用語解説(ネタバレのため、閲覧注意)

各章

用語解説_1章に相当

【物語関連】


≪世界再興物語≫

 星の滅亡から栄華に返り咲くまでの物語。世界各地に似通った内容で点在している。

 文献・絵画・壁画・石碑・石板・言い伝えなど、数多くの伝達手段で継承されている。

 全てを鵜呑うのみにしておらず、信じられている部分は信じている。今も存在する仮面にまつわる話については特に。

 全てを鵜呑うのみにしている者は少数派に属する。


【仮面関連】


≪仮面≫


[概略]

 ある一定の性質が宿る代物である。その仮面は世界各地に存在している。

 世界再興物語では滅亡の危機にあった星を救いし原動力として語られており、現実では事をなす動力源として重宝されている。

 仮面は単体だけあっても意味がない。仮面を被りし者がいて、始めてそこに宿る性質は発揮される。生命体、もとい人間を媒介に仮面に宿る性質は再現される。

 それは誰もが扱える代物ではない。

 扱える者が限られており、その使い手は仮面の適合者バイパーと呼称されている。

 仮面にある一定の性質が宿る特殊な代物と元々存在する普通の仮面の違いは2つ。

 1つは仮面の適合者バイパーになれるか否かである。

 もう1つは仮面を被った瞬間に誰とも分からない肉声を耳にするか否かである。もちろん、肉声を耳にするのは特殊な仮面の方である。

 肉声は道徳の一環と思われており、使い手たちの大抵は、その内容を気に留めていない。世界再興物語同様、鵜呑うのみにする者は少数派に属している。

 また仮面による性質の再現は生命体1つに対して、1枚まで。

 被った枚数分の性質を手にすることはない。先に被った仮面に宿る性質が生命体の肉体に展開されているせいで、新たな性質は拒まれる。先に被った仮面が生命体を占有しているため、重ねて被っても意味がない。

 複数の仮面に適合する者であってもこの法則にとらわれる。仮面を核とした生命体でもない限り、この法則は覆らない。


[由来]

 世界再興物語に言及されている。

 言及されている物語上、仮面に宿る性質の原型は星に刻まれた史実から汲み取ったものだと言われている。それを仮面に封じ込めただけだと言う。

 世界に仮面をばら撒いた存在、自称:来訪神がその2つを可能にする仮面を持っていたから、成し得たとのこと。

 このことから世界にばら撒いたとされる仮面に模範となる代物があることが分かる。

 眉唾まゆつばものではあるものの、言及されている物語上ではそのようになっている。


[仮面に宿る性質の分類]

 以下の6つに分けられる。

 ・超常現象を引き起こす力を持つ性質。

  例えば、サイコキネシス・ブレインコントロール・サイコメトリー・シンパシーなどが挙げられる。

 ・自然現象を引き起こす力を持つ性質。

  例えば、熱・雨・風・雷・氷などが挙げられる。

 ・肉体の枷を外し、潜在能力の解放を促す力を持つ性質。

  例えば、反射神経・筋力・学習能力・問題解決能力などが挙げられる。

 ・かつての星に存在した生命体に変身する力を持つ性質。

  また辛うじて生息している生命体も含まれる。

  例えば、動物・昆虫・細菌などが挙げられる。

 ・空想の存在だと扱われた生命体に変身する力を持つ性質。

  また実在しても表舞台に立たなかった生命体も含まれる。

  例えば、神仏・悪魔・妖精・妖怪・怪物などが挙げられる。

 ・事象や概念をモチーフにした力を持つ性質。

  例えば、享受・伝播・所有・波乱などが挙げられる。


[仮面の種類]

 ・ルート

  世界にばら撒かれたとされる特殊な仮面の祖。枚数は17枚でされており、1種類につき、1枚だけである。その情報はルートの1枚、図鑑の仮面によって、明かされている。

 ・ブランチ

  ルートを基にして作られたとされる仮面。ルートと違い、1種類につき、複数枚存在する。


仮面の適合者バイパー


[概略]

 仮面に宿る性質を扱える者。

 仮面との親和性がある程度でなければ、その性質を引き出せない。

 見極めは仮面を被った瞬間に分かる。

 被った仮面に宿る性質を扱うに相応しくない者の場合、拒絶された意が耳に届き、被った仮面が外れる。

 逆の場合、制約と思える内容を耳にして、被った仮面に宿る性質が最も発揮できる姿へと肉体が変態する。眩い光に包まれ、仮面に宿る性質を再現した姿へと変身する。仮面との親和性が高いほど、その性質の真価に迫れる。

