第405話 戦い終えて…
朝日が眩しいぜ…俺は良く戦ったと思う。
窓かから望む新大陸は、一面緑の大地となっていた。
樹々の間から、大きく蛇行しながら流れる河川らしき物も見える。
地球で言う、アマゾンの密林地帯をイメージしただけの事はある。
窓を開けて外の空気を室内に。
上空なのではっきりとはしないが、ほのかに森林地帯特有である、あの蒸れた様な饐えた様な、何とも表現しがたい匂いが漂っているのがわかる。
振り返ると…俺のベッドの上は、乱れに乱れた女性と男性の汗とかその他の色々な何かが入り混じった、すごい匂いが室内に充満しているのだが…幸せそうに寝ている嫁~ずのためにも、ここは換気しておこう…うん。
シーツとかを洗濯に出す時に、ドワーフメイド衆に何を言われるか…あとでこっそり洗っておくか…
ホワイト・オルター号の俺と嫁達の部屋は、シャワーに洗面台にトイレと、ほぼワンルーム並みの設備が整っている。
俺の部屋に関しては、改装計画の段階で嫁達から多くの意見が出された。
伯爵であり神の使徒である俺が、嫁達と同じ部屋の広さで良いわけが無いと、実に3部屋ぶち抜きぐらいの大きさにする様に、ものすごく強く言われ、なぜか多数決までとられて採決されてしまった。
仕方なくその通りに改装した分けなんだが…その結果がこれである。
嫁達が目を覚ます前に、ささっとシャワーへと駆け込む。
あの女性の甘い果実の様な香りは、嫌いでは無いのだが…この夜戦の匂いは、サラやリリアさんだけでなくユズユズもすぐに気付くぐらいに強烈なので、ここは念入りに石鹸で。
さっぱりしたところで、すぴすぴと満足そうに寝息を立てて寝ている嫁~ずを起こします。
「朝だぞ~。そろそろ起きなさいよ~」
俺の声に反応したのか、うっすらと目を開ける嫁~ず。
「ほら、朝食前にシャワー浴びなさいって。色々と凄い事になってるから」
うん、いわゆるカピカピになってるからね。
嫁~ずは、まだ覚醒してないのかぼんやりとした顔をしていたが、俺の言葉に従ってシャワールームへとノタノタと歩いていった。
分るだろ? 俺がどれほど根性出して昨晩は頑張ったか! 分ってくれるだろ? いや、分ってよ!
ハーレム状態で嬉しいだろうとか思われてるかもしれないけど、マジで大変なんだから!
平等に愛さなきゃいけないってのは頭では理解出来てるし、俺はそう思って相手してるつもりだけど、相手がそう思ってなかったら意味は無いんだよ! だから言われるままに頑張ったんだよ!
最近は、俺の弱い所とか攻め方とか覚えた嫁達が、集中して攻めてくるもんだから、防御が大変なんだよ!
『攻撃は最大の防御ですよ』
攻めたら喜ばれるんだよ! どうしたらいいってんだよ、教えてくれサラ!
『ニンニク食べたらどうですか?』
おふ…それは臭くて別の意味で勝てそうだ。
『その匂いに負けずに突撃されたら、ニンニクパワーで迎え撃つのです!』
結局、戦闘は避けられないのか…
『では、私から1つご提案が』
おお、リリアさん! 是非とも一手ご教授を!
『まず、荒縄を用意いたしまして…』
そっちは却下だ! その趣味は色々と危険だ!
『では貴方様が縛られるという…』
却下! 拒否! 断固拒絶! あんたは、俺に何させようとしてんだよ!
『新世界への扉を開いていただこうかと』
行かないよ、そんな危険な世界には!
この2人の話なんて聞くんじゃなかった…
『でもでも大河さん、そろそろ激しい夜戦も一旦落ち着くかもしれませんよ?』
何で?
『これだけ毎晩頑張ってたら、そろそろ妊娠する奥様が1人や2人出てもおかしくないでしょ~?』
あ、そりゃそうか…妊娠初期にそう言った事をしちゃ駄目だしな。
『まあ、残りの奥様の攻撃はさらに激しくなるでしょうけど』
……そこは目をつぶろう。そうか、妊娠かあ。
この世界でも、俺は父親になるのかあ…
『まだ誰も妊娠の兆候は見えませんけどね』
……もう少しだけ頑張ろう…
*二瓶正也さんのご冥福をお祈り申し上げます…イデ隊員の事は忘れません。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます