第618話  むー…みん…

 テスカトリポカとは?

 アステカ神話に登場する、超メジャーな神の1柱である。

 闇や死、敵意や戦争、支配や不和などといった、あまり好ましくない物の象徴ともされている。

 テスカトリポカを祀る祭では、神官役となった男性の心臓を奉げるという、生け贄の儀式が執り行われていたとされており、テスカトリポカもその生け贄を求めていたと言う記録もあるらしいが、真実かどうかは定かでは無い。 

 一般的には、変化の術の様な怪しい術を操り、千もの姿を持つと言われている。

 その姿は、しばしばジャガーの様な獣として描かれ、その姿をして山の心臓という意味を持つテペヨリョトリとも言われている。


『何でそんな事知ってるんですか? どう考えたって、一般的な知識じゃないんですけれど』

 え? 俺にとっては当たりまえの知識だぞ?

『いやいや、どう考えてもこんなマニアックな知識、カルトな野郎だと思われますよ? しかもやたらと詳しいし』

 え~…それはそのぉ…愛読書が、月刊オカルト情報誌ム〇でして…宗教と神、超能力に超科学、UMAに怪奇現象、超古代文明とオーパーツ、宇宙にUFOや異星人と、オカルト情報なら何でも揃ってる雑誌だったもんで…

『そう言えば、大河さんはム〇民でしたね…』

 その言い方! 

『薄暗い部屋で独りでそんなカルト雑誌を熟読してるなんて…』

 うっせー! 俺は、カルトな世界の痛い奴じゃないからな! 本当だからな!


 いや話を戻そう。

 そんなメジャーな神が地球を離れていいのか?

『どうでしょう? そもそも大河さんの生きていた現代地球では、そもそもアステカ神話の世界って、廃れてません?』

 マヤとかに住んでないから、廃れてるかどうかは何とも言えないが、確かに日本じゃ名前も滅多に聞かないな。

『ですよね。人心が離れて信仰心が神から離れれば、必然的に神もその土地から離れます』

 って事は、もうマヤには神は居ないとか?

『最近は、地球のほとんどの地域で神は姿を消してますよ?』

 いやいや、キリ〇ト教とかイ〇ラム教とか、まだまだ世界的な宗教あるじゃん!

『そうは言いますが…ほとんどの宗教は形骸化してますし、土着の文化と融合してしまって、元の形を保てなくなった宗教もありますからね。そもそも、神が降臨しないため、多くの宗教では神官とか司祭とかシャーマンとかが尊敬の対象で合って、神はすでに名ばかりだったりもしますから』

 …言われてみれば、確かに思い当たる節も無きにしも非ず…

『例えば、大河さんの家の近所の大きな神社に、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命を祀った神社があったのですが…』

 まてまてまて! そんな名前知らんぞ?

『かつかちはやびあめのおしほみみのみこと…ですよ? 天照大御神の御長男です』

 だから知らんって!

『ほら、あの近所の山の麓にあった神社です。受験の時とか、お参りに行ってたじゃないですか』

 何でそれをお前が知ってるんだよ…いや、確かにそんな神社あったな。

『そう、お参りしてたのに、そこに宿る神を知らない…ただ神様にお祈りするために神社に行く…信仰心など無く、単に願い事をしに行くわけです。人は何かに付けてそうです。たとえ世界三大宗教と言われる物でも、そうです。つまり形骸化ですね』

 なるほど…そう言われてみれば、そうかもしれない。

『だったら、神様がそこに居なくたって問題ないでしょう?』

 まあ、そうかもしれない…

『ですが、そもそも神という存在は、非常に大きな力や特殊な力、大きなエネルギーを持っていますので、全次元全世界の神に関しては、我々で逐一監視しているのです』

 でもさ、どうやって監視してるんだ?

『簡単ですよ? たまに旅行と称した出張で、現地に派遣している局員が会いに行ってます』

 会いに…? え、会えるの!?

『ええ、我々には見えますから』

 あ、そうなんだ…見えるのね…

『安心してください。この世界に、本物の神は居ませんから。管理している神は、そもそも管理局員ですし』

 あ、うん、そう言ってたね…。

 そっかぁ神様と会えるんだ…俺も会いたいなあ…

『会いたいんですか?』

 会ってぶん殴りたい。

『……神に何か恨みでも?』

 いや、恨み持ってる奴て、結構いると思うぞ?

 いじめ問題だとか詐欺だとか社畜ブラック企業だとか貧富の差だとか戦争だとか、とかく文句を言いたい奴は多いだろう。

『良い事があっても悪い事があっても、神のせいなんですね』

 ま、神なんてその程度にしか、日本では信じられてなかったもんな。

『さすが、信仰心が薄い日本ですね…』

 まあね。


 おっと、またまた話が本線から脱線しまくった!

 サラの情報があまりにも強烈だったから、本題忘れてたよ。

『本題って、何ですか?』

 この際だから、またもや創造しちゃおうかと。

『どの際がこの際か分かりませんが…どんな装備を?』

 良くぞ聞いてくれました! 

 なんと、父さんと母さんの装備だ!

『え~~~っと…今さらですか?』

 そうだ、今さらだ!


*新作始めました。


断罪の刃  闇を照らす陽の如く

https://kakuyomu.jp/works/16816927861644288297

 良かったら、読んでみてください。

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