 仮面の適合者バイパーに変身する条件は他にも存在するのの、相性が物を言う。素養があって、始めて意味をなす。

 仮面の適合者バイパーに姿を変えても、物事の認識はできる。仮面で顔が覆われてしまっても、元々持つ生命体としての感覚器官を通して、日常でやっているように物事を認識できる。

 ただし飲食できないから、味覚は封じられている。

 口内を切ったときに流れる血液であれば、感じることはできるものの、外部からの摂取による作用は不可能である。生命体の性質を宿した仮面であれば、それも可能ではあるものの、それに該当しない仮面であれば、ほぼ不可能である。

 外見は調整できるものの、仮面がなければ、いじくることはできない。

 また好き勝手できるわけでもない。

 調整はせいぜい一回り・二回りが限界。本来の姿を基準にしているから極端に大きくも小さくはならない。

 そして内に宿る性質を発揮する場合は本来の姿に戻るのが最善である。

 内に宿る性質に耐えきれない可能性と生存することを前提にしていれば、それを扱うに相応しい姿に戻るのが好ましい。

 調整次第では姿を変えたままでも内に宿る性質は行使できるものの、真価を発揮させるのであれば、本来の姿にならなければならない。体質さえ手にできていれば、前者はどうにかなるものの、後者の場合はどうしても避けきれない。


仮面の適合者バイパーになれる者の条件]

 仮面に宿る性質を扱えるに足るだけの親和性を持ちえていることを除けば、以下の3つ、全てが当てはまっていること。

 ・生者であること。

 ・仮面に宿る性質を再現する肉体が存在していること。

 ・仮面に宿る性質を再現するエネルギーが足りていること。


仮面の適合者バイパーになる際に耳にする肉声]

 恩恵は役割が終えしときになくなる。

 そのときは然るべき使者を遣わせ、回収させる。

 その恩恵を失いたくなければ、役割を全うしろ。

 さすれば、恩恵は永遠不滅のものとして存続する。

 そのことを肝に銘じて、仮面を使え。


仮面の適合者バイパーの姿が解ける条件]

 世界の常識とされているのは以下の6つのどれかに該当していることである。

 ・仮面に宿る性質を扱えるに足るだけの親和性を失ったとき。

 ・生命活動が停止したとき。

 ・仮面に宿る性質を再現するに必要な肉体が失われたとき。

 ・仮面に宿る性質を再現するに必要なエネルギーが注げなくなったとき。

 ・仮面を被る当人の意思で仮面を脱いだとき。

 ・並大抵ではないが仮面を壊したとき。

 仮面の性質で引きがす方法もあるが、常識に昇華されるほど、知れ渡っていない。知る人ぞ知る方法である。その仮面の存在を知らない限り、思い至ることはない。妄想もうそうは膨らませられても、実現可能かまでの判断には至らない。


仮面の保有者ホルダー


[概略]

 仮面の適合者バイパーに姿を変えられず、ただ仮面を所有するだけの存在。


仮面の暴走獣バーサーク


[概略]

 元々星に存在した生命体ではなく、仮面がばら撒かれた後に誕生した生命体。仮面の適合者バイパーに姿を変える仮面を被らずとも、仮面に宿る性質を扱える。内に宿すものを活用することでその体現を可能にし、さらに自身に相応しい仮面を被れば、その性質も扱える。

 外見は己の意思で変えられ、内に宿す性質を扱うに相応しい姿で過ごす者や人間に近しい姿で過ごす者もいる。変異点さえ目立たせなければ、人間社会で暮らすこともできる。

 しかし大きさはそこまで融通が効かない。

 調整はせいぜい一回り・二回りが限界。本来の姿を基準にしているから極端に大きくも小さくはならない。

 そして内に宿る性質を発揮する場合は本来の姿に戻るのが最善である。

 内に宿る性質に耐えきれない可能性と生存することを前提にしていれば、それを扱うに相応しい姿に戻るのが好ましい。

 調整次第では姿を変えたままでも内に宿る性質は行使できるものの、真価を発揮させるのであれば、本来の姿にならなければならない。体質さえ手にできていれば、前者はどうにかなるものの、後者の場合はどうしても避けきれない。

 その辺の事情は仮面の適合者バイパーにも言えることである。形態変化も取り扱える性質も大した差はない。

 ただきっかけが違う。

 仮面の適合者バイパーの場合は仮面を被らなければ、その芸当はできず、仮面の暴走獣バーサークは自身の制御次第。いきなり変態に持ち込める仮面の暴走獣バーサークの方が戦闘にいて、有利である。生半可なまはんかではない存在に立ち向かう準備が整う前に殺されるのは珍しいことではない。

 その分、エネルギー消費が激しい。仮面の適合者バイパーにも言えることではあるものの、負担は仮面の暴走獣バーサークの方が大きい。

 内に宿る性質の保持、形態変化する手順の保持、その変化を実践することの保持を仮面に肩代わりできない以上、避けることはできない。生存に関わることなので切り離せない。

 大食漢であるのが悩みの種である。

 その欠点を差し引けば、人種より優れていると言える。それが理由で仮面の暴走獣バーサークは人種を劣等種と見なしている。礼節を払う価値はなく、相手のままを受け入れる必要はないと思っている。奴隷どれいにしている国が存在するくらいにその認識は浸透している。


【組織及び団体関連】


仮面組織パレス

 人種主導を敷く東の大陸を統べる3つの統治機構の総称。

 各統治機構の主義主張に違いはあっても、世界にばら撒かれた仮面の管理と国・都市・町・村を形成した全体の統制は共通している。

 統制に関して言えば、統治機構が目指す形に誘導する監督が各区画に置かれている。強権をともなった口出しに徹し、各自治体に行政を丸投げしている。直轄地でもない限り、ほとんどその方針である。直接行政に関わる、おめでたい者はそうそういない。

 また仮面の暴走獣バーサークによる被害を食い止めるため、警戒を促している。

 仮面組織パレス仮面の暴走獣バーサークの特徴を広め、常識へと結びつけている。身の危険性を教え、安全に気遣うように情報を流している。

 自分たちも似通った存在を囲い込んでおり、仮面の暴走獣バーサークと同列だと思われないように行動している。良き隣人であり、権威けんい失墜しっついさせないため、活動を通して証明している。

 個人はともかく、集合体としては秩序を保つように行動している。ままを振り回さないように活動している。

 その成果が認められているから仮面組織パレスの統治は揺らいでいない。新たな統治組織を創立する動きが見られないのは強い拒絶を訴えるほどではないためである。


仮面装属ノーブル


[概略]

 仮面組織パレスの一角であり、仮面の適合者バイパー絶対主義を掲げる組織。

 かつては星全土を統治していたが、今は東の大陸の中央部で手腕を振るっている。

 それでも人種最大勢力を誇る組織である。

 活動目的は世の中の発展である。そのために仮面の適合者バイパーを結集させ、様々な分野に当たらせている。

 もちろん仮面の適合者バイパーになれない事情を差し引いた優秀な人材も囲い込んでいる。全てを仮面の適合者バイパーで賄いきれるものではないため、各分野に活動の担い手を登用している。

 能力に見合った職務に準じた管轄パーティーと場所に就いている。

 ただし本部には所属させてもらえていない。

 本部に所属できるのは仮面の適合者バイパーだけであり、他の者たちは支部や専門機関に配属されている。

 また仮面の適合者バイパーであれば、階級ランクが与えられており、その階級ランクが高くなるほど、行使できる権限は強くなる。

 支部や専門機関に所属する仮面の適合者バイパーではない者にも本部に所属できるための制度は用意されている。

 単純に仮面の適合者バイパーになればいい。

 そのために実績を上げ、自身に相応しい仮面を与えられる審査を受ける権利を手にする。それを行使することで自身に相応しい仮面、仮面の適合者バイパーに姿を変えられる仮面が手にできる機会が巡ってくる。

 世の中の発展のために活動に勤しむ優秀な人材、仮面の適合者バイパーを確保するための環境を仮面装属ノーブルは整備している。

 仮面装属の候補生ノーブル・ネクストという資格を設け、仮面の儀エレクトを執り行うことにより、仮面の適合者バイパーを輩出している。

 また組織に属さなくとも仮面の適合者バイパーでいることを例外で認める制度もある。

 仮面装属ノーブルから認可を受け、依頼をこなし、組織に貢献していれば、仮面の所有を認めている。こなした依頼次第で所有できる期間を延長し、その期間中であれば、保持を認めている。

 この方法、もしくは仮面装属ノーブルに属していなければ、仮面は没収される。仮面に宿る性質を扱えもしない、仮面の保有者ホルダーは断じて認められていない。資源の無駄であり、当然ながら、没収の対象になっている。

 そして仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドいて、仮面を蒐集しゅうしゅうできるのは仮面装属ノーブルだけである。

 例外はなく、公式の担い手である存在以外は駆逐くちくしている。

 仮面装属ノーブルが認める以外の方法で仮面を所有し、さらに大量の仮面を保持している観点から仮面暴徒ブレイカーの存在は認められない。統治領域フィールドの秩序を乱しているため、1章にいて、部隊を編成して、討伐に動いている。

 西の大陸にある仮面解属クラウンに侵略されているが、東の大陸の統治組織、仮面装属ノーブル仮面牢武クローザーが協力して、東の大陸に足を踏み入れることを阻んでいる。

 日夜戦いが巻き起こっている、東と西の大陸で陸続きになっている場所。

 さらに全てではないにしろ、常に争われていない、東の大陸に踏み入れられそうな場所。

 そこに防衛網をき、侵入を拒んでいる。

 しかしかんばしくはない。

 被害と損耗は確実にあり、問題は消えない。殲滅せんめつできればいいのだが、敵地での補給が容易ではないため、断行していない。相手が手強いのもあるが、みすぼらしい場所で物資をまかなえない点が解決できていないから、見送っている。歯痒はがゆく思っている。


[管轄パーティー]

 仮面装属ノーブルは職務に特化した部門を設けており、その単位を管轄パーティーと呼称している。

 仮面装属ノーブルに集いし者は仮面の適合者バイパーやそうでない者問わず、以下の8つの管轄パーティー、どこかに所属する形となる。

 戦闘局マーシャルパーティー守護局ガーディアンパーティー諜報局サイレントパーティー断罪局ジャッジメントパーティー蒐集局コレクションパーティー政略局タクティクスパーティー工作局ストラクチャパーティー、そして特務局レェインパーティーのどれかに必ず。


[戦闘局マーシャルパーティー]

 戦闘を生業とした集団。攻勢に転じ、標的の武装を無力化に図る活動に勤しんでいる。


[守護局ガーディアンパーティー]

 防衛を生業とした集団。対象の健在を優先し、外敵がばら撒くものから守り通す活動に勤しんでいる。


[諜報局サイレントパーティー]

 密偵および探索を生業とした集団。情報収集とその操作により、時世を乱さず、発展へと促す雰囲気作りに勤しんでいる。


[断罪局ジャッジメントパーティー]

 裁定および執行を生業とした集団。不穏分子を摘発てきはつし、均衡きんこうの取れた調和な統治領域フィールドを目指し、活動に勤しんでいる。


[蒐集局コレクションパーティー]

 仮面の管理を生業とした集団。仮面の回収とその保管、そして相応しき存在に授与して、さらなる発展に繋げる存在に仕立て上げる活動に勤しんでいる。


[政略局タクティクスパーティー]

 各自治体や支部や関連組織の運営を生業とした集団。立案面・実務面・外交面など、様々な手腕を以ってして、各所を潤滑じゅんかつに回す活動に勤しんでいる。


[工作局ストラクチャパーティー]

 特務局レェインパーティーを除いた、各管轄パーティーへの支援を生業とした集団。資材調達や人材発掘など、各管轄パーティーの職務に支障をきたさないように活動に勤しんでいる。


[特務局レェインパーティー]

 各管轄パーティーの監督を生業とする集団。管轄パーティー単体による判断や対処が難しい事案に取り組み、組織存続を理念に活動に勤しんでいる。


[階級ランク]

 階級ランクは功績と今後の期待の表れで授与される。その実力を仮面装属ノーブルでは、階級ランクと呼んでいる。

 仮面装属ノーブルに所属し、仮面の適合者バイパーの場合、3つの初級者ビギナーと5つの熟練者エキスパート、この8つの階級ランクのどれかに当てはまる。

 最も低い階級ランクから順に、第三等級初級者サード・ビギナー第二等級初級者セカンド・ビギナー第一等級初級者ファースト・ビギナー第五等級熟練者フィフス・エキスパート第四等級熟練者フォース・エキスパート第三等級熟練者サード・エキスパート第二等級熟練者セカンド・エキスパート、そして第一等級熟練者ファースト・エキスパートとなっている。

 階級ランクが高くなればなるほど、行使できる権限も強くなり、重要な役職クラスを任せる際の指標となる。

 当然、問題行動を起こす者であれば、昇級されることはない。組織の足かせとなる存在は必要とされていないため。


[役職クラス]

 職務・職場・区間などにける責任者を仮面装属ノーブルでは、役職クラスと呼んでいる。


[局長マスター]

 管轄パーティーの最高責任者。本部の仮面の適合者バイパーが務められる役職クラス


[副局長サブマスター]

 局長マスターを補佐する者。本部の仮面の適合者バイパーが務められる役職クラス


[配属]

 仮面装属ノーブルに集いし者は8つの管轄パーティーに割り振られ、職務に勤しむ。

 そして本部・支部・専門機関に配属される。

 本部に配属されるのは仮面の適合者バイパーのみであり、そうでない者は本部の窓口となる支部や仮面装属ノーブルの実働を大きく支える専門機関に配属される。

 本部であれば、局長マスター副局長サブマスターなどの役職クラスに任命される者が出てくる。

 もちろん、支部や専門機関にも役職クラスはあり、仮面の適合者バイパーがそこに配属される場合は何らかの役職クラスに就く前提である。支部長や統括長や専任講師など、様々な役職クラスがある。


[仮面装属の候補生ノーブル・ネクスト]

 仮面装属の候補生ノーブル・ネクストとは、自身に相応しい仮面の審査を受ける権利を有した者のことを指している。

 それを行使すれば、仮面の適合者バイパーに姿を変えられるかを見極める儀式、仮面の儀エレクトが執り行われる。

 その儀式で自身に相応しい仮面が判明し、仮面装属ノーブルが保管する仮面に含まれていれば、仮面が授けられる。

 判明しても、保管する仮面に含まれていなければ、手に入り次第、仮面が授けられる。その時点で相応しい仮面であるのかを確認する意味も込め、再度、仮面の儀エレクトを催された上で。それで問題がなければ、仮面を手にできる寸法である。

 しかし相応しい仮面が判明しなければ、その資格は剥奪はくだつされる。

 いつまでも可能性の芽がない者に構っていられないため、権利を取り上げている。各分野での活動の担い手の輩出を優先しているため、他の者に機会が巡るようにしている。

 その機会を手にできる、仮面装属の候補生ノーブル・ネクストになる方法は2つ。

 1つは仮面装属ノーブルが抱える育成機関に入学して、優秀な成績を修めること。その際は仮面装属ノーブルに所属することが約束させられる。成否に関わらず、遵守じゅんしゅしなければならない。

 もう1つは仮面装属ノーブルの支部や専門機関で実績を上げること。仮面装属の候補生ノーブル・ネクストの資格が剥奪はくだつされていたとしても、それは関係ない。現場で結果を積み重ねれば、選出される可能性は残されている。


[仮面の儀エレクト]

 仮面の適合者バイパーになれるかを見極める儀式。見極めを可能にする占貌せんぼう仮面の適合者バイパーの働きで見極めを受ける者に相応しい仮面を見つけ、仮面を授けている。

 占貌せんぼう仮面の適合者バイパーを多く輩出してきた実績を持つ一族が仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドが存在し、その一族が仮面の儀エレクトに協力している。

 一族にもたらされる因果は不明だが、その特性に目をつけた仮面装属ノーブルは周囲に悪用されない名目で保護し、その見返りで仮面の適合者バイパーの輩出を手伝わせている。

 しかし圧倒的に力差があるからと言っても、馬車馬の如く、働かされてはいない。

 この協力体制を崩したくないため、適度に緩めている。そのため、占貌せんぼう仮面の適合者バイパーに姿が変われなくても、見捨てられていない。一族が持つ特性を途切れさせないように縁談を組み、役目を次世代に繋げられる措置を取っている。


仮面展意インテル

 仮面組織パレスの一角であり、人種に限定した研究分野に傾倒した能力・成果主義を掲げる組織。

 活動目的は世界にばら撒かれた仮面の究明とその再現である。そのためであれば、仮面の適合者バイパーである必要性はなく、活動目的に沿った結果を出せる者を重宝している。

 前提としてあり得ないことかもしれないが、仮面の究明の一環として、被った枚数分、仮面に宿る性質を発揮できないかの研究を行っているが、成功したことはない。

 仮面装属ノーブルから離脱した者たちで設立され、今は東の大陸の南部を統治している。その経緯があるため、仮面装属ノーブルから目の敵にされている。

 しかし研究成果の一部を対価に見逃してもらっている。

 仮面の所持は仮面装属ノーブルと違い、登録料や維持費を支払えば、所持できる。仮面の保有者ホルダーだろうと仮面の適合者バイパーだろうと関係なく、やるべきことをやっていれば、仮面を持つことができる。

 だから仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドからくら替えする者たちがいる。

 賄賂わいろを贈り、優先的移住措置を取る違法が横行するほどであり、また勢力に取り込みたい立場にある仮面展意インテルも黙認しているから、希望者の多くはこの手段を用いたがる。

 正式な移住のための手続きはあるものの、真面目に臨んでいれば、通過するのは数年先になるため、大抵、統治機構に利益を流す方策を以ってして、移住している。

 手早く済ますため、贔屓ひいきされるよう、積んでいる。

 仮面装属ノーブルに決定的な証拠を突き出されない限り、引き渡さない。

 また危険性に見合った手間賃が弾まない限り、引き渡していない。


仮面牢武クローザー

 仮面組織パレスの一角であり、人種に限定した軍事分野に傾倒した能力・成果主義を掲げる組織。

 活動目的は西の大陸からの侵入者の対処である。そのためであれば、仮面の適合者バイパーである必要性はなく、活動目的に沿った結果を出せる者を重宝している。

 それでも戦場での活躍を前提にしているため、仮面の適合者バイパーが優遇されている。

 仮面装属ノーブルから離脱した者たちで設立され、今は東の大陸の北部を統治している。その経緯があるため、仮面装属ノーブルから目の敵にされている。

 しかし活動目的が西の大陸からの侵略者の対処に絞られているため、見逃されている。

 西の大陸にある仮面解属クラウンに侵略されているが、東の大陸の統治組織、仮面装属ノーブル仮面牢武クローザーが協力して、東の大陸に足を踏み入れることを阻んでいる。

 日夜戦いが巻き起こっている、東と西の大陸で陸続きになっている場所。

 さらに全てではないにしろ、常に争われていない、東の大陸に踏み入れられそうな場所。

 そこに防衛網をき、侵入を拒んでいる。

 しかしかんばしくはない。

 被害と損耗は確実にあり、問題は消えない。殲滅せんめつできればいいのだが、敵地での補給が容易ではないため、断行していない。相手が手強いのもあるが、みすぼらしい場所で物資をまかなえない点が解決できていないから、見送っている。歯痒はがゆく思っている。


統治領域フィールド

 統治機構の支配下にある地域を指している。

 例えば、仮面装属ノーブルが支配する地域一帯の場合、仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドと呼称される。


仮面暴徒ブレイカー

 ホコアドクを1年近く不当占拠する暴力組織。100名近くの手勢と組織が抱える仮面の適合者バイパーの存在で事をなした。重要な役どころを除けば、若者で構成されている。一応、重要な役どころにも若者は2人いる。

 元仮面装属戦闘局ノーブル・マーシャルパーティー第三等級熟練者サード・エキスパートが立ち上げた組織である。

 体制を盤石にするため、周辺の町や村に仮面の適合者バイパーを派遣して、資源の補給をしている。不当占拠して半年後くらいから行っていた。

 ままに、好き勝手に生きるため、町の人々に悪事を働いている。暴行・窃盗せっとう・無銭飲食・痴漢ちかん強姦ごうかんは当たり前とされており、逆らう者には制裁を加えられていた。

 町の人々による反乱を機に鉄製の首輪がめられた。仮面暴徒ブレイカーの管理下にあることを町の人々に教え込むために。

 また町からの脱走を許されておらず、取り締まるための警備網が敷かれている。

 その網に引っ掛かり、逃走は失敗に終わることが多かった。

 万が一、逃げられても連れ戻されていた。

 その両者にはより過酷な制裁を与え、町の人々に逃げ出す無意味さをさとした。

 基本、町の人々を対象に悪事を働いており、部外者に手を出すことは滅多にない。目に分かるように喧嘩けんかを売らない限り、もしくは女性でない限りはちょっかいをかけられることはない。

 目に余る存在だと認識されているものの、担当区域内の治安組織が事態を収拾できないほどの脅威きょういがある。賞金稼ぎ屋や恨みを晴らそうとする復讐者などが挑んでもその結果は変わらなかった。

 個人から集団まで。素人から専門家まで。無名から有名まで。

 仮面装属ノーブルを除き、幅広い者が関わったが、無敗を誇り続けている。

 そしていよいよ手がつけられるものはいないとされてから仮面装属ノーブルが討伐に動き、仮面暴徒ブレイカーは迎え撃とうとしている。


仮面暴突クラッシャー

 仮面暴徒ブレイカー仮面の適合者バイパーをリーダーにえた暴力集団。ホコアドクが不当占拠されてから半年くらい経過した後に結成された。

 ホコアドクの不当占拠にける補給源として、周辺の町や村を牛耳っていた。悪名高い仮面暴徒ブレイカーが関わる集団であったため、手出しされずに済んでいた。役目を果たせていた。

 しかし1章2節10項(14枚目)の時点で全ての仮面暴突クラッシャーは壊滅している。


仮面解属クラウン

 仮面の暴走獣バーサーク主導による統治と仮面の暴走獣バーサークのためだけの国。そこにいる人種のことなど、全く考慮こうりょされない。

 かつては仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドの一部であり、西の大陸で唯一栄えていた場所を奪い取り、建国した経緯がある。

 自称:生命体の頂点としてのことわりを掲げている。優れた存在であるため、何をしてもいいと思い込んでいる節がある。

 全ての仮面の暴走獣バーサークがそのように思い込んでいるわけではないにしろ、その国に集う者たちの多くはそのように思っている。

 少なくとも表立って批判するような者は仮面解属クラウンに属していない。資源が富んでいない西の大陸で生活することを考えれば、ここをいて、他にないため、人種をかばう真似はしない。冷遇されてまで水を差すつもりはない。

 迎合したくなければ、出奔しゅっぽんし、他の場所を拠点に暮らせばいいが、仮面解属クラウンが許していない。裏切り者には鉄槌てっついを下しており、後に続かないように措置を取っている。

 また余所よそで暮らすとしても、先駆者との縄張り争いや食うに困らない環境である保障もないから、不満があっても簡単に行動に起こせることではない。

 それ故に協力している。やぶさかではない。 

 現在、仮面解属クラウンは同胞を満足させる資源を獲得する目的と種族としての優位性を見せつける目的で東の大陸に遠征に出ている。

 肥沃ひよくではない土地柄で育んでも用意できる量ではないから、それをまかなうために進行している。あらゆるものを手中に収めるため、軍隊を派遣している。


【地名】


≪ホコアドク≫

 仮面装属の統治領域ノーブル・フィールドの南方に位置する町。

 辺りは草原が広がり、西の港町と東の温泉街に通じる森が近くにある。

 仮面暴徒ブレイカーの存在で有名になった。

 1度、町の人々は仮面暴徒ブレイカーに反旗をひるがえしたが惨敗した。

 それ以降、仮面暴徒ブレイカーに逆らわず、苦渋くじゅうの日々を過ごしている。鉄製の首輪をめられ、己の身分を弁えさせられている。町からの脱走も難しいため、仮面暴徒ブレイカーの横暴に抗うのを諦めた者が多い。

 一時期、苦痛から解放されようとしてびる者が現れたが、今はほとんどいない。

 気に入られなければ、最悪、殺されてしまう。そこまでいかなくとも、より苦痛を味わされる可能性もある。

 少なくとも標的にされやすくなる。

 全ては仮面暴徒ブレイカーさじ加減次第であり、成否はそこに委ねられている。どんなに利益がともなっていても、気分次第で摘む可能性はある。

 こびを売るのも相当な勇気がいるため、ほとんどの者は仮面暴徒ブレイカーの横暴を受け止めるだけに終始する。より被害を受けないために積極的にご機嫌取りに向かう者はほぼいない。

 仮面暴徒ブレイカーの横暴を受ける対象は基本、町の人々である。部外者は明確に敵意を向けない限り、おとがめなしである。魅力みりょくをそそる女性でもない限り、ちょっかいはかけられない。

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