第2話 徹、第一の人生を終える
ボクの名前は
生まれつき体が弱かった。そして、高校生になって、重い病気に掛かったのだ。実質的に学校へは、始めの三ヶ月しか行っていない……。
ボクは長期の入院生活で、自然と暇を持て余す様になる。不憫に思った両親は、ボクの為にPCとネット環境を用意してくれた。
――そして、ボクは気が付くと、MMORPGにハマっていた。
そのゲームのタイトルは『ディスガルド戦記』。剣と魔法の世界であり、様々な種族が共存する世界である。そして、多くの国々が領地拡大を目指し、戦争を行っている世界でもある。
ゲームを開始すると、まずプレイヤーは所属する国を選択する。そして、自らのキャラクターと
ゲームの大きな目的は、自らの国を戦争で勝利させること。その為に、国家間の戦争イベントも、定期的に開催されていた。
しかし、戦争に参加するかどうかは、プレイヤーの自由である。人によっては生産職である、鍛冶屋や薬師になる者もいた。
『ディスガルド戦記』は、そういった戦闘を好まない人向けにも、豊富なイベントも用意されているのだ。
そんな中、ボクが選んだジョブは、
このジョブは、魔法使いに分類される。そして、特徴は死霊ユニットを、召喚複数体が可能なこと。
個々の死霊は弱いが、様々な
なお、ユニット召喚が可能なジョブには、
その特徴は、魔物等の召喚ユニットを呼び出しすこと。強力なユニットを召喚可能で、国家間の戦争よりは、高難易度のボス戦で重宝されるジョブである。
そう、ボクはこのゲームで、国家間の戦争にハマっていたのだ。大手のクランを運営し、戦争での勝利を目指し、常に戦い続けていた。
そして、ボクの所属する国は、戦争に勝ち続けた。一年間もの間、マッチング相手の国々に無敗を誇った。ボク達の国に当たったら、運が悪かったと皆が諦める程に、他とは実力差があった。
当然、ボクは
ゲームの中では仲間も多く、充実した時間を過ごせた。現実の自分は病気で、まったく動けない事も忘れる程に熱中した。
しかし、現実のボクは、ゲーム程に強く無かった。ゲームにハマって一年後。ボクの命は尽きてしまう……。
『ディスガルド戦記』の行く末を見届けられない。その事に未練を残しつつ、ボクは病院のベッドで息を引き取った。
――そして、ボクは『ディスガルド戦記』に良く似た世界で、第二の人生を開始する事となる。
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