(四)‐2(終)

 野上がテレビの画面を見ると、見覚えのあるような道が映し出されていた。幅の広い道路の斜面からの土が覆い被さっていた。

 野上は胃の方へ飲み込みそびれたビールでむせかえった。もしかすると、その現場は自分が一昨日和葉の死体を埋めた場所ではなかろうか。いや、もしかするとそうだ。たぶんそうだ。いや、そうに違いない。そう考えると、野上はいても立ってもいられなくなり、車のキーを取りジャンパーを着て、家を出た。そして車を現場に走らせていった。


(了)

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崖崩れ 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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