第212話  イメージは出来た!

 恐ろしい、げに恐ろしきは女の怨念…じゃなかった、女性との約束である(コレ実話)。いや、本当に怖い怖い…饅頭怖いの落語じゃないぞ? 

 ほんの軽い口約束…ってかリップサービスぐらいのつもりが、まるで契約書にサインしたみたいに有効なんだから、良い子のみんなは、女の子相手に迂闊に言葉にしたら絶対に駄目だぞ。

 

 婚約者~ずの口撃を華麗に躱して、何とか飛行船に詰め込んで、王都を出発。

 もう、色々と本来の目的以外の所で疲れたよ、今回の王都行きは。

 飛行船はオート・パイロットで一路我が家へ全速飛行。

 

 さて、約束は約束だから、とりまベッドで横になってじっくり考えるかね。

 その前に…部屋のカギは…OK! 室内に人影無し! ベッドの下にも誰も居ないっと…何か恐怖症になってるかも…


 んでは、まずは残ったガチャ玉だが…う~む、マーブル模様と黒い奴か…マーブル模様でいいか。

 真っ黒のガチャ玉は、高性能すぎて危険だ。

 それでどんな装備にするかなんだけど…個々にイメージするとちょっと大変だから、やっぱ戦隊物みたいにベースを決めて、部分的に変更するのがいいかな。

 そうすると、何を参考にするかってのが重要なんだけど…

 そもそも、王女がメンバーに居るんだから、間違っても怪我なんてさせちゃいけない。

 いや、メリルだけでなく、婚約者~ずの誰にも怪我なんてさせたくないんだから、積極的に戦闘に関わる様な装備は却下だよな。

 と言う事は、まずは防御力が最優先で、出来れば戦闘をサポート出来る装備が良い。

 でもミルシェとイネスは何か脳筋っぽいから、ただサポートしとけって言っても聞かないだろうしなぁ。

 もうはっちゃけて、合体ロボとか創るか? 

 いやいや、それは無いな…なら、パワード・スーツとかは?

 美少女とメカの融合は、ヲタクの大好物だ! 俺も好きだ! 

 ガン〇ムとかザ〇を鎧にして着こんだ美少女…いいねぇ!

 もうそれでいいんじゃね? ユズキ&ユズカとサラの呆れ顔が目に浮かぶが…

 う~~~~む…どうしたもんかねぇ…

 あっ! アレがあったじゃまいか!

 全身タイツは却下だけど、アレならこの世界でも通用しそうだ! 

 1人だけミニスカートも居たけど、それも却下だ! なぜに戦闘時にミニスカートなんだよっって突っ込み入れちゃったもんな…子供の頃。

 装備は全員共通にする! ミニスカートはダメだ! 衆人環視に婚約者のおパンツを晒せるか! 最低でもスパッツ履かせるわ! ってか、防御を考えたら素肌なんて晒せるか、ボケー! って、何を興奮してんだ…俺は…


 よし、イメージは出来た!

 モチーフは勇ましいより美しいって感じのイメージの方がいいかな。

 最強硬度を持ち最も美しいと言われる金剛石…ダイヤモンド。

 光の角度により様々な色合いを見せる金緑石…アレキサンドライト。

 キリスト教では司教に送ったとされる蒼玉…サファイア。

 最高級品はピジョンブラッドとも呼ばれる紅玉…ルビー。

 女神アルテミスの侍女の化身とも言われる紫水晶…アメシスト。

 クリアー、グリーン、ブルー、レッド、パープルの5色で綺麗に揃って、ばっちりじゃん!

 おっし、これならいけるぞ!

『結局、プリ〇ュアをベースにしたんですか?』

 ふっふっふ…それが違うのだ!

『でも、モチーフに共通点がそこはかとなく…』

 馬鹿者! これはトール君、オリジナルなのだ!

『はあ…そこまで言うなら、そういう事にしておいても良いですけれど…』

 そう、これはトール君のオリジナルだ! 

 決してパクリなどでは無い! オマージュなのだ!

『抗議の電話が殺到しなければいいですね…』

 そう、これはリスペクトなのだ!

『どっちでも同じです。消され無きゃいいですね、大河さん…世界の圧力に…』

 死なば 諸共!

『言葉の使い方が間違ってます! あんたの道連れはお断り!』

 ……言葉の誤用には注意しよう… 

 

 考えが煮詰まった時には、すでに夜も更けていた。

 明朝にはマイ・ドリームハウスに到着する予定だ。

 さっさと寝よう…帰宅したら、仕事も創作も待ったなしだからな。

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