(三)
翌日、野上は仕事に行った。この日は朝から雨が降っていた。昨晩の雨は止まず、ずっと降り続いていた。
野上は、町内を東西に走る国道の修繕の現場を担当していた。しかし、この日は雨のため、やむを得ず会社の事務所で事務仕事をした。
建設会社で事務仕事をすることができる人間は多くない。雇われている人間はほぼ建設作業員だ。事務仕事をするよりも体を使い土木作業を長年してきた人間ばかりだった。それは野上も同じだった。だから役所に提出する工事現場関連の書類などは経営者の奥さんや跡継ぎの若い社員がやることになっていた。しかしながら、その作業は滞っており、社長は雨でヒマをもてあました作業員に処理させていった。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます