第456話  新・火御華ちゃん誕生!? 

「何にしよう?」

 どてっ! っと2人がズッコケたのは、お約束。

 本当にどんな能力を付与したらいいだろうか? あ、そだ! いっそうの事、変身を前提にしたらいいんじゃね?

 いつまでも、「メキメキニ~、ヌダラダラ~」なんて口癖を言わせるのもどうかと思うし。

 この世界で生きて行くんだから、そこら辺は変えてもらうとして、あの銅鐸は変身アイテムにしちゃえばいいじゃん!

 おお、そうと決まればアイデアが浮かんできたーー!

「銅鐸に関しては決めました! 異論は聞きますが、異存は認めません!」

 意味不明な宣言だが、それはそれとして。

 では創るとしますか!


「リリアさん、火御華の精神体? を移す準備は?」

「準備は出来ております。火御華を、一度深く眠らせて、肉体と精神を切り離す必要がありますが、管理局の超高速演算装置が使用できるのであれば問題ありません。精神体に多少のアレンジを加える事も可能ですよ」

 んん? 聞き捨てならない言葉が…

「あのぉ、リリアさん。そのアレンジで、サラの精神を変える事は出来無かったの」

「不可能です。なぜならサラの場合は精神体では無く、管理局に保管されている本体から切り離しただけの精神体だからです。もしもサラを一から構成する、もしくは魂のエネルギーを本体としない肉体を持つ生物であれば可能でしたが。まあ、どっちにしてもサラの精神を弄るのはお勧めしません。やるなら肉体を持ったサラを弄り倒す事をお勧めします」

「何て事を言うんだ、このド変態がーー!」

 まあ、リリアさんの分かった様な分からない様な説明と、サラの絶叫は放っておいて。

「ならば、火御華の過去の記憶を消す事は可能? あと、俺とコルネちゃんの妹って事に出来る?」

「その程度でしたら可能です。過去の記憶も完璧に消せますが…長期、短期記憶の一部と、固定化された記憶の一部に手を入れます。また刷り込みも並行して用いますので、記憶操作は完璧です」

 言ってる意味の半分も理解できないけど、まあ任せて大丈夫そうだ。

「あ!」

「え、リリアさん、どうした?」

 もしかして何か見落としが!?

「貴方をシスコンのロリコンだという情報は、刷り込むべきでしょうか?」

「そんな記憶は消去してしまえ! 絶対に刷り込むなよ! 記憶にも刷り込むなよ!」

 何を火御華に教え込むつもりなんだ! 俺はロリコンでは無い! シスコンは自信が無いが…

「はあ、そうですか。残念です」

 残念そうにすんな! そしてサラ、リリアさんにこっそり刷り込めとか、こしょこしょ耳打ちすんのは止めろ! 


「よし! では準備完了という事で、まずは真っ黒ガチャ玉を使用して、火御華のボディーを創るぞ! イメージはコルネちゃんの妹分だ。ただしこの世界に存在しない生物という事で、今回は人並みに学習し成長する妖精族とする。ただし、羽は無い!」

 では早速…俺が集中を始めると、サラが例の如くブツブツと念仏の様に例のセリフを唱えだした。

『願望内容確認。脳内イメージ確認。重要事象改変願望のため管理局規定により、この星のアカシャ年代記を参照…既存の概念・物理法則の照会、確認中。この星において存在しない概念・法則であり、且つ今後も自然発生や発見される事の無い概念・法則である事を確認。管理局長への承認申請、承認確認。世界改変に伴う必要エネルギー量算出、算出完了。必要エネルギー補充開始、完了。イメージ補完に伴う概念・思想・物理法則の改変開始、完了。輪廻転生管理システムのバグチェック開始、完了。ギフトカプセル内包物変換開始、完了。事象改変に伴う最終影響を確認、OK。カプセル開封を許可します』

 キター! 開けるぞ~! 開けるぞ~! ドキドキ… これ固いんだよなぁ…

 よっしゃ、いくぞ! かぽっ! どっかーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

 …うん、いつも通りだな。

 目の前を覆い尽くす真っ白な煙が晴れたそこには、コルネちゃんによく似た可愛い子供が横たわっていた。

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