第53話  次は領主邸だ!

 湖の水の浄化もなんとか目途がたった。

 やっぱり湖の水は、常に清らかじゃないとね。


「トールヴァルド様、それに関して良いお知らせと悪いお知らせがあります」

 ん? なんじゃらほい?

「良いお知らせは、あのネスによってこの湖はバクテリア1つ生存しない綺麗な水に浄化されていきますので、今後は飲料水として利用が出来るという事です」

 素晴らしい! これだけの貯水量があれば、何万人も暮らせる!

「悪いお知らせは、つまりは生物が棲息出来る環境では無いという事です」

 あ、しまった! 浄化機能が強力すぎて生物まで浄化するのか!

「少し違いますが、概ねその理解で合っています。この湖の水から一切の不浄が消え去り清浄になりすぎたため、聖水に近い物となっています」

 ふぁ! お前の下ネタじゃなくて、マジで聖なる水!?

「大マジです。聖なる水なのに生物が生息できない、矛盾する湖になっています。見た目には完全に死の海ですね。見てくださいこの透明度」

 死の海ってマジか!?

「水深約50mに入って行ったネスも、はっきりくっきり見えるほどです」

 えええええ!! まずくねーか、それ?

「この世界には、精霊の泉という聖水の泉がありますので、そのでっかい版と思えばおかしくもないです」

 ん~~~~~それでも危険だな。

 浄化能力を落とすってのは駄目か?

「浄化能力はエネルギー収支を考慮して固定されてますので、いまさら不可です」

「聖水って飲んでも大丈夫?」

「全く人体の健康状態等に影響はありません。むしろちょっとだけ病気や怪我が良くなったり、24時間働けたりするぐらいですね」

 リゲ〇ンかよ! って突っ込みはおいといて。

 わかった、んじゃここを聖地としよう!

 ちょっと考えてたのと違うけど、これも観光の目玉にするぞ!

 あ、って事は、泳げなくなるのか!

 泳いでる人も浄化されるもんな。……ビキニ……無念。

「いえ、ここで棲息・繁殖や増殖しない生物は浄化の対象外ですので、それは大丈夫です。棲み付き繁殖する事が出来ないというだけです」

「んじゃ、迷い込んだ魚とかも生きてはいけるって事?」

「ええ、ですが寿命が来れば跡形もなく浄化されます。餌となる小動物類、水生植物類、はてはバクテリアに動・植物性のプランクトンまで全てが浄化されてしまいますので、繁殖どころか棲息がそもそも不可能ですね。ただただ清らかな湖というだけですね」

 ふむ……。

「ってことは、あらゆる形で入り込んでこの湖に棲み付いた生物は、その一代限りしか生きれないと……」

「ええ。ですから常に新しい生物が入り込んでくれないと、本当に死の湖です」

 まあ、聖地にするならそれぐらいの方が神秘的ではあるかな。

 魚のためなら、湖と川の間に池でも作ればいいか。

 

 そういえばこの世界に宗教ってあるの?

 聞いた覚えも歴史書にも無かったけど。

「一応、太陽、月、を象徴し、崇拝・信奉する2大宗教があります。この2大宗教は他国に聖地と本殿を構えています。わがグーダイド王国に聖地を持ち本殿を置く宗教はありませんし、布教もされてません」

 ほっほ~! だから歴史書にも出てこなかったのか。

 む!? って事は、ダーグイド王国初の宗教を作ってもいいんじゃね?

 そして、ここネス湖を水の女神様を讃える宗教の聖地としてでっちあげる!

 後々は火・土・風の四大宗教も興せば、ここ聖地に拝礼者がぞろぞろと……うひひひひ。

「水の女神として宗教をでっちあげるのは問題ありませんが、教祖とかどうします?」

 む、そうか俺だと目立つなぁ……サラ教祖やるか?

「いやです!」

 まあ教祖なんていらなくね?

 ネスには人工知能積んでるから、定期的に女神が姿を見せて天啓を与えてくれる湖って事ならば、教会関係者も特には必要ないだろう。

 それに天啓の内容は、それっぽく曖昧な内容を喋ってれば大丈夫だろうし。

 うん、文言は後で考えてネスに伝えればいっか。 

 そんでエルフ・ドワーフ・人魚は、水の女神の加護で護られてるって言えば、シールドいけそうだな。

 よし、細かな計画の修正は必要だが、大きく変更はしなくても良さそうだ。 

 後で礼拝堂ってか鳥居みたいなの作ればよくね?安芸の宮島っぽいやつ。

 そんで定期的に鳥居の向こうにネスが浮上してお言葉を発する……いいね!

