第206話  俺のせいなのか?

 何か色々と予定が狂ってしまったが、昼食後に今後の予定に関しての打ち合わせ。


 まず、俺達は全員でホワイト・オルター号で王都まで飛ぶ。(昼食前に陛下には通信の呪法具で連絡済み)

 次に積み込んでいた豚男爵の書類関連を陛下と王都の官僚に丸投げする。

 陛下とクソ豚男爵に関しての処遇のお話し合い。

 処遇が決まったら、王都の偉いさんと兵士を積んで腐れ男爵領まで飛んで行く。

 そして成り行きを見終ったら、さっさとお家に帰る。

 以上!


 って、簡単に説明したんだが…誰も聞いちゃいねえ!

 エステやら温泉やらの話ばっかしてやがる…我が家の女衆は…まあ、いいんだけど…


「はいはい、みなさん。それではホワイト・オルター号で王都へ行きますよ~! 裏庭に集合~!」

 食堂から皆がぞろぞろと裏庭に移動。

 ぺちゃくちゃ喋りながらダラダラ移動してるけど、なんだか遠足を引率する教師の気持ちが分かった気がする。

 行動は迅速を旨とするのだ! 全員さっさと移動してくれ~い! 

 俺は面倒くさい事はさっさと終わらせたいんだよ…ついでにあの豚にもさっさと消えて欲しいんだよ!

 

 はあ、やっと集合かよ…何で裏庭出るのに10分も掛かるんだ? イライラMAXだぞ?

 んではホワイト・オルター号に乗り込んでください。

 さっさと乗って! 皆がだらけるから、感動的な飛行船の浮上シーンが見れなかっただろ~が!

 いや、それはどうでもいいけど…とにかく乗って乗って!

 何だかんだゴタつきましたが、何とか発進準備完了。


「この飛行船は、まもなく王都へ向けて発進いたします。これからしばらくの間は機体が揺れる事が予想されます。お席に着き、シートベルトをお締めくださいますよう、お願いいたします」

 確か離陸時の機内アナウンスってこうだったはず。違ったっけ? 

 だって前世でもほとんど飛行機なんて乗った事ないもんなあ…

 覚えているのは、ドジでノロマな亀で有名な堀○えみと風間○夫のスチューワーデスを目指す物語ぐらいだもんな…今はキャビンアテンダントだっけ?

 ま、あんなスチューワーデス本当にいたら嫌だけどさ。

 

 取りあえず、皆がちゃんと座ったのも確認出来たんで、いざ発進!

 もう今回は途中着陸しての宿泊は無し! 何故なら、すでに何度も王都へは飛行しているので、オートパイロットで行けるからなのだ! 俺も離着陸以外は、問題が起きない限り操縦席に座らんでも大丈夫ってなもんよ。

 巡行高度まで上昇の後、微速前進。前方の安全確認の後、原速。しかる後、最大戦速にて王都を目指せ!

 うん、海自の艦艇みたいでかっくいい! ちなみに両舷最大戦速ってな言い方は存在しません。たまにラノベとかで見るけど…どうでもいいか。

 

 さて道中は特に何にもありません。ええ、何もありませんよ?

 婚約者~ずが酒を飲み、サラと妖精達と共謀し、俺の部屋にまたもや突入してきて、

「お義母様がかまえって言ってましたでしょう!?」

 とか言いつつ、またもや俺の唇を凌辱しただけでなく、下着まで脱がそうとしたなんて事は…無かったと思いたい…

 もう抵抗する気力も無くなったよ…だって全員の血走った目が怖かったんだもん…

 羨ましいとか言ってる奴! 代わって欲しくば代わってやるぞ!  10人もの猛獣に襲われるのが如何に怖いか!

 パンツを下げられる事だけは必至で抵抗したが、危うくこんな空の上で散らすとこだった…DTを…


『大河さんってば、根がスケベなのにヘタレですよね~』

 うっさいわ、サラ!

『マスター…今度は是非、2人っきりでお願いします』

 見てみろ、サラ! ナディアまでお前色に染まってしまったじゃないか! あの清純可憐なナディアよ…カムバーーーーック!

『『酷い(です)!』』

 大事な物は結婚まで取っておくんだい!

『『…本当にヘタレ(です)…』』

 なぁ、本当に俺が悪いのか? 俺なのか? 俺のせいなのか?

『『………』』


 そんなドタバタもあったが、夜を徹して飛んだおかげで、翌日の昼前には王都の上空に到着しました。

 もうアレやコレは忘れて、やる事をやろう!

 王様、待っててね。お仕事た~~っぷり持って行くから!

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