第4話 プログラミングスキルを活かせ! ギルドに登録

 とりあえず、ソラリスの家に一晩泊まらせてもらうことにした。

 RPGみたいに寝ればMPは回復するだろう。

 若い女性の家で寝るのは緊張する。

 まだ仲良くもなってないレディの家に泊まるのは気が引けるが、ソラリスの方がこっちを勝手に召喚したのだから、その辺は面倒見てもらわないと。


 そして、翌朝。


  Lv.3

  スキル :プログラミング(レベル1)

  攻撃力 : 4

  防御力 : 8

  HP : 10

  MP : 30

  素早さ :5

  知力 : 50

  運 : 5


「よし。回復出来たぞ!」

「良かったです」


 ソラリスも嬉しそうだ。


「さ、今日はどうしましょうか?」


 僕は問い掛ける。


「そうですね。ゴブリン退治はいかがでしょう?」

「ゴブリン……」


 そうか。

 ここは異世界。

 モンスターがいて当然の世界だ。


「その前に、あきら様をギルドに登録してあげなければ」

「ギルド?」

「はい。モンスター退治はギルドに登録した冒険者のみ許されているのです」


 この世界では、ギルドという冒険者組合に冒険者登録しなければモンスターと戦うことは認められないらしい。

 登録せずにモンスターを倒したことが分かった場合、国から罰せられるのだそうだ。

 僕は登録した方が安全だと思った。

 登録料と月会費はいるけど怪我をした場合、保険も出るし何よりギルド仲間と切磋琢磨出来る。


「じゃ、登録しましょう」


 僕とソラリスはギルド『内田屋』に辿り着いた。


「じゃ、登録申請書に名前書いて、登録料1万エン払ってちょうだい」


 不愛想なギルドマスターがそう告げた。

 登録料はソラリスが払ってくれた。

 僕は晴れて冒険者になれた。

 ちなみに、この世界にはギルドが1000個あるらしい。

 『内田屋』はこの世界のギルドランキングにおいて954番目と底辺だ。

 低いと小さくて報酬の低い仕事しか来ない。

 だけど、ランキングが上がれば、国に認められて大きな仕事がギルドに舞い込む様になる。

 そうすれば、僕にも多額の報酬と名声が手に入るという訳だ。

 僕のこの『プログラミング』スキルで『内田屋』を上位に押し上げてみたい。

 なんか、ゲームみたいでワクワクして来た。


「ゴブリン退治の仕事をしたいのですが」


 ソラリスがギルドマスターに訊く。


「いくつかあるよ。難易度は上、中、下どれにする?」


 ソラリスが僕の方を向いた。


「まずは下から……」


 モンスターと戦うのは初めてだから、僕は用心のため控えめな方を選んだ。


「じゃ、上で!」


 ソラリスが僕の返答を打ち消した。


「よし。じゃ、お願いするぞ。報酬は30万エン。仕事内容はここから東の村の畑を荒らすゴブリンを倒すこと」


 太陽が眩しい。

 僕とソラリスは東の村『コンヤガヤマダ』を目指していた。


「酷いですよ。ソラリスさん」

「大丈夫です。あなたの『プログラミング』スキルがあれば」


つづく

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る