 

 でも聖地で風俗とギャンブルは、イメージ的にだめだなぁ。

 ちょっと離さないとまずいな……でも場所がなあ……また開拓か。

 

 まあいい、明日は聖地に相応しい俺の領主邸をガチャ玉で創ろう!

 って事で、本日の作業終了! おつかれっしたー!


 毎食ともパンと干し肉だけじゃ飽きたな……明日で大凡の工事は終わるから我慢だけど。

「さあ、トールヴァルド様。お体を清めましょう! 綺麗な聖水もある事ですし!」

 ……。

「余すとこなく隅から隅まで、それはもうじっくりと丹念に心と性欲を込めて清めて差し上げます。具体的にはマットプレイで!」

 …………。

「さあ! さあさあさあさあ!」

 両手をワキワキさせながら迫ってくるサラ……きしょ!

「ブレンダー、クイーン。俺が良いと言うまで、半径3m以内にサラを近づけさせるな! その為ならば、あらゆる手段を使ってよし!」

「殺生なぁぁぁ! 放置プレイですか! そうなんですねー! もう私の親密度は150%ですから落とせますよ!」

「地獄に落ちろ! ゆけクイーン、ケツにお見舞いしろ!」

「にぎゃーーーーーー! おしりに穴が増えたーーーー!!」

 サラの絶叫は、静かな湖畔に響き渡った。


 この締め方、最近多いな。


 ▲


 明けて作業3日目、とても爽やかな朝だ。

 テントの近くにズタボロになったサラが転がっていたが……まあスルーしよう。

 どれ、ちょっと元気になるという聖水でも飲んでみるか。

「わ、わたしの……せいすいも……おためし……くださ…………い(ガクッ!)」

 あ、サラやっぱ元気そうだから、ほっとこ。


 本日は、ガチャ玉を使った俺の領主邸の建造だな。


 俺の領主邸の外観はカ〇オストロを簡素化した物。

 だが中身は光子〇研究所そのものだ!

 これは自重なんてしないで創る!

 当然ながら、各種セキュリティーに始まり、エアコン、シャワー付き水洗トイレ、有名ホテル並みの厨房設備、エレベーター、その他思いつく限りの快適装備を完備。

 火災報知器にスプリンクラー、緊急シールド発生装置に自動迎撃装置付き。

 しかも全てを、自動修復&物資を常時製造補充するファクトリー付き。

 完全オートマチック化するためのエネルギーは半永久仕様!

 中央監視装置を置くコントロールルームは、俺しか入れない(サラならプロテクト破りそうだが……)。

 湖側には、水中から発進できる射出口もある。

 当然ながら地下格納庫も備えている。

 こうなれば当然、あれを格納したくなる!

 俺は涙〇流さない。ロボ〇トだから、マ〇ンだから~♪

 ……スクラ〇ブルダ〇シュ!

 巨乳の女神とセットは、グレートな魔神だろ! (意味不明なセットと思う?)

 なんたって剣もってるんだぜ! 雷魔法だぜ! 魔神の剣で魔剣だ! (納得だろ?)って、んなもん創る訳が無いけどな。

 大体何と戦うってんだ、相手がいねえよ!

 でも戦う相手がいたから創るかというと、それも微妙だ……。

 でもグレートな魔神をイメージすんなら科学要塞〇究所じゃねーのか!

 って突っ込みが入りそうだが、あれは海に潜ったりするんだよ。

 ちょっと家としてはどうなの? って感じだから却下した。

 

 まぁ、地下の秘密基地は、男のロマンってだけ。

 そんなギミックや設定が純真無垢だった少年の頃を思い起こさせるんだ。

「絶対に純真でも無垢でもなかったでしょう?」

 うるせーな!そんな時代もあったんだよ!

「純真無垢な少年達が、拾ったバリバリになったエロ本を集めます?」

 わーーーーわーーーーわーーー!

「みんなで集まってはぁはぁ興奮する場所。それが秘密基地でしょ?」

 あーーあーーあーー!き~~こ~~え~~ま~~せ~~ん~~!

 いいだろ! 秘密基地を何に使っても、俺の自由だ!

 それにな、今度の秘密基地は、もしもの時に住民が避難出来る様に地下シェルターとして使うんだよ!

 領主邸の外観は、この世界の建物に合わせて偽装する(キリッ!)

「エロガキがいまさら取り繕っても……」

 きーーーこーーーえーーーまーーーせーーーんーーー!!


 さあ! めっちゃ楽しくなってきたぞ~!

 俺の夢のマイホームを創っちゃうぞ~!

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