダンジョンマスターにも力を与えてくれた様ですね」
モフリーナにも影響あるのかな?
ってか、ダンジョンマスターズは、今までも俺からエネルギー受け取ってるじゃん。
「…カ・イ・カ・ン…」
モフレンダよ、それは微妙に危険だぞ?
ま、悪い影響がある分けじゃ無し、これなら問題ないかな。
『マスター、そう言えば、私も変わりました!』
え、ナディアも? でも普段と変わって無い気が…。
『強化したナディアをただの妖精と思わないでよ! マスターの…マスターの…マスターの心が篭ってるんだからー!』
おい! そんなマニアックなネタを出したところで、誰にもわからんぞ!
『え、有名ですよ、大河さん?』
嘘つけ! サラは俺の記憶で知ってるだけだろうが!
『気を付けて…薔薇にはトゲがあるのよ?』
だーかーらー! お姉さまの言葉なんて知ってる奴の方が少ないわ!
いや、個人的にはもの凄く好きだよ…特にコーチへの思いとか…泣けたよ、マジで。
『自分の力を最後まで信じる者にこそ、真の力が宿るからです!』
リリアさん…それは2だから…知ってる人はそれこそ居ないと思うぞ…
ってか、お前等は何がしたいんだよ!
俺の頭の中でネタ全開で遊んでるだけなんじゃねーのか!?
『『『バ〇ター…シールド!』』』
やかましーわ! お前等らまとめて、一万二千年先の未来まで飛んで行け!
『『『オカエリナサイ』』』
ぐぎぎぎぎぎぎぎぎ!
『あ、大河さん!』
なんだよ、サラ!
『イは左右反転でお願いします』
知ってるわ!
何だかんだゴチャゴチャとあったが、どうやらホムンクルスの反乱? は、無事おさまった…のかな?
どうやらあの後にホムンクルス達とダンジョンマスターズ+おまけ幼女2人で話し合った結果、俺を最上位の存在と…神として全員の意見が一致したらしい。
何だかなあ…。
次に俺の命令だからか、ダンジョンマスターズ+おまけ幼女2人が位置するとか。
ちなみにモフレンダも近いうちに幼女を生み出すとか言ってたけど…え~っと、幼女じゃなきゃダメなんだろうか?
そしてこの巨大なパンゲア大陸は3等分して、ホムンクルスが統治を行うという。
例の管理局のミスで転移して来た人々と、先の戦争でこの大陸に緊急避難させた人々の残りなどを合わせて、現在10万人以上がこの大陸で保護されているという。
いや、無責任な様だが、実は俺は人数なんて知らんかった。
すでに全員の傷は癒えているし、居住スペースもあり、しっかりと食料もあるので当面は問題ないという。
だが、今後は大陸全土がダンジョンという状態を一部改変し、農地などにも割り振るとか何とか。
居住スペースも国を興す事を考えて3カ所に分けたりしていくそうだ。
地上や地下、一部の塔のダンジョンスペースは残し、俺の住む大陸にあるダンジョンと繋げて、冒険者も呼び込むとか。
もちろん、冒険者如きでは100%攻略できない様に設定すると言うので、あまりに難度を上げるのもどうかと言ったら、
『浅層は初心者向けに簡単にしてあります。深層に行けば行くほど強敵が配置されているだけですから。もちろん、誰一人として死なせはしません。ただ瀕死になる可能性は高いですけど…』
モフリーナがそう言っていたので、まあ死なないなら瀕死でも仕方ないかなと。
『心配するでない。妾達のダンジョンでは、どんな怪我でも治す薬を販売する意向じゃ』
めっちゃ悪徳商人の様な笑顔のボーディがそう付け加えた。
そっか。死なない程度にボコったダンジョンが回復薬を販売するとか…完全にマッチポンプだよな…と、考えた俺は、絶対に間違ってないと思う。
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