第656話 なんまら楽しみ!
結局、どこにダンジョンを造るのかは教えてもらえなかったのだが、起き出して来たサラとリリアさんにお願いして、昼前ぐらいからダンジョン建設予定地を巡ったのち、ダンジョン大陸までホワイト・オルター号を飛ばしてもらう事にした。
単にこっちの大陸とダンジョン大陸を行き来するだけなら、モフリーナのダンジョンのおかげで簡単なんだが、今回ばかりはそうはいかないのが、何とも面倒くさい所だ。
とは言っても、やっぱやる事はやらねばならないので、ここは一番暇そうな2人に行って貰う事にしよう。
サラは、滅茶苦茶嫌がっていたが…リリアさんと道中仲良くして欲しいぞ、うん。
サラ達が帰って来るまでは、取りあえず母さんの装備はお預け。
ちくそー! 夜一生懸命考えたのに、めっちゃ時間あるやないか!
全力でホワイト・オルター号を飛ばしても、往復で約10日~2週間程度は余裕が出来た。
『貴方様は、ナニを呑気な事を言っているんですか?』
おう、リリアさん。サラとの旅は楽しみだろ?
『ええ、それは…では無く、ナニを呑気にしているんですか! 夜間なら自動航行ですから、十分に時間はあります』
あ、ああ、うん。それはそうだけど…
『さっさと創らないと、ナニを言われるかわかりませんよ?』
まあ、そうだな…んじゃ、夜にでも創るとするかなあ…
『そう、それでいいのです! 私は根っからの加虐嗜好者ですからね。サラが痛みにのたうち苦しむ姿を見るだけで、こう…股間がじゅんじゅんしてビシバシ蝋燭た~らりしたくなるんです!』
すな! じゅんじゅんすな! 空の旅とは言え、お仕事なんだぞ! そんな嗜好は捨ててしまえ!
『酷い人ですね…私からドSを取ったら、何も残らないではあ~りませんか!』
残らないのかよ…何も…ってか、微妙に新〇劇が混ざって無いか?
『気のせいです。あ、出来れば創造は深夜にお願いします。ぐへへへへへ…今夜は寝かさないぜ…って感じで』
そりゃ昼間は無理だろうから、夜中になるだろうけど…それ、何か嫌だな…
『喰わず嫌いは駄目ですよ?』
違うわ!
『ま、どうでもいいですけど、しっかり創造だけはしてください。私達が帰還する時に、大奥様を連れて帰りますから、その時に手渡せるようにしておいて下さいね』
手回し良いな…ってか、すでに予定立ってんのかよ!
『ええ、ダンジョン行きを聞いたたサラが、先ほど大奥様と通信してました』
マジか! 母さん、こっちにやって来るのかよ! こりゃ、マジで早く創らなきゃ駄目だなあ…
『あ、大旦那様の分は、てきとうで』
…父さんの扱い、どんどん酷くなるな…
起き出して来たユズユズの2人も食堂に顔を出し、ドワーフメイド衆が用意してくれたちょっと遅い朝食を食べた後、サラとリリアさんは、ダンジョンマスターずを連れて、旅路の準備に向かった。
もちろん、裏庭にホワイト・オルター号を召喚しておいたぞ。
食料と水を積みこませて、ダンジョンマスターずには、モフリーナから預かった水晶にエネルギーを幾らか充填してから渡した。
ちょっと予定からずれたが、屋敷で昼食を食べた後、ホワイト・オルター号は、雲一つない空へと飛び立った。
まだ戦後焼け落ちて更地にした多くの村や街の復興が残っているとはいえ、暗黒教ダークランド皇国との戦争での心残りは、やっとこさ終わりが見えたってとこだな。
早く全部終わらせて、平和な大陸にしたいよ。
「はぁ…行っちゃいましたね。ところでトール様」
空の彼方で、豆粒よりも小さくなっていくホワイト・オルター号を見つめていたメリルが、突如俺に向き直して、
「肝心要のトール様のお仕事覚えておいでですか?」
などと言って来た。
「え? あ、復興支援の事?」
すると、嫁ーずが一斉に首を横に振る。
「もちろんそれも大事ですが…トール様曰く、サバトの準備です」
「んがっ! 人魚さん達!」
わすr…いや、忘れてませんよ、覚えてますとも!
嫁ーずの訝し気な視線は無視する。
「全開のアレから、結構な数の人魚さん達が妊娠したそうで、各地から人魚さん達が保護地区の海へと集結していて、積極的に留守中の書類仕事を手伝ってくれたらしいですよ」
「マジっすか!」
妊娠したのか! いや、そこでは無く…結構な人数…だと?
「ドワーフメイドちゃん達も、今回は最初から人魚さん達にお仕事を割り振りしていたそうですので、楽ちんだったとか」
それまで黙って控えていたメイド衆が、
『時間に余裕がおたんや!』『人魚さんだば、でって優秀です』『約束は守てくんねがのぉ』『なんまら楽しみにしてたべ』
口々に何か言って来た。
うん、何となく意味は分かるよ、何となくね…
そっかあ…あのサバト再びかあ…父さんの所の移住者でも捕獲してこようかなあ…
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断罪の刃 闇を照らす陽の如く
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ちょっとダークなお話し…かな?
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