第619話 高性能バトルスーツ誕生!
ホワイト・オルター号に設置してある、秘密の(すでにバレバレだが)通路と言う名の柱の中に有る梯子を、えっちらおっちら上って到着したのは、飛行船本体のほとんどを占める巨大なカーゴスペース。
ここならどんな物でも創造できちゃうぞ!
遠くで居眠りをしていた、ブレンダーとクイーンが、何事? と寄って来たが、相手をしてくれないとわかると、俺のすぐそばで居眠りを始めた。
自由だな、こいつら…。
『それで、大河さんのイメージ通りに申請もしましたし、許可も得ましたが…コレ、いいんですか?』
ガチャ玉創造は、思ったよりも簡単だった。
だって、実はこの機体が一番好きだったんだよなぁ。
『いや、あんた正気か!?』
愛・おぼえて…の時の、ミ〇ア639と天才マ〇クスの一騎打ちなんて、格好良かったもんなぁ。
『お~い! 聞いてますか~?』
あれは赤と青だったけど、紅白も良いじゃないか!
太陽神達の巫女服をイメージした色遣いだけど、なかなか気に入った!
『オイコラ、オッサン!』
誰がおっさんか!
『聞こえてんじゃねーか! 無視すんなや!』
聞こえてたよ、何だよ、うるせーなー!
『これは、どっからどうみてもパワードスーツでしょうが! しかもマ〇ロスのクァ〇ラン・ローだよ!』
何を失礼な事を! この有機的なラインは全く別物だ!
『単なるパチモンだわ! どっかのプラモ会社のデザインしたパチモン・メカだよ!』
ふっ…どこにそんな証拠が? これは、トール君のオリジナルです。
『あんた、最低やな…ってか、この世界に地球の技術云々言ってたの、あんたじゃねーか!』
あ、これはメルト〇ンディの技術というアニメの設定なんで、地球の技術じゃありませ~ん!
だから、せーーーーふ!
『やっぱク〇ドラン・ローじゃねーか! パワードスーツじゃねーか!』
あ、高性能バトルスーツね。そこは間違えないで欲しいな。
『大して変わらんわ!』
まったく、小うるさい奴だ。
そもそも、こいつは量産機だから、父さん達にあげるんじゃないぞ?
『へ? そう言えば、申請の時に、変な設定が混ざってた様な…』
俺の許可が無かったら動かないし、俺が呼べば自動で戻って来るからな。
あくまでも、緊急時にだけ貸し出す予定だ。
『はあ…もういいです。んで? 何機創るつもりですか?』
ん~取りあえず、4機だけ。
それ以上作ったら、置き場所に困るから。
『まあ、そう言われたらそうですね…んで、どこにしまっときますか?』
太陽神と月神を格納してる、飛行船本体の先っぽの中かな?
ミサイルとか積む予定で、色々とギミックは最初に考えてたんだよな…あそこに入れてたら大丈夫だろ。
『ミサイル!? あんた、無茶苦茶やな…』
確かミサイル補充用のクレーン・アームを出す事が出来るから、それで出し入れも大丈夫だし…
『こいつ、また聞いちゃいねえ!』
ブレンダーとクイーンには、やっぱこの戦いが終わるまでは留守番してもらうしかないかなぁ。
実に美しいフォルムだ!(自画自賛)
それの全高は、およそ成人男性の2.5倍ほど。
正面から見れば、それを構成する主なパーツとなるボディーは、まるでグリズリーの頭骨の様な姿をしている。
グリズリーの頭骨の鼻先を下にした様子を想像して欲しい。
最も細くなっている顎の部分が、それの股となる。
そこから滑らかな曲線を描きながら、左右に立ち上がるラインは、上に行くほどに広がりと丸みを帯びていき、最も幅の広くなった部分が肩にあたる。
股部分から伸びる脚部は、大腿部は細いのだが、膝から下は裾が広がる様な形状の装甲に覆われている。
同様に、肩部から伸びる椀部は、やはり二の腕に当たる部分は細く一見すると頼りなくも見えるが、肘から先は強固な装甲が覆っている為、若干太くなっている。
肩部とほぼ同じ高さに頭部があり、胸部と頭部が一体化した様にも見える。
