第99話 コジローとモニカ結婚
コジローは、転移魔法陣を領主に提供したことで、年間3万Gもの収入を定期的に領主から得ている。
その資金から、マドリー&ネリーの家の改修・増築工事の費用まで出してくれていたのだが、あまり経営面では家の商売に関わってこなかったモニカはそれを知らなかった。
マドリーとネリーとしては、どちらかと言えば、出会ったばかりのジョニーよりは付き合いの長いコジローを推す気持ちはあった。だが、最後はモニカが決める事であるので、モニカがどうしてもジョニーが良いというのであれば、それも仕方がないかなと思っていた。
マドリーとネリーは、娘はおそらくジョニーを選ぶだろうと思い、ジョニーについて少し―――娘婿として―――興味をもって、ジョニーの弟のダニーに、兄について尋ねてみたのである。
ジョニーは、ゴーレムを作る魔法が使える。それを労働力として利用できるので、甲斐性はある。ただし、ジョニーはゴーレムを一体しか使役できず、あまり難しい事はさせられないという事だった。
だが、実は、ジョニーは金を持っていなかった。家を借りた金も、ここまでの旅費もすべて弟のダニーが出していたのである。
ダニーはゴーレムを三体使役でき、堅実な性格で金も無駄遣いせず貯めていた。だが、ジョニーはその顔から女にモテたためなのか、金があれば遊びに使ってしまうタイプだったのである。
それを知って、マドリーはダニーから話を聞いて少し心配になり、モニカに大丈夫なのか尋ねてみたのであった。
モニカも、ジョニーの金遣いが荒さについては、薄々気になっていた。何かというと街に行っては高価な買い物をしてしまい、支払いについてダニーによく怒られているのを何度もみかけていたのである。
ネリーとモニカは結婚相手について時々離すようになっていたが、ジョニーの金遣いについての話題から、ふと、モニカはコジローの経済力についてネリーに尋ねてみたのである。そこで初めて、コジローがこの村の出資者である事をモニカは知った。モニカはコジロー本人にも直接尋ね、年収が3万Gもあることを確認した。
3万Gというと、この世界の庶民の年収のおよそ十倍である。
それをコジローから聞いたモニカは、あっさりとジョニーを振り、コジローを選んだのである。
モニカにとって、経済力は重要だったのである。
モニカは、前世でニートだった影響なのか、引きこもり気味の性格をしていた。この世界ではなんとか、部屋に籠もり切りで出てこない完全ニートにはならずに済んでいたが、やはり、できれば家にこもってゴロゴロしていたい気持ちが強かったのである。
引きこもり生活をするのには、経済力が必要なのである。。。
ジョニーには
「一緒に畑仕事をがんばろう!」
と言われていた。
そこでモニカは、ジョニーに返事をするのを思いとどまった。
コジローとモニカは、前世の話という共通の話題もあり、なんでも正直に言いあえるような関係は築かれていた。コジローには、前世でモニカがニートであったことまで話していた。ジョニーには前世の事もニートだった事も一切話していない。
そこで、モニカは思い切って、あまり働きたくない、家でゴロゴロしてるのが好きだとコジローに告白してみたのだが、それに対してコジローは、金には困っていないから、もし結婚したら家で専業主婦してていいよ、と答えた。
それが決定打となった。
結局、女は最後は金のあるほうを選ぶのか、とコジローも思わないでもなかったが、容姿の美しさも人間の魅力なら、経済力もまた人間の魅力のひとつであろう。
どちらも空虚な魅力な気もするが・・・
ゼフトが言うとおり、恋などしょせんはお互いの欲望を満たすための利害の一致という側面もあるのだ。それが現実というものだろうとコジローは割り切ったのであった。
そうしてモニカはコジローの告白を受け入れたわけだが、それを知ったマドリーとネリーはどんどん話を進め、二人はあれよあれよと結婚まで追い込まれ、二人はコジローの家に一緒に住む事になったのであった。
実はコジローは、告白はしたものの、プロポーズまでしたつもりではなかったのだが・・・
まぁそれでも、断る理由もない、むしろ喜ぶべき事なので、二人は素直に結婚することとなった。
この世界での結婚は、特に役所に届けを出すというような制度はない。宗教も様々であり、結婚も様々である。宗教がある者は、信じる神に結婚を報告する、という儀式のようなものをするケースもあるが、お互いに相手を伴侶と認めて一緒に住み始めればそれで十分だと言う人も多い。
コジローとマドリーは、村の人達が集まって、ささやかな結婚の誓いの儀式とパーティを行って、結婚式としたのであった。
コジローは、予想外に結婚することになってしまったが、モニカと結婚できて幸せであった。
二人の関係は良好で、順調な結婚生活であった。
だが、その生活にも、やがて暗雲が垂れ込めてくるのであるが・・・
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