第361話 1月1日
1月1日の晩餐は、とても賑やかなものになった。
父さんの王都の屋敷はかなりの大きなので、10人や20人増えたところで問題ない。
食堂だってコンサートが出来そうな広さのから、家族がこじんまりと集まれる大きさのものまで4つもあるし、部屋だってものすごい数がある…具体的には部屋数は100だ。
ミレーラは、久々に会えたご両親と今夜は一緒に寝るそうだ。微笑ましい。
ちなみに、お父さんはヴォード=マレス男爵(最近、昇爵したらしい)と奥様のメーベルさん。
家族の仲が良いのは良い事だ。
便乗してやってきたベダム首長一行は、面倒なので早々に王城に放りこんでおいた。
イネスのご両親は王都住まいなので、本日は挨拶と晩餐だけ。
ちなみにお父さんがバート・マリオン騎士爵で、奥様がアルカさん。
うん…多分、覚えれたと思う。ちょっと影が薄い人なんで、自信は無いが。
マチルダのご両親…お母さんは、俺の母さんのお姉さん。
今晩は、姉妹仲良くお茶をして過ごす様だ。
従姉弟達は、マチルダさんお話しするみたいだ。こっちも仲良くて嬉しいね。
親族の仲が悪いのは、色々と問題あるからなあ。
ミルシェのご両親、グラルさんとセリスさんは、まあ…俺が子供の頃から知ってる。
なんといったって、父さんの屋敷の使用人だからな。
父さんの領地の屋敷も、改築や建て直しを繰り返した結果、かなり大きくなってはいるのだが、この王都の屋敷にはかなわない。あまりの屋敷の大きさに、ちょっと引いてる。
しかも、グラルさんの職業は農業、セリスさんはメイドさんなのだが、今回この屋敷に来たとたんに、新伯爵の嫁のご両親って事で、下にも置かない貴賓扱い。
がっしりした体型のお二人なのに、恐縮しちゃって小さくなってるのを、ミルシェが笑いながら相手していた。
さて、当然だがメリルのご両親は国王陛下夫妻。
年明け早々にお城を抜け出すわけにもいかず、お城にいるはずだ。
婚約者~ずが家族たちとわいわい賑やかなのを見て、寂しい思いをしているかも…と思ったが、コルネちゃんと、ナディアと天鬼族3人娘と、何やら隅っこでお茶をしながら笑ってる。
何を話しているのか分からないけど、寂しくないのなら良かったよ。
『新作が発売に…』『王子様と騎士の恋が…』『無理やり押さえ付けて…』などなどの、恐ろしい話がたまに漏れ聞こえて来るのだが…聞かなかった事にしよう…藪蛇はごめんだ。
そして本日まで親族送迎で頑張ってくれた、ユズキとユズカ夫婦、サラとリリアさんには、特別報酬としてお年玉を渡して、結婚式前日までお休みをあげた。
ユズユズ夫妻は、王都に住む恩人である食堂のご夫婦を訪ねるらしい。
まあ、ゆっくりと羽を伸ばして夫婦水入らずで楽しんでくれればいい。
結婚してまだ1年なんだから、普段はなかなか出来ないかもしれないが、ラブラブデートでもしてくれたらいいな。
2人の子供も早く見たいから、そろそろ頑張って貰いたいところだ。
ちなみに警護に妖精を2名ほど付けてある。
変身セットがあるから、よほど不意を突かれない限りは大丈夫だとは思うが、念のため。
サラとリリアさんは…どこで聞きつけたのか、王都にある秘宝館に行くとか。
そんなもんあるのか? 前世では、鄙びた温泉街の隅っこにひっそりとあったもんだが。
黴臭い店内には、色々な大人の玩具が並んでたんで、社員旅行の時に冷かしで入った記憶はあるけど…王都にあるとは…
まあ、お年玉を何に使ってもいいけど、無駄遣いはしないで欲しいものだ。
警護はどうしようか迷ったが、一応こっちにも妖精さんを6名つけておいた。
あとは、今日の精霊さんにも同行してもらっている。
…なぜか江戸時代の同心みたいな衣装に身を包んでいるが。
いや、衣装なのか身体の一部なのか知らないけど…十手を帯に差して、ちょん髷のズラを被ってるけど…どこでその知識を仕入れたのか、全くの謎だ。
結界が使えるサラには不要だと思うだろう? 俺が心配してるのは、サラがショタを、リリアさんが美少女を襲わないかって事。
もしもの時は、2人を拘束してくれる様に、精霊さんにもお願いしておいた。
だから同心の格好なんだろうけど…この世界だと、アメリカのポリスっぽい方が合ってるんじゃないだろうか?
もしかして、精霊さんの渾身のネタなのか? そうだとしたらツッコんであげたいのだが、本気なのかいまいちわからん。
まあ、好きにさせよう…サラとリリアさんも妖精さんも精霊さんも。
そんな感じで新年最初の夜は更けて行った。
さあ、明日からはイベントが目白押し。
まずは、年に1回の議会開催だ!
さっさと寝よう! …どうせ議会でもずっと居眠りしてるけど…
いやいや、初夢は良いのを見たいのだ! おやすみ~!
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