ちょっとしたおしゃれとして、頭頂部から背後へと流れるようなポニーテール状の飾りがついている…意味は無いけど。
ボディーと比較すると若干小さくもあるが、西洋風のヘルムにも似た頭部は、多くのセンサーやカメラが詰め込まれており、主に前方の視界用である。
側部、後部、下部、上部を見る為のカメラは、ボディー各所に設けられており、超小型カメラが埋め込まれているので、コックピットではほぼ全周をストレスなく見る事が出来る。
背後には、二対の鋼の翼を備えているが、これはユリアちゃんの翼と同じく飛ぶための物では無い。
もちろん、飛ぶことは出来るが、飛行には使用しないという意味だ。
コルネちゃんの装備の翼は、刃物やゼンマイの様な物などで組み合わされた、パンクっぽいスタイルの翼だが、こいつの翼は素材こそ金属だが、優雅なシルエットをしている。
羽は主に攻撃に使用するものであり、羽そのものが自動追尾式のミサイルならぬ空飛ぶナイフといった感じの武器で、撃ち出した後から後から大気中の魔素を吸収し作成をし続ける為、ほぼ無制限に使用できる。
また、翼を閉じれば強固な盾にもなり、防御に使用する事も可能だ。
二機は色違いではあるが、同じように明るいメタリックな赤色と、パールの様な輝く白に塗り分けられた機体は、量産機らしく全く同じだ。
主な武器は、巨大な剣か、斧槍を選択できる。
剣は、バスターソードと呼ばれる両手剣の2倍以上にもなる大きさで、切れ味はもちろんだが、バトルスーツの有り余るパワーで振り回せば、並みいる敵を吹き飛ばしてもなお曲がる事のない強度を誇る。
斧槍は、ハルバードとも言われる斧の一種で、槍の先に斧が一体化した物だ。
しかしその長さと大きさは、人の揮うそれの数倍はあり、重量もとてもではないが生身の人が持てる物では無い。
斧部は途轍もなく巨大にして厚く、それでいて非常に鋭く切れ味も良い。
前述の剣と同様の扱いも、当然だが可能だ。
まあ…父さんと母さんをイメージしたら、こんな武器になっちゃったのだが…。
どちらの武器を選択するのも自由だし、今後追加の武装も作るかもしれない。
『グリズリーの頭骨なんて、見たことありませんよ!』
ggrks!
『あんた、実は説明する気ないだろ!?』
分かりにくいなら、カミキリムシの顔かな?
『余計分かりにくいわ!』
グチグチと文句の多い奴だなぁ。
『はぁ…もう文句は言いませんけれど…本当にいいんですか、コレ』
うん、格好いい!
『そうじゃ無くて、こんな物を創っても良いんですかって事ですよ…国のお偉いさんがこれをみたら、どんな反応するか…』
あ、俺が呼んだら戻ってくる設定だから、俺の許可なくして誰にも使えんよ?
『まあ、それはそうですけど…もう、大河さんがこの大陸も支配したらいいんじゃないですか?』
いやいやいや! ダンジョン大陸をまとめ上げなきゃならんのに、んな面倒な事してる暇ないわ!
『そですか…面倒なんですね…』
いや、コレ…父さんと母さんだけに乗らすの勿体ないなあ…俺もちょっと乗りたいぞ?
『乗れば良いじゃないですか。あんたが創ったんだし…どうせ嫁達だけでなく、ユズキとユズカも乗りたがりますよ? あ、コルネちゃんとユリアちゃんも乗りたがるか…』
そう? やっぱ妹達も乗りたがるかな? そっかあ~乗りたがるか~!
んじゃ、2人が添い寝してくれたら乗せてあげようかなあ。
『…旦那様と奥様にも、そう伝えときますよ』
や、やめてーーーーーー!
『お2人とも添い寝してくださいね』
いーーやーーだーー!
*新作始めました。
断罪の刃 闇を照らす陽の如く
https://kakuyomu.jp/works/16816927861644288297
良かったら、読んでみてください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます