第12話 10月に東部世界会議場で首脳会議か? 北側復帰支援策が焦点

●東部中立地区第一世界会議場で首脳会議開催

南北戦争の終結後、2度目の首脳会議が東部中立地区の第一世界会議場で開催されることが分かった。詳しい日程は明らかになっていないが、10月ごろをめどに開催する予定である。


●魔境帝国イディア首相の提言受け開催

首脳会議の開催の理由は、ことし4月の世界会議での魔境帝国首相イディア氏の提言である。イディア首相は魔境帝国が北側大陸の支援に30兆マークルを拠出することを発表し、各国の協調を訴えた。


世界規模の巨額支援を前に、各国の態度を明確化する機会が必要だと判断されたようだ。


●焦点は各国の意思確認と北側支援の負担配分

首脳会議で最も注目するべき議事は2つある。


一つには各国の北側支援に対する意思確認である。早々に支援を決定した魔境帝国のような国もあるが、いまだ態度を明らかにしていない国家も多い。(下リスト参照)


●東魔法大陸・西魔法大陸各国 北側支援には言及せず

南海諸島同盟国家群 魔境帝国に好意的だが北側支援には否定的で態度はあいまい

空上諸国 南北戦争に関する諸問題に言及せず

世界が北側支援、そして復帰に向けて動いてゆくのか否かがこの会議によって明らかになるだろう。


二つ目は、北側支援の負担配分である。魔境帝国は30兆マークルを支出するが、支援派(下リスト参照)の諸国家が今後どれほどの支援を行うのかが注目される。


*各国の動向

神庭島 始祖神の方針で世界最大の北側難民受け入れ先に

魔境帝国 30兆マークルを支出決定

北方諸島 北側大陸崩壊後から継続して支援を続けている

マークリー金融国 空上離脱してからも北側支援組織に継続的に融資


●始祖神や神々の出席はなし 人権に配慮

東部中立機構の世界会議委員会によると、首脳会議には始祖神をはじめとした神々が出席する予定はない。


神庭島の外交担当官はこれについて「世界会議側と神々が出席しない方向で確認を取っている。神々はご自身が出席することで人権を妨げる可能性が生ずるのを危惧し、欠席のご意向があった。」とコメントしている。


●有識者は「東西魔法大陸の態度がカギになる」と予想

首脳会議の行方について、政治ジャーナリストで作家のノッソリモッソ氏は東西魔法大陸に注目している。


「東西魔法大陸の魔法国家は古来より、神々と友好的な関係を築いてきました。しかし、始祖神のご降臨以降は神々に対して中立的な立場をとり続けています。


今回の会議で東西の魔法大陸がどちらの方向に向かうかで、世界情勢が大きく変わってくる可能性があります。」


同氏の指摘のように、世界情勢に大きな変化があるのだろうか。首脳会議の模様は各国のテレビンユ放送局やテリピンサービスで世界同時生中継される予定だ。

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