第297話 え? え? え?
この娘は、間違いなく我が家の天敵だ。
そう、 コルネちゃんは天真爛漫な天然キャラだが、この娘は天然なんかじゃない、計算尽く又は計算が出来ない不思議ちゃんだ!
空気を読む事なんて一切しない言動は、我が家にいなかったキャラだ。
ちょっと面白いと思った俺は不謹慎なんだろうか?
我が家のお邪魔虫であるサラとなら交換しても良いと思えるぐらい、面白い!
『誰がお邪魔虫ですか!』
んじゃ、役立たずで。
『役にたってまーーーすーーー!』
そうか? 最近、影薄いぞ?
『がーーーーーん!』
ま、居ても居なくても大勢に影響のないサラは放っといてっと。
『ぷりーず! ぎぶ みー 出番!』
いや、無いから、マジで。
『うわーーーーーーーーーん!!』
んじゃ今度こそ放っといてっと。
『マスター、この娘は危険です』
ああ、ナディアもそう思うか?
『ええ。最初、マスターの周囲の女性に奥さまと言って、反応を見てました』
お、おお…
『そして反応が初心だったのと、婚約者達が自ら婚約者と言ったのを聞き逃さず、すかさず次の発言で、自分が婚約者になったらと言葉を変えてます』
そうかなあ…そこまで考えてるだろうか…
『きっとそうです! ですからここは1つ、マスターには婚約者様達だけでなく、我々妖精も居るのだと主張してきます!』
やめなさい!
今にも全力でポリンを攻撃しそうな怒り心頭の婚約者~ずを宥めるには、どうしたらいいかねえ…
「え~ポリンさん?」
「はい、旦那様!」
あ、この娘…マジで空気読んでないな…また室温が1度上がったぞ?
「いや、旦那じゃないから。俺の話を聞いてくれるかな?」
「はい、旦那様!」
マジで俺は婚約者~ずが暴挙に出ても、止める事が出来そうにない…室温の上昇が止まらないぞ…コレ、本当に計算かなあ…計算できないだけな気が…
「え~っと、もうはっきり言うけど、俺は君と結婚しないよ?」
「旦那様、ご自分の心に嘘をついてはいけません!」
何をこの娘は言いだすんだ!?
「旦那様は、あの子に特別な感情を持ってます!」
どの子?
「え~っと…あ、あの子です!」
ポリンが指さした先には、愛しのコルネちゃんが…って、コルネちゃんの事かよ!
「大好きなはずです!」
「え、まあ…妹だし、大切には思ってるけど…」
「つまりは、若い子が好きなのです!」
「ば、おま、何を言ってるんだ!?」
それではまるで俺がロリコンみたいじゃないか! 俺はシスコンだが、ロリコンでは無いぞ!
『大河さん…』『マスター…』
ロリコン疑惑は、死活問題だ! たーいほされるだろーが! 社会的信用を失う事になるんだぞ!
「馬鹿な事を言うな、コルネちゃんは大好きだが、それとコレは別問題だ!」
「大丈夫です! 私は妹でもないし、奥様方より若いですから! ぴちぴちですから! 私に比べたら、みんなおばちゃんです!」
あ、この馬鹿! 女性に年齢の話は禁句なんだぞ! 特に婚約者~ずには、すでに20代の2人が! しかも、よりにもよっておばちゃんとか…その言葉は…
「ほ~良い度胸だ!」「なるほど、若さを前面に出してきましたか…」
ほら、イネスとマチルダは微妙なお年頃なんだから…そして…
「トールちゃん、ちょっとこの小娘を借りてもいいかしら? お母さんね、この小娘と色々とお話が必要だと思うの」
室温が一気に氷点下まで下がりました…ラスボス降臨! マジで怖いです。
父さんなんか、直立不動だぞ? あ、白目剥いてる…まさか、気絶したのか? あの父さんが!?
「お母さまとお話ですか? はい、おじいちゃんから、お婿さんのご両親にはきちんと挨拶しなさいって言われました!」
マジで空気読んでくれーーーーーーー!!
「ふっふっふっふ…そうね、お話をしなければね。イネス、マチルダ」
「「あいあい まむ!!」」
ビシッと2人も直立不動で返事。
変身しててもわかるぞ! めっちゃ汗ダラダラだろ、2人共!
「その小娘を連行しなさい、私の部屋まで」
「「いえす まむ!!」」
2人共、返事がおかしいからね? 母さんは、鬼軍曹じゃないからね?
『いえ、たまにマスターも…』
ナディアは、黙らっしゃい!
「母さん…一応、一般人なのでお手柔らかに…」
何をしても壊れない我が家の面々では無いんだから…本気の母さんのお話しだと、その娘きっと壊れるよ?
「あら、トールちゃんも一緒にお話ししたいのかしら?」
「何でもございません! お母さまの思うがままお話しください!」
『マスター…』
母さんに逆らうなんて、俺には出来ない…まだ命は大事なんだ…
「え? え? え?」
イネスとマチルダは戸惑うポリンの両腕をガッチリとホールドし、引きずりながら母さんの後ろをついて行った。
きっと母さんの部屋で恐ろしいO・HA・NA・SIがこれから行われるのだろう。
ポリンの健闘を祈ろう…俺にはそれしか出来ない。
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