恋をあつめました

@yoru1022

折りたたみ傘

「あれ?俺の傘がない???」


今の季節は梅雨。


最近は一日中雨が降っていることが多く、今日も一日中雨が降っている。


あの傘はどこにでも売ってる普通の傘だ。間違えて使われてしまったという可能性が高いだろう。


「嘘だろ、この雨の中どうやって帰るんだよ・・・」


家までは2、3キロとそこまで遠いわけではないが、この雨の中傘を使わずに帰ったらカバンの中にある教科書が悲惨なことになるのは目に見えている。


途方に暮れていると後ろから声が聞こえた。


「あれ?たっくん。帰らないの?」


彼女の名前は佐々木明日香ささきあすか俺ん家の隣に住んでいる幼馴染だ。


「明日香いいところに来たな!!!」


「えっ??」


俺は明日香に傘がないことを説明した。


「あー、今日は一日中雨だったからみんな傘持ってきてたし、間違えて使われたのもしょうがないね。」


「うん、いいよ。この傘に入れてあげる」


「明日香様!!!感謝いたします」


「貸し一つだからね」


「覚えていたらな」


「もぉ~、そんなこと言うなら入れてあげないもんね!」


「嘘だから!!!ちゃんと覚えていますからお願いします!!!!」


「たっくんは意地悪なんだから」


「それはお前のほうだろ」


俺たちは二人で笑った。


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