第248話  あらためてブリーフィング

「さて、あらためて決戦の日です。ここで恐怖の大王攻略の手順を確認したいと思います」

 皆が俺に注目したのを確認。


「まず、母さんとサラは、俺達が出撃したら上空にて待機となります」

 うん、ちゃんと母さんも納得した顔してるね。

「ホワイト・オルター号には強力な結界があるので、まず安全だと思うけど、ちょっと戦場からは離れててね。操縦はサラに任せる」

「う~っす…」

 めっちゃヤル気なさげだな…まあ、いいけど。

「次、父さんとコルネちゃんは、ナディアと共に行動してください。予定では戦ってもらう相手は、(仮称)ミニ恐怖の大王です」

「おう、任せとけ!」「は~い」「お任せください、マスター」

 うんうん、いいお返事だ。

「メリル、ミルシェ、ミレーラ、イネス、マチルダも同様に、チームで行動する事。相手は同じく、(仮称)ミニ恐怖の大王ね」

『はい!』

 ま、練習でも上手く連携できてたから、大丈夫でしょう。

「アーデ、アーム、アーフェンは、メリル達からあまり離れない様に注意しつつ、遊撃です」

『了解です!』

 ま、3人は問題なしっと。

「ユズキとユズカは、思いっきり自由に暴れ回ってください。もうお好きにどうぞ」

「子爵様…僕たちだけ扱いが雑じゃないですか?」「え~いいじゃん! 2人で狩りまくろうよ、あ・な・た」

 好きにしたらいいんじゃないでしょうか…ってか、戦場でいちゃつくなよ!? 

「そして俺は、ソロで恐怖の大王の本体を叩きます。ネス様から賜った、対恐怖の大王用の神具があるんでね」

 婚約者~ずが心配そうに見てるけど、大丈夫って。心配いらね~よ。


「それでこれが一番重要なんですが、(仮称)ミニ恐怖の大王も恐怖の大王も、まだ正体がはっきりと分かってません。これはネス様も同様です。なので、最初は偵察から入ります。ナディア、妖精さんは何人連れて来てる?」

「はい。あなた達、出てきなさい」

 ナディアの命令で姿を隠して護衛してくれてた妖精さんが、光学迷彩を解除して姿を現す。

 あ、その不○子ちゃ~んな革ツナギまた着てるけど、気に入ったの? いや、いいんだけど…ふむ、10人か。

「はい、では妖精さんは、全員結界をはりつつ姿を消して偵察任務に就いてもらいます。出来るのであれば、(仮称)ミニ恐怖の大王と恐怖の大王の姿形を確認してきてください。可能であれば、(仮称)ミニ恐怖の大王は捕獲してきて欲しい所ですが…まあ、曲がりなりにも恐怖の大王が生み出した手下か眷属。手ごわいでしょうから、無理はしないでください。情報を持ち帰るのが最優先です。命大事に行動しましょう」

 整列した妖精さんがシュタッと手を挙げてるので、まあ偵察は任せましょうかね。

 もちろん、精霊さんも一緒に偵察に行かせるつもりだから、多分大丈夫でしょう。

 なんたって、最強にして万能の精霊さん達だし。

 

「それでは、ここまでを踏まえて、偵察隊が戻って来るまで全員戦闘準備の上で待機。ホワイト・オルター号は結界を維持したまま微速前進します。いいですね?」

『はい!』

「ふぅ…では、各自準備をして待機してください。解散」


 ぞろぞろと皆が食堂を出て行くのを眺めながら、偵察隊の妖精達と精霊さんに指示を出します。

「精霊さん達は、それぞれ妖精達を守ってください。ついでに目標周辺の空気や土地、その他何でも構いませんので、何か異常があれば教えてください」

 うん、本日の精霊さんは迷彩柄の戦闘服ですか…可愛いんですけど、この砂漠地帯でそれはちょっと目立つ気が…。

 ウッドランド迷彩とデジタルフローラ迷彩とフレクター迷彩は絶対に違うと思うなあ。デザート迷彩は…まあ、間違っては無いかな? 

 でもね、鉱石の精霊さん…そのギリースーツだけは絶対に間違ってるからね。

 どうせ妖精さんの光学迷彩で姿は消える…っていうか、元々俺以外には姿形は見えてないはずだから、どんな格好でもいいんだけど…

「妖精さんは、精霊さんと絶対に離れない様に。光学迷彩は帰って来るまで切らさない様に注意。精霊さんは危険があれば、魔法をぶっ放していいからね?」

『りょーかいです、ますたー!』

 妖精さんは、いいお返事。精霊さんは、ビシッと敬礼。

 

 うんうん。これで準備は整ったけど…最終確認だけサラとしないとな。  

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