第449話  危険生物認定された奴らは?

 保母さん型のスライムは、もの凄く優秀だった。

 保護した子供達は年齢層もそこそこ広く、2歳から収容されているのだが、傍に常に付き添い甲斐甲斐しく世話をする様子は、まるで専門知識と豊富な経験を持っている、保母さんであるかの様でびっくりだ。

 もちろんご老人に関しても、専門知識と豊富な経験をしっかりと持つ介護士さんの様だ。

 子供2千人、老人2千人の合計4千人を収容する施設は実に広大ではあるが、それでも東京ドームほどの広さで事足りる。

 保護した人数の数倍にもなる、保母スライムと介護士スライムが、その施設の中を忙しそうに動き回ってるのをモニターで確認したが、まあ…この施設は、当面このままで大丈夫そうだな。

 

 さてさて、保護対象にはならなかったが、他の転移者達はっと…何とか自力でセフティーゾーンにたどり着けたのがチラホラ。

 まあ、まだダンジョン大陸での生活のチュートリアル中だから強い魔物も出ないし、目指すはこの大陸に100基もある天高く聳える塔だから、そんなに迷う事も無いだろうしな。

 ちょっと離れた所に転移させられちゃった人は可哀想だが、頑張って歩いて欲しい。

 ちゃんと初心者セットを手にして、ダンジョン攻略の手引書を呼んだ所からが、本当のダンジョン生活のスタートだからな。


 んで、危険生物認定された奴らはっと…フォッフォッフォって言ってた、バ〇タン星人っぽい奴がなぜかスキップしてるけど、何やってんだ? おぉ? 他の転移者と合流したのか? って、あれはまさかメト〇ン星人か!? あのウルト〇セブンとちゃぶ台挟んであぐらかきながら話し合った、世にも珍しい敵じゃね? 最後は爆散したけど…いや、もの凄く丁寧に挨拶してるけど、本当に危険なのか? あ、メ〇ロン星人がタバコ勧めてるてる…まさか、あの有名な赤い結晶入りなのか? バル〇ン星人危うし!

 ちょっと何話してるのか聞いてみるか…えっと、ボリュームは…あ、これなのね、もふりんありがとう。

 もふりんが手渡してくれたリモコンっぽい装置で、2人の映ってるモニターの音量を上げてみる。

 ここにあるモニターは基本的に、ボリュームOffになってるそうだ。

「おや、タバコは吸わないと? では、缶ジュースなどは如何ですか?」

 お、タバコは拒否したか…ってか、あの口だと吸えないわな。

「ふぉ!? これはご丁寧に、是非ともいただきましょう」

 何の疑いも無く受け取るバルタ〇。

「どうぞどうぞ。私は暴力は嫌いなので、仲良くして頂きたいものですな」

 ものすごく嘘くせえ!

「ホアーッ! し、痺れる…こ、これはまさかマ〇ダリン草入りか…卑怯な!」

 うわ! そんな話もあったな!

「卑怯もラッキョウもあるものか! 死傷は神罰があるそうだが、麻痺なら問題ないだろう。魔物の餌となるがいい!」

 ラッキョウって…

「勝負は…まだ一回…の表だ…これでも…くらえ!」

 そう言って、両手のハサミから赤色〇結光線を発射! あの相手を仮死状態にする光線か?

「ぐ…待て、待つんだ! 宇宙人同士が戦ってもしようがない! 私が欲しいのはこの星の心だったのだ…」

 待て、ちょっと待て!

「べらんめーい! 先に仕掛けて言う事がそれかい! 手前の目的なんざ、お釈迦様でもご存知あるめえ!」

 待て待て待て! 

 お前ら、色々と混ざってないか? 確かに色んなウル〇ラ作品に出まくってるお前らだけど、ちょっと待て!

「一旦、休戦としますか。どうぞ、これ解毒薬です」

「ふぉっふぉっふぉ…了解した」

 もう、見なくていいや…


「大河さん、あれってバルタ〇星人とメ〇ロン星人ですよね? あの2人、何やってんですか?」

 ウロウロしてたサラが俺のそばにやって来て、モニターを見て首を傾げた。

「俺が聞きたいわ! あいつら、きっと何度倒してもやって来るから、塵も残さずこの世から消し去らなければ」

 スペ〇ウム光線とか出せないかな…

「今回の恐怖の大王より、面倒くさいのが来ましたね…」

「本当にな…